WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

設計

かつてケータイは電池交換ができた

EUで叫ばれている「修理する権利」の話題を目にすることが増えてきました。日本でも注目されているようで、スマホの電池交換について多くの人がコメントしているのを見かけます。コメントの中には電池交換構造についてズレてるようなものもあり、ネタなのか…

4kモニタに変えてからリモートデスクトップの動きが鈍い気がする

先日モニタを4kに変えて以降、リモートデスクトップの動作が鈍くなってるように思います。 temcee.hatenablog.com 理屈的には解像度が上がっている分通信量も増えていると思うので重くなるのも理解できます。が、CAD操作のモタツキは業務効率とモチベーショ…

神様データを複製してはいけない

BOM(部品表)にせよCADデータにせよ、最新かつ主流であるデータは神様とされます。 はっきりした神様がいるからこそ製品やプロジェクトの状況を掴めるし、部品の構成や構造を知ることができるわけです。 が、世間にはそんな神様を複製してしまう人がいます。…

図面を描くことのハードルが上がっている

舐められない図面を描かなければならない...。 一度検図をする側に回った身ですが、再び図面を描く機会がやってきました。手慣れた環境を離れ、今までと馴染みのない製品の図面を描く。こうした体験はこれまで何度も行ってきたのですが、今回は特に緊張して…

3D CADは使いにくいと思う

Twitterでは日本の製造業のデジタル化が進んでいないという話題が定期的にあがってきます。 その話題を細かく見ていくと、3Dデータ vs 図面だったり3D図面 vs 図面だったり、そして3D CAD vs 2D CADだったりします。最後のはどちらもデジタルですが、最新ツ…

衝撃系試験はデジタル解析で見切るのが難しい

ちょっと前に衝撃系の試験の解析制度がTwitterで話題になってまいた。 自分の知識の範囲では衝撃系って解析でピッタリ当てるの大変なんですよね。色々要因があるので、自分の整理がてら衝撃解析と現実との差異がどこから来るのかまとめてみます。 ちなみに自…

僕の設計は破壊され復活の時をただ待つ

始めて設計業務を振られた時、僕は何も分からず、ただただ我武者羅だった。 弊PJに若手がやってきた。CADの使い方は分かるものの、いわゆる量産設計は初めてというピカピカの若手だ。さて、どう仕事を振りソルジャーへと成長させるべきだろう。 初級設計者の…

復活する海外出張と三現主義

コロナ禍の終わりを象徴する現象といえば何を思い浮かべるでしょうか。 脱マスク、飲み会解禁、オフィスへの回帰…色々とありますが、自分は海外出張の復活ですね。 コロナが始まる前は、設計した部品や組立に立ち会うため海外の工場に出張することは半ば常識…

身の回りに増えてきた環境への配慮

脱炭素関連で苦労されている製造業の皆さん、こんにちは。例に漏れず苦労している設計者です。 プラスチックへの冷たい視線、製造上の炭素排出量への熱い視線、資源を無駄なく容易に部品交換できる構造への圧力など、ネガティブ方向でハードウェアへの注目度…

3D図面は流行ってないし流行りにくいよなと思う理由

2022年のいち設計者として現在の3D図面に関する感想を書き残していきます。 まだ流行ってないのでは ものづくり白書 2020年に協力企業への設計指示方法の統計データがあります。第一章の第三節です。 これによると設計や協力企業への設計指示を3Dデータのみ…

人の図面をSNSで晒してはいけない

SNSで人の図面を晒す人がいる。 多くがネガティブな文脈で取り上げられており、そこに連なるコメントも図面を描いた人をくさすものだったりする。加工ミスなどの実害に怒っているのか、はたまた承認欲求の果ての行為なのかは分からないが、いずれにせよSNSで…

いち設計者から見た中国の工場 2022年ver.

アイリスオーヤマが一部製品の製造を中国から日本に移すことで2割ほどコスト減を見込んでいるとのニュースを目にしました。 プラスチック製品の収納用品なので大物かつ組立に工数が必要ないものが対象のようです。金型があれば、ほぼ人手がかからない製造群…

設計完成度は3Dデータのどこに表れるのか

この時期でこの完成度は不味い。 それなりに筐体設計の開発経験がある人は3Dデータを見るとピンと来るものです。一方で何が不味いのか言語化することは難しいんですよね。しょうがないのでエクセルに課題点を羅列して「これだけ課題が残ってござい」と分かり…

3D CADを教えるうえで何を重視すべきか

若手へのCAD教育どうあるべきか。 大体の会社では新設計者に対してCADオペレーションを学ぶ研修は用意されていると思います。研修ではスケッチ、押し出しをはじめとした基本コマンドと2Dの書き方は教えてもらえることでしょう。ただしそこから先、実際の設計…

経年劣化でベタベタになった触感塗装からEOLの想像力を養う

触感塗装、ないしソフトフィール塗装ってありますよね。触ってみると肌触りの良い触感と心地よい温度感を提供してくれる塗装です。 あの塗装を施すと、5年内にはベタベタボロボロになって周囲を犠牲にしながらエンド・オブ・ライフ(EOL)を迎えることになるの…

CAEで未知な問題は発見できない、見たいものしか見れないから

※この記事で言うCAEは主に構造解析を指してます CAEツールの発展、計算機の性能向上。そんな技術の進化に押されて「物を作らないモノづくり!」が叫ばれるようになったのはいつからでしょう? 開発工程におけるモノを作る工程、モノを評価する工程、モノで対…

3D-CADを使わない設計は悪いのか?

先日、日本における3D-CAD普及率の話がTwitterに流れてきて、思うところあったのでブログにて吐き出したく。 元ネタを見るに3DデータのみはMBDやってることを意味するのかな。自動車業界以外は、海外も含めてまだこれからって印象がある。 https://t.co/ez5G…

【書評】現場で役立つ幾何公差の測定評価テクニック

製造業の海外シフトにより製図の世界もグローバル化しつつあります。JIS規格も、2016年に制定されたJIS B 0420に見られるように幾何特性を考慮した製図へのシフトを促す流れが押し寄せています。 ただ幾何公差の製図お作法を知るだけでは意味がなくて、どう…

【設計者CAE】僕らには仙豆がなく、修行シーンも用意されていない

CAEチョットデキル設計者なので、社内に設計者CAE活用広めよう会に時折呼ばれる。 普段は実際の開発での活躍が期待される内容、例えば過去の問題を設計時点で食い止めるCAE活用方法がもっぱら話題になる。ただ時折、開発に対する効果が薄いものの設計者への負担が…

メカエンジニアのキャリアの限界、もしくは閉塞感について

仕事には波があり忙しい日々を過ごしていても、ふと手を休められる節となるタイミングが巡ってくるものだ。 そうした時に頭をよぎるのがキャリアのこと。今後の身の振り方である。 いまの自分は手を動かす役割の中では上の方で、受け持っている業務内容も部…

えげつない図面を描いて、いつまでこの業務が存在するのかなと思った話

単品部品1個でA3 12枚に及ぶ大作図面を描きました。この記事を書いているいま、ひと仕事終えた余韻に浸っています。ちなみにまだ組立図や諸々の検査基準書などの紙仕事がまっています。うへぇ。 CADがオーバーフロー起こすほどの断面と寸法を入れる虚無をこ…

流用しやすい部品なんてものはない

新しく部品を設計すると設計工数、新規金型、各種評価に改造費用と、大量のお金と手間がかかります。なので、部品は過去に作ったものを流用できればそれが最善です。 そんなわけで新規に部品を設計しないといけない時には、お上に「将来に渡って流用しやすい…

筐体設計レイアウト検討入門

新しい製品を開発するにあたり、筐体設計部門が行うのがレイアウト検討です。 まず決められた予算の中、どういった性能で、どんなモジュールを載せて、こんな感じのサイズ感とデザインでやりたい、という企画があります。それに対して物理的に成り立つ配置や…

設計者CAEは銀の弾丸ではない

CAEという言葉をご存知でしょうか。Computer Aided Engineeringの略で、コンピュータを用いて仮想的に構造や熱などの評価・解析を行うことです。かつてCAEは限られた解析専門エンジニア部隊が行うものでした。 時代は進みCAEツールも進化し、設計者CAEという…

【DIY】自作デスク!リモートワークのための最良の相棒を自分で作ろう

家を買ったと同時に自分の部屋を手に入れました。私は主にリモートワークなので急ぎ市販のデスクを購入していたのですが、仕事柄PC作業用デスクの他にハードウェア作業用のデスクも欲しくなり探していたものの、部屋の形が凸の字になっていて出っ張り部に…

構造設計者が不具合解析するときの手法の一例

新しいものを開発していると試作や、運悪い時は量産段階で不具合が見つかります。 不具合の原因を突き止め対策を打つまでの早さは業務進捗に大きく影響するものの、方法は個々人のノウハウとなっており若手への継承がなかなか難しいところです。 一例までに…

大らかだった時代に突貫でUV接着工程を作ったお話

ご無沙汰です。 最近はお仕事の関係でプライベートの時間と精神がゴリゴリ削られる日々が続いております。こういう状況に身を置かれると昔の経験が走馬灯のように走り抜けて行くわけで、僕もそれなりの年になったので昔は良かったなぁ的な記事を書いてみたい…

趣味モデリングのお供!「Fusion 360マスターズガイド ベーシック編」でFusion 360の基礎を学ぶ

Fusion 360マスターズガイド ベーシック編をポチポチ手を動かしながら完走しました。 Fusion 360 マスターズガイド ベーシック編 改訂第2版作者:小原 照記,藤村 祐爾発売日: 2019/12/21メディア: 単行本 僕は2017年頃からFusion360を使っているのですが、使…

機械設計者が特許出願する時に採用されやすいアイデア

開発部門で働いていると特許出願件数を稼ぐよう御上からお達しが来ます。やる気があるところだとKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)として個々人の年間目標に落とし込んでいたりもしますね。僕が就職活動をしてた時代だとキヤノンが新人も年1…

Fusion360と3Dプリンターでプラレールのレールを自作してみた

プラレールのレールをFusion360で描いて3Dプリンターで出力する、を最近良くやっています。レール自作に興味ある親御さんがいるかもしれないので、レールの寸法関係やFusion360(3D CAD)モデリングの仕方を載せておきますね。参考までに。 事の発端 プラレー…