Fusion 360マスターズガイド ベーシック編をポチポチ手を動かしながら完走しました。
僕は2017年頃からFusion360を使っているのですが、使い方を真面目に勉強したことなかったんですよね。特にアセンブリ、スカルプト、レンダリング周りは自分がいままで触ってきたCADと触り心地が違う、もしくは全く新しい機能になるので雑な使い方をしている自覚もありました。スカルプトは一度ムスコの顔で練習してみたのですが思ったように形状が動かせず全体のバランスは崩れてしまい苦戦の末断念した過去もあります。
そんなわけでイチから学んでみようと本書を手に取りました。(Kindle版ですが)
本書のカバー範囲
目次引用です。
- Prolog序章 Fusion 360の基礎知識
- Chapter1 基本操作を覚えよう
- Chapter2 ペン立てをつくろう
- Chapter3 コマをつくろう
- Chapter4 マグカップをつくろう
- Chapter5 チョコレートの型をつくろう
- Chapter6 ロボットの組立と図面をつくろう
- Chapter7 フォームモデリングの基本
- Chapter8 リクライニングチェアをつくろう
- Chapter9 ミニ四駆ボディをつくろう
- Chapter10 レンダリングを楽しもう
- Chapter11 3Dプリントを楽しもう
パラメトリックな(いわゆるCAD的な)3Dモデリング、アセンブリ、スカルプト、レンダリング…とFusion360の豊富な機能を一通り体験しつつ、具体的なアウトプットが得られる構成になっています。
モデリングの履歴を1つずつ丁寧に説明
本書の特徴は手を動かしながら学ぶところです。CADは使わないと覚えられませんからね。
良いなと思ったのが説明の丁寧さで、1つ1つの作業ごとに絵付きで操作方法が解説されています。どの面を触ればいいかとか、作業後にどのような姿になるかとか、そういった細かいところが配慮されているので3D CAD初学者でも取っ付き易い印象を受けました。
スカルプトモデルについては自分も初学者でしたが、モデリングする時にボックス表示で形状確認することやモデル調整の方法はわかりやすく勉強になりました。
レンダリングも、適当に外観で材料入れる程度しかやってなかったので、真面目に材料や背景の調整入れる方法知れてよかったです。画像での説明のおかげで、使うコマンドを探すのに時間取られたりやオプションの状態にハマることもありませんでした。
意外と勉強になる小技
Fusionに限らず、3D CADには言われないと分からない小技があるものです。Shiftと組み合わせた面選択だったり、スカルプトのときにAltを押しながらドラッグして押し出したりですね。
細かいんですが、こういったテクを知っていると知らないではモデリングの速度が変わってきますし、モデルの完成度にも関わってきます。それらはモチベーションにも響くんですよね。独学でゴリゴリやっていると小技を見落としがちになるので、他のCADを使い慣れている人もFusion360を触り始めるにあたり一読しておくと良いかなと思いました。
まとめ
「Fusion 360マスターズガイド ベーシック編」を読んで、スカルプトやレンダリングの知見を向上させました。
繰り返しになるのですがモデリングの手順が細かく紹介されており、図解もあって大変わかりやすい本でした。入門書にピッタリだと思います。自分も今回スカルプトの使い方が分かったので今後は丸っとしたモデルにも挑戦出来そうですね。
ただスカルプトが必要になるモデルはモデリング力以上に何を作るか、デザイン力のようなものが必要になるかなとも思います。ツールの使いこなしではなく純粋なデザイン力といいますか。そこをどう向上させていくか...これまた今後の課題であり中級者になるためにどのような手順を踏んでいくべきか的な、いろんな分野で共通のお話になるなと感じました。 (電子工作でLチカの後どうするの?みたいな)
あと最近はFusion360をフリーで使える範囲がどんどん狭まっているのが気になります。本書で書かれていたクラウドレンダリングはサブスク登録していないと使えませんでした。同時に編集できるファイル数も制限かかってきていますし。いつまで趣味ユースで使えるかはちょっと怖いですし、下手なアップデートを打たれると本書の内容も使えなくなるかも、というところにCAD教材の書籍の難しさを感じました。