本を積み始めた2020年
今年は反射的に本を買ったものの読みきれず積んでしまう、が習慣化した年でした。
読書に対する集中力が減ったおかげで読書スピード減。そのため読み進めている本を終える前に、他に興味ある本に移ってしまいを繰り返していました。そのうち、中途半端に読んだ本が積み上がったというわけです。途中で止めた本は後から読もうとすると内容が飛んでいる事が多く、悪い読書の仕方してしまったなと反省です。
今年は「この本めっちゃ良かったぜー、神!」という本が思いつかなかったこともありベスト本を紹介するのではなく、読んだ本すべてを雑に振り返ります。
自己啓発
五輪書

- 作者:鎌田茂雄
- 発売日: 2017/11/03
- メディア: Kindle版
戦いに勝つために必要な心構えを武蔵自身の言葉で表現していて、日々の朝鍛夕錬の重要さや武器の特性を理解して要所要所で最適なものを選ぶこと(適材適所)、目標に関係のないことはやらないこと、など現代の社会的な戦いを生き抜くにも活かせる内容もありました。
あと、他流をバッサリ切っているのが面白かったです。剣術漫画では刀で米だけを正確に切ったり、岩を切断したりみたいな強さの表現することがありますが、武蔵からするとどちらも人を切るのに関係無くない?と返されそうですね。読んでいて感じたのは、どこまでも合理的な武蔵像でした。
リモートワークの達人

- 作者:ジェイソン フリード,デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン
- 発売日: 2020/07/02
- メディア: Kindle版
リモートワークの素晴らしさ、欠点と対処法を説いた書籍です。
コロナ禍でリモートワークを実践してみて、ここで書かれているようなメリット・デメリットを実感しています。特にリモートワークできてしまうことによる働きすぎは、やってみて初めて気付きました。リモート化でのマネジメントについても書かれているので、リモート主体で部下がいる人は一読してみると良いです。
シン・ニホン

シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング)
- 作者:安宅和人
- 発売日: 2020/02/18
- メディア: Kindle版
現代日本の問題点を指摘し、再生に向けた提言を書いた本。 博士など高度人材に対する扱いが悪いのは確かになァと思いつつ、アメリカほど格差が大きな社会が是かと言われると、それはそれで理想でも無いと思っています。。格差も程々に、努力した分が返ってくる社会が作れているのはどの国だろ?
反応しない練習

反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
- 作者:草薙龍瞬
- 発売日: 2015/07/29
- メディア: Kindle版
「心のムダな反応を止めることで、いっさいの悩み・苦しみを抜ける」というブッダの教えの実践書です。
これを読みTwitterで変なアカウントをミュートにする術を身に着けたものの、業務ではイライラが表に出てしまうことはあります。悟りにはまだ遠いです。
カイゼンジャーニー / チームジャーニー

チーム・ジャーニー 逆境を越える、変化に強いチームをつくりあげるまで
- 作者:市谷 聡啓
- 発売日: 2020/02/17
- メディア: Kindle版
日々の業務に忙殺されて、仕事の仕方おかしいよなと思って買いました。
僕はハードウェア開発なのでシステム開発と異なる点はありますが、日々の業務の改善への考え方やチーム内での衝突を乗り越えて困難を解決するのは同じです。チームのお仕事に、生かしていきたいところです。
WHO YOU ARE

Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる
- 作者:ベン・ホロウィッツ
- 発売日: 2020/04/17
- メディア: Kindle版
企業文化にフォーカスした書籍です。
「サービス残業はダメ!」と叫ばれる会社でサービス残業が無くならない理由が腹落ちしました。
【書評】WHO YOU ARE 過去の偉人に学ぶ文化の大切さと言行一致の難しさ - WICの中から
THE ALGEBRA OF HAPPINESS

The Algebra of Happiness: Notes on the Pursuit of Success, Love, and Meaning (English Edition)
- 作者:Galloway, Scott
- 発売日: 2019/05/14
- メディア: Kindle版
幸福になるためには何が必要か、色々な人生経験を積んだ著者がたどり着いた答えは家族・友人でした。
家庭をもつ、子供を育てるというのはまぁ大変なこともありますが、幸福のために優先すべきは何なのかを意識して日々を送りたいものです。
技術
アンテナがわかる本

- 作者:後藤 尚久
- 発売日: 2005/07/01
- メディア: 単行本
アンテナがわかるエンジニアになりたくて買いました。
読んでいる途中は知らない知識を吸収できている感があり楽しかったですが、実践に移ると相変わらずアンテナワカラナイでした。今日もアンテナ屋さんに言われるがままCADを弄っています。
ネットワークはなぜつながるのか

- 作者:戸根 勤
- 発売日: 2017/12/05
- メディア: Kindle版
「ブラウザでWebにアクセスして、ページが表示されるまで」を順に説明しているのですが、ルーターやLANとか、知っている気になって実のところ分かってなかったところをあぶり出せてよかったです。細部は覚えてないですが、なんとなくの流れは掴めました。いつか何かの役に立つでしょう。
設計者のための実用めっき教本
最近いろんなメッキ指示をしているので読みました。なんの疑いもなく指示していたC5210へのNiめっきが、実は載りにくくて銅ストライクめっき入れるみたいな話もあり、勉強になりました。ベンダーから特に何も言われてないけど今までNiめっき指定してきたバネたちに、銅が一層入っているかどうか気になります。(銅だけに)
娯楽
ギルガメシュ叙事詩
ギルガメシュって神話引用でよく目にするけど大本に触れたことなかったので、読みました。最古の作品の1つだそうです。
横暴なギルガメシュが友を得て英雄となり、友の死を経て死を恐れるようになり不死を求める...。
Wikiによるとシュメール語版の編纂は紀元前3000年に遡る可能性があるとも書かれていました。そんな昔から人々は死の恐れという普遍的なテーマで現代人も楽しめる物語を作っていたとは、ロマンですよね。
PC自作の鉄則!
もうPC作るしか無いなと盛り上がって買ったのですが、先にマンションを買ってしまい資金不足に陥り、今年は断念しました。
ここは今から倫理です

ここは今から倫理です。 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者:雨瀬シオリ
- 発売日: 2017/11/22
- メディア: Kindle版
悩める高校生達が倫理教師の高柳先生と関わり、新たな価値観を見出すお話。
僕が持っていた、もしくは持っている悩みを過去の哲学者も同じように悩み、彼らなりの納得を得て後世に伝えて来たんだなと、自分自身も作中の生徒たちよろしく価値観を揺さぶられました。
三体II 黒暗森林

- 作者:劉 慈欣
- 発売日: 2020/06/18
- メディア: Kindle版

- 作者:劉 慈欣
- 発売日: 2020/06/18
- メディア: Kindle版
三体の続き。冷凍睡眠やら無制限なエネルギー、宇宙艦隊など、前作と比べてSF要素が満載です。
人の思考を読めない三体人のために、一人の頭の中で対三体文明の戦略を練る面壁者と、それを見破らんとする破壁人。という設定が面白い。戦略を裏付ける科学的なハッタリ、もとい理屈付けも見事でした。
折りたたみ北京

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
- 発売日: 2018/02/28
- メディア: Kindle版
三体が面白かったので、中華SFもうちょっと読んでみようとなり購入。中国というと僕は画一的な物を想像してしまうのですが、このアンソロジーは著者ごとに全く違った特徴が見られて、国は国、人は人なのだなと思った次第です。
特に気に入ったお話は下記記事で紹介しています。
ファンタジーもディストピアも、中国SF短編集「折りたたみ北京」 - WICの中から
ニンジャと司祭の再出発!

ニンジャと司教の再出発! 1 レトロゲー迷宮に殴り込み (レジェンドノベルス)
- 作者:のか
- 発売日: 2019/11/07
- メディア: 単行本
疲れ切った日々で活字が読めなくなった時期に、リハビリのため購入。ニンジャ好きですからね。
レトロゲーへの異世界転送モノです。レトロゲーはレトロ具合が僕の代(30半ば)よりも前の世代でネタが把握できないところがありつつも、ストーリーテンポよく読みやすい本でした。
葬送のフリーレン
魔王を倒した勇者も、数十年の月日が経ち亡くなっていく。勇者パーティであり長命種のエルフでもあるフリーレンは仲間を失い初めて、勇者のこと人間のことを知らず、知ろうとしなかったことを後悔する。そんな彼女は人間を知るため、勇者パーティとして過ごしてきた足跡を辿る旅に出る。というお話。
鬼滅の刃

- 作者:吾峠呼世晴
- 発売日: 2016/06/17
- メディア: Kindle版
無惨様コラで知っている程度だったが、「絶望と希望の比率がハンターみたいで面白いよ」と友人から紹介されて読んだ。面白かった。回想エピソードがどれもキレイで感情表現が繊細で、それが敵味方ともにキャラクターの魅力につながっている感じ。あと戦闘は実力差が変にブレずに容赦ないのも良い。
結構ハードな物語なのに保育園では人気で、岩柱の絵が飾ってある。
実用
小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て

- 作者:高橋孝雄
- 発売日: 2018/09/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
親なので子育てに悩みがあり、読みました。 特性は親から引き継いでいるから心配するな、自己肯定感を育てろという旨が書いてあり、普段はムスコの意思を尊重していますが、プラレールを部屋中に広げて片付けを僕がやるパターンが続くとやはり怒ってしまいますね。
中国語 はじめの一歩

- 作者:木村英樹
- 発売日: 2017/09/15
- メディア: Kindle版
これを買った頃はまだ中国出張行くかもなと思っていました。
言語の発展の違いから、日本人と中国人の持つ視点・考え方の違いを記してあり、単なる語学本以上に濃ゆい本でした。惜しむらくは、今後中国出張の機会はしばらく無いだろうということです。
やってはいけないデザイン

- 作者:平本 久美子
- 発売日: 2016/12/27
- メディア: Kindle版
パワポ資料をオサレにしたくて読みました。勉強になった一方、僕が資料を出す相手はオサレさよりも1pの情報量に重きを置く相手が多く、実践でなかなか活かせてないのが悲しいところ。
相場サイクルの見分け方

相場サイクルの見分け方<新装版> ―銘柄選択と売買のタイミング (日本経済新聞出版)
- 作者:浦上邦雄
- 発売日: 2018/01/31
- メディア: Kindle版
金利の上げ下げと景気の変化、それぞれのサイクルで輝く銘柄について書かれていました。今はずっと低金利なので参考にならないかなと思いつつ、金利影響の大きさを改めて考えさせられました。
企業本
みずほ銀行 システム統合
怖いもの見たさで買いました。
次々に注ぎ込まれていく人員、その工数はピラミッド建設に匹敵、との噂に聞こえてくるプロジェクトでしたが、泥臭い話はあまり無かったです。内容はシステム開発の複雑さと、対処法に焦点が当てられていて、それはそれで興味深い。ただ、泥臭い内容にしたほうが読み物としては面白かったでしょうね。
ワークマンはなぜ2倍売れたのか

ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか
- 作者:酒井大輔
- 発売日: 2020/06/25
- メディア: Kindle版
本は面白くて、ワークマン行ってみたいと思いつつまだ行けてないです。データを正しく読み解く力って重要だよなと思うものの、自分を振り返ってみると、どうやってデータを集めるかを考えるところからやらないとダメなのですよね。うーん。
ANKER

- 作者:松村 太郎
- 発売日: 2020/04/28
- メディア: Kindle版
玉石混交だったモバイルバッテリー業界の中でいち早く信頼されるブランドを築き上げた手法は面白かったです。誰の意見を重視するのかがクリアで、こういう製品作りもあるんだなと参考になりました。製造については深く触れられてないですが、たぶん泥沼で大変だったろうなと思ってます。
その他
僕らはそれに抵抗できない

- 作者:アダム・オルター
- 発売日: 2019/07/11
- メディア: Kindle版
薬物同様、SNSやゲームも依存症を引き起こし得るという主張のもと、現代のサービスがどのようなテクニックで人々を依存に導くか書かれています。現代のサービスは本当によく練られています。ストレスフリーで辞めどころが分からないサービス多いですよね。抜けられなくなるのが怖くて手を出せないです。
【書評】「僕らはそれに抵抗できない」時間泥棒は如何にして成るか… - WICの中から
オタク経済圏創世記

オタク経済圏創世記 GAFAの次は2.5次元コミュニティが世界の主役になる件
- 作者:中山 淳雄
- 発売日: 2019/11/14
- メディア: Kindle版
流行らせる、それを維持する努力が見えて面白かったです。好きなコンテンツは永く続いてほしいですし、メディアミックスで色々巻き込んで世界観を広げていく傾向は、僕は好きです。
「オタク経済圏創世記」日本のコンテンツビジネスは何故グローバルな成長を遂げ得たのか - WICの中から
辞める人・ぶら下がる人・潰れる人

- 作者:上村紀夫
- 発売日: 2020/03/13
- メディア: Kindle版
良い人材が定着する、新陳代謝が激しいけど回っている組織と、組織にぶら下がっている人ばかりで価値を生み出せなくなっている組織の違いは何なのか。組織がどうやって腐っていくかのメカニズムが書かれてあり、自分の今の部署はどうかな…と振り返ってみると闇でした。
最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか

- 作者:ジェームズ・R・チャイルズ
- 発売日: 2017/08/08
- メディア: Kindle版
機械絡みの過去の大事故の真因分析をしている書籍です。普段のちょっとしたミスの放置、怠慢などが積もり回って事故となったケースが多数あり、面倒な日々の業務を確かにこなすことの大切さを感じました。いやほんと、マージン削ったりは設計もやりがちですからね、、
まとめ
軽くコメントつけるくらい楽勝だろと思っていたら意外ときつかったです。
上に紹介した物以外にも射出成形の本や表面処理の本を読んでいたのですが、物理本で読んだ後に手放してしまいタイトルがわからなくなったので紹介できませんでした。電子書籍で買うと履歴遡れるのは良いですね。
2、3割読んで放置になっている本がそこそこあるので、できれば年末までに片付けてスッキリ新年を迎えたいところです。