WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

【書評】「弱者の戦略」にいまの自分を重ねて

弱者の戦略を読んだ。自然界で一見弱いとされる生物や植物が、どのような理由でいまを生き延びているかを紹介している本だ。 弱者の戦略(新潮選書)作者:稲垣 栄洋新潮社Amazon この本が目に留まったのは僕が2つの意味で弱者の立場に属しているからだ。1…

【書評】炎上現場に見る『欠乏の行動経済学~いつも「時間がない」あなたに~』

時間がない。スケジュールは相変わらず押していて、検討は進んでいない最悪の状態だ。いまこのときの時間を稼ぐために後半のスケジュールを詰める相談をしなくては...。 めずらしくもない日常的な炎上風景。消耗していく現場。その真っ只中に読んだのが『行…

「SHOE DOG」読めばきっと惹き込まれる、ナイキ創業者の自叙伝

今まで読んだ企業本の中でも異色、それでいて惹き込まれる。 SHOE DOG(シュードッグ)―靴にすべてを。作者:フィル・ナイト東洋経済新報社Amazon 本著はナイキ創業者のフィル・ナイト氏がナイキ創業前から上場後までを振り返った、いわゆる企業本であ…

夏目漱石の「道草」と、片付かない日常

夏目漱石の「こころ」は思い出の本だ。 出会いは教科書で、全体の一部分だけを切り抜いたものにも関わらず、登場人物の繊細な機微、こころの複雑さ、美しさに僕はすっかり魅了された。この本との出会いが無くば、僕は本を読まない大人になっていたかもしれな…

最近、図書館が熱い

新しい本を追い求めるのもいいけれど、世の中にはまだ読んだことのない名著が積まれている。 図書館は良いぞ ちょっと前から図書館でよく本を借りています。ムスコと一緒にお散歩した時に寄ったのをきっかけに、絵本を借りたりちょっと前の話題の本を借りて…

【書評】「2030 半導体の地政学」半導体は産業のコメ、からのアップデート

半導体は産業のコメ、と習ったのは小学生のころだったか。当時は何とも思っていなかったものの20年以上の時を経て半導体は今でも、いや以前にも増して重要な物質となっている。かつてスマホ業界を席巻したHuaweiは半導体の製造を縛られて衰退し、ファウンド…

【書評】現場で役立つ幾何公差の測定評価テクニック

製造業の海外シフトにより製図の世界もグローバル化しつつあります。JIS規格も、2016年に制定されたJIS B 0420に見られるように幾何特性を考慮した製図へのシフトを促す流れが押し寄せています。 ただ幾何公差の製図お作法を知るだけでは意味がなくて、どう…

【書評】公益資本主義~日本株の未来を占う必読書

岸田政権が看板として掲げる「新しい資本主義」。その元ネタと言われているのが本著 公益資本主義です。著者の原丈人氏は岸田首相のアドバイザー的立ち回りをしており、日本株の不振もあって最近は一部界隈で良く名前を目にしますね。 「公益」資本主義 (文…

2021年読んだ本で印象に残っているものを語る

今年は読み切った書籍数は12冊前後、内容をおぼろげでも覚えているものはその半数と読書に対する姿勢がガッタガタでした。自分にとって読書は精神を消費して読むもので、今年は精神を削られるイベントが多かったのが主因かなと思ってます。このあたりは別で…

読める!読めるぞ!「英語の読み方」でニュース英文の読み方を知る

仕事で英語を使う人は、勉強も兼ねて日常も英語に染めてみようと試みることがあるのではないでしょうか。少なくとも僕はあります。一定周期ごとに英語本を読んだり英語圏のニュースを読みに行ったりとか、大人の中二病みたいなものだと思っています。 ただ悲…

「灼熱カバディ」の凡人へのスポットライトが嬉しい

※ネタバレ有りです。 最近「灼熱カバディ」のコミックを集め始めました。 灼熱カバディ(1) (裏少年サンデーコミックス)作者:武蔵野創小学館Amazon もともとマンガワンで見ていてストーリーは把握しているものの、読み返したくなる話が多いんですよね。 特…

「実力も運のうち 能力主義は正義か?」おごりと屈辱、失われた労働の尊厳

Brexitやトランプ政権の発足あたりから社会の分断が多く語られるようになりました。グローバル化が進んだ結果、例えばアメリカでは上位1%が国民所得の20.2%を手にする一方で下位半分が12.5%しか得ていません。こうした極端な貧富の差から下位層がエリート層…

購入から8年かけて「レ・ミゼラブル」を読み終えました

長らく「レ・ミゼラブル」を積読にしていました。 若かりし頃に購入して読み、「結構読んだなー、どのくらい進んだかな?」とKindleの読書進捗を見ると2%しか進んでおらず心が折れてました。 それから手を付けないまま8年が過ぎていたんですが、積読になって…

「コンテナ物語 世界を変えたのは箱の発明だった」で物流の持つ影響力の大きさを知る

あんな箱に世界を変えるインパクトがあったのかな? それがこの本を目にしたときの第一印象でした。輸送品をただ箱にまとめて運ぶだけなんて、誰でも思いつきそうなものだけど。 コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった 増補改訂版作者:マルク・レ…

趣味モデリングのお供!「Fusion 360マスターズガイド ベーシック編」でFusion 360の基礎を学ぶ

Fusion 360マスターズガイド ベーシック編をポチポチ手を動かしながら完走しました。 Fusion 360 マスターズガイド ベーシック編 改訂第2版作者:小原 照記,藤村 祐爾発売日: 2019/12/21メディア: 単行本 僕は2017年頃からFusion360を使っているのですが、使…

「人気ブロガーからあげ先生のとにかく楽しいAI自作教室」でAIの実用性を体感してみよう

ラズパイ記事など、テック系記事で日頃からお世話になっているからあげ (id:karaage)さんが書籍を執筆されました。 その名も「人気ブロガーからあげ先生のとにかく楽しいAI自作教室」! 書籍名のインパクトもさることながら、装丁も方もすごいです。もう派手…

今年読んだ27冊+漫画を雑に振り返る 2020年版

本を積み始めた2020年 今年は反射的に本を買ったものの読みきれず積んでしまう、が習慣化した年でした。 読書に対する集中力が減ったおかげで読書スピード減。そのため読み進めている本を終える前に、他に興味ある本に移ってしまいを繰り返していました。そ…

小林化工の「普通は起こらない」ミスはどこでも普通に起きている

イトラコナゾール錠に睡眠薬が混入されていた件で、なぜなぜ分析した記事を拝見しました。 www.sankei.com 事故に至るまでに4つのミスが重なっており、「普通ではない」「ずさんだ」といった反応が多く見られました。 確かに小林化工の製造工程・品質管理は…

ファンタジーもディストピアも、中国SF短編集「折りたたみ北京」

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)発売日: 2018/02/28メディア: Kindle版 三体をきっかけに中国SFというジャンルに興味が芽生えたので、買ってみました。 本著は7人の中国SF作家が書いた13の短編を集めたものです。中国S…

ドラえもんの絵本を買ったら4歳の息子が漫画を描き始めた

藤子・F・不二雄ミュージアムで響くものがあったのかムスコが猛烈にドラえもんのファンになりました。 毎週のアニメだけではその熱を満たすことはできず近所の本屋でドラえもんの絵本を探したのですが、ドラえもんの本って幼児というより子供、小学生に向い…

Kindle蔵書一覧をWord Cloudで可視化して、自分の嗜好を客観視してみる

からあげ (id:karaage) さんがKindleの蔵書一覧をデータ分析していて面白かったので、自分も試してみることにしました。 karaage.hatenadiary.jp データをグラフ化して諸々の項目を観察するのは色々と発見がありそうだと思う一方、自分の嗜好を、どんなタイ…

「ワークマンはなぜ2倍売れたのか」キーワードはデータと善意

ワークマンの経営がすごいぞと聞いて興味を持ったので、ワークマン本こと「ワークマンはなぜ2倍売れたのか」を読みました。 ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか作者:酒井大輔発売日: 2020/06/25メディア: Kindle版 ワークマ…

【書評】「僕らはそれに抵抗できない」時間泥棒は如何にして成るか…

手持ち無沙汰になると、なんとなくSNSを開く。 やりたいことがあるはずなのにダラダラとネットサーフィンをしてしまう。 多くの人は上記の経験があるんじゃないでしょうか?少なくとも、僕にはあります。 そんな現代人が陥る新たな依存症「行動嗜癖」につい…

【書評】WHO YOU ARE 過去の偉人に学ぶ文化の大切さと言行一致の難しさ

Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる作者:ベン・ホロウィッツ発売日: 2020/04/17メディア: Kindle版 トップがいないところで、社員は何を元に意思決定をするのか? ルールのように明文化されていない、しかし…

GWに意識高く読んだ本の紹介

4冊の積み本を片付けました。色んな積み本があるなかで、頭を使い、何かを得られそうな本をセレクトして読みました。なかなか意識が高いです。 分野はそれぞれ違いますが、どれも読んでタメになりました。軽く、紹介していきます。 ネットワークはなぜつな…

「オタク経済圏創世記」日本のコンテンツビジネスは何故グローバルな成長を遂げ得たのか

「オタク経済圏創世記」なる本を読みました。 オタク経済圏創世記 GAFAの次は2.5次元コミュニティが世界の主役になる件作者:中山 淳雄発売日: 2019/11/14メディア: 単行本 マンガ・アニメ・ゲームに代表される『オタク』的コンテンツは、今や日本のみならず…

今年読んだ30冊のうち、良かった5冊の本 2019年版

あまり本を読まなかった2019年 昨年は50冊ほど読んでましたが、今年は4割減って30冊程度の読書量でした。原因は帰りの電車で寝落ちが多発したことです。歳ですかね、体力の低下を感じます。 読んだ本の種類にも、変化がありました。 自分の業界や仕事に関連…

「ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~」がコミュニケーションに必要な要素を教えてくれた

ヘテロゲニア リンギスティコ、という漫画を衝動買いしました。 人の世界と魔界がつながっている世界観のもと、人間の若者ハカバ君が魔界の言語やコミュニケーションの研究のため、魔界を旅するお話です。 ヘテロゲニア リンギスティコ 〜異種族言語学入門〜…

現場に寄り添わないカイゼンは成功しない

ゲーム理論の本を読みました。ゲーム理論を学ぶことの有用性に触れ、理論の基礎から応用、発展までを簡易な例と図解で分かりやすく解説している、良い入門書でした。 ビジュアル ゲーム理論posted with ヨメレバ渡辺 隆裕 日本経済新聞出版社 2019年04月17日…

【書評】三体が素晴らしすぎた!スケール感と現実感を併せ持った衝撃のSF小説

鉄は熱いうちに打たねばならない。 三体posted with ヨメレバ劉 慈欣/大森 望 早川書房 2019年07月04日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle 劉慈欣 氏の書いた三体は、中国発の特級のSF小説です! 「中国の小説ってどんなだろう?」「SFってあまり読まないジ…