WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

設計

干渉よりも怖い!意図しない微小クリアランス

先日、干渉チェックに関するブログ記事を見て、「あーそういう干渉あるあるですよねー」と共感しました。 mechanical-engineer48.com 完成状態、動作前後、組込…干渉のリスクは至るところに潜んでいます。干渉は部品で組めば素人目でもすぐに分かるので、や…

ファブレスの利点、もしくは自社工場の欠点

Anker本に「世界で最も成功しているエレクトロニクス企業は、工場を持たない」とありました。アップルがファブレスでやってることについての言及ですね。 Anker 爆発的成長を続ける 新時代のメーカー作者:松村太郎発売日: 2020/04/28メディア: 単行本(ソフ…

CADを見過ぎて正気を失いそうな時は定規をじっと見つめるんだ

設計に襲いかかる後出しジャンケン 製品サイズ据え置きで大きなモジュールを突っ込まれる、逆にスペック据え置きでサイズ縮小を迫られる、またはその両方。こういった事件が100%近い確率で起こります。設計がある程度すすんだ段階で。とても、つらい。 こう…

【CAE】静解析を動的問題として解く場合、解が振動する点を考慮しなければならない

CAE(構造解析)において、自分がきちんと理解せずに準静解析を行っていたので、反省を込めたメモを投稿します。 静解析を動的に解く準静解析 じんわり荷重がかかる、慣性の影響を考慮しない構造解析を静解析といいます。 静解析において、材料なり構造なりで…

Appleのマスク図面を見てデータムの在り方に悩む

Appleがマスク、もといフェイスシールドの作り方を公開しました。医療機関に提供したものを無償公開したものです。 support.apple.com 図面がDXFファイルで提供されているので、そのままシートカッターで加工が可能。シールド素材は推奨材ののみならず代替材…

シートやテープの抜型3種(ビク型、彫刻型、ピナクル型)の説明

(4/21 スーパーカッターの項に追記) シートや両面テープは、機器の設計でよく使われるものの、射出成形やプレスによる部品に比べて重要度は落ちます。 自然、設計者が製造現場に立ち会って確認する機会は少なめです。 今回はそんな抜き型について、簡単に説…

リモートワーク下のメカ設計戦士たちが抱える、たった1つの苦悩

「リモートワークで設計は難しい」とブログに度々書いてきたわけですが、すっかりリモートワーカーになってしまいました。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。 メカ設計がリモートに向かない理由は、概ね下記2つの課題に集約されると思ってました。 リア…

Nespresso pixieを分解すると、なかなかヤンチャな設計だった

最近、ネスプレッソの水漏れが気になります。 カプセルの収まりが悪かったかなー、排水受け皿ずれてたかなー。そう思って真面目にチェックしてみたところ、どうも筐体の隙間から漏れ出てました。 内部劣化による水漏れが疑われます。素直に買い換える時期だ…

基板に実装する部品のズレは二乗和、それとも積み上げで考える?

部品感ギャップを設計する際に、各部品のばらつきを加味して設定します。どう加味するか、メジャーな考え方が累積公差の計算です。 temcee.hatenablog.com この考え方には弱点があります。根本に、部品の仕上がりが正規分布する前提だということです。 で、…

組み立ての際はポカヨケを気にかけよう

今年のクリスマスもサンタさんが素敵なプレゼントを届けてくれました。電車好きのムスコにピッタリな、「ガチャッとアクションステーション」です。 プラレール 今日からぼくが駅長さん! ガチャッと!アクションステーション発売日: 2017/07/13メディア: おも…

シボのムラに完全敗北して力ずくの対応をしたお話

安モデルといえばシボ樹脂外装 安いモデルの外観は、しばしば塗装無し仕様になります。塗装が高いからです。塗装工程の追加や塗料費、信頼性の検証と対策、歩留まりの悪化…etc.が効いてくるから、当然ですよね。 そうした安モデルの外観は大抵が樹脂の成形品…

【CAE】ネジ締結部の固定条件の付け方で結果が変わる

CAEの計算結果が他の人と違う傾向を示す。と、先日相談を受けました。 あるある系の相談でして、原因でよく見かけるのが、ネジ固定部の条件付けの違いです。ネジ固定の考え方の違いは、部品の変異や衝撃時の挙動に大きく影響します。 ネジで部品が固定される…

日本で設計を行う意義ってなんだろう?

防水設計。それがひと昔まえの、日本で設計を行う意義だった。 防水設計は単にパッキンや両面テープで止水する構造だけを指すわけではない。防水が担保できる各部品の公差の積み方、部品の管理の仕方、アセンブリ後の検査の方法。そういったもの全部を合わせ…

仕様作りに食い込めない設計部門は何をモチベーションとしていくべきか

今期、僕は目標として「自分だから作れる製品」の設計を掲げている。 設計部門のイチ担当レベルが製品作りに食い込むのは難しいだろう、目標をレビューしていたときに上司から真っ先に指摘された。コレについては異論は無い。製品の仕様決めは上流かつ上空で…

【CAD】スケッチはシンプルに描く、できれば完全拘束する

3D CADにおいて、スケッチは検討だけでなくモデリングにも使われます。3D CADのモデルは3Dですが、作る過程では2Dたるスケッチを弄っている時間のほうが多いのでは無いでしょうか。 そんな大切なスケッチですが、雑に描かれて放置されているものを時折見か…

【CAE】静解析と動解析、陰解法と陽解法

静解析と動解析、陰解法と陽解法。 違うものですが、時折ごっちゃになって、よくわからなくなるので、備忘録までに。 静解析 慣性項や減衰力の効果をいっさい考慮しない解析のこと。 ゆっくり荷重がかかり、入力荷重と拘束点の反力が釣り合うイメージ。 動解…

現場に寄り添わないカイゼンは成功しない

ゲーム理論の本を読みました。ゲーム理論を学ぶことの有用性に触れ、理論の基礎から応用、発展までを簡易な例と図解で分かりやすく解説している、良い入門書でした。 ビジュアル ゲーム理論posted with ヨメレバ渡辺 隆裕 日本経済新聞出版社 2019年04月17日…

失敗が許されない機種を設計する痛み

失敗に対する感度が極端に高い開発プロジェクト、が世の中にはあります。 B2Bで納品日がカッチリ決まっている物や、出せば必ず一定数売れる物など、色々ありますが共通しているのは確実に利益が出る、かつ利益がその利益が部署・会社の屋台骨を支えているっ…

設計者はCAEで解析する前に現物を見つめよう

「設計者もCAE使おうぜ」的な草の根活動が実を結び始めました。若い世代を中心に、CAEを試してみようと、僕の所に質問に来る設計者が増えてきました。喜ばしいことです。 ただ、相談を受けていてモヤッとすることがあります。相談される多くはツールの使い方…

【CAE】Tet4(一次要素)とTet10(二次要素)の違いと使い分け

3Dデータを強度シミュレーションにかける際、メッシュを切って計算用の近似形状にモデルを置き換えます。 僕が解析するときはTet、つまり4面体で置き換えるのですが、その際にTet4とTet10という、2つの要素が選べるんですよね。 この二つの違いは節点の数が…

iPhone 11 Proの背面ガラスの製造方法に思いを馳せる

発表されましたね、新しいiPhone。 特徴的な3眼カメラに、世間の話題を独占しているiPhone 11 Pro。あのカメラ部は衝撃ですね、僕もご多分に漏れずすごく気になってしまいました… カメラ部のガラスの作り! これ、一体で作ってますよね?製造的にもデザイン…

3Dプリンターの失敗が多くて辛いので、原因と対策を考える

皆さん、3Dプリントうまくできてますか? Adventurer 3を買ってからデータを作っては印刷する日々を送っているのですが、とにかく失敗が多いです。失敗のモードは下記が多いです。 ベースとの密着不足による印刷物剥がれ 材料送りが適切に行われず形状が出来…

【CAD】フィーチャーの抑制で起きた事故の話

履歴型のCADでは、履歴にあるフィーチャーを抑制することができます。フィーチャーで作った形状を消しつつも、再び必要になったときに抑制解除で元通りの形状に復帰できる機能です。 使いようによっては便利な抑制ですが、事故が起きやすい機能でもあります…

【Fusion360】プラレールで使える丸ノ内線2000系の筐体をモデリングしてみた

ムスコ氏3歳、電車が大好きな年頃です。 そんなムスコが最近気になっているのが、丸ノ内線の2000系です。 乗り物系の雑誌に、今年から運行を開始した2000系が載っていまして、毎晩寝る前にそのページを開いては 「新型丸ノ内線!丸だよ、丸いんだよ」 とは…

小型化は技術ではなく割り切りによってもたらされる

尖らせるって、こういうことなんですね。 SIGMA fpの尖り方が凄い www.sigma-photo.co.jp 描写優先で大きくて重いレンズを作ることに定評があるシグマ*1が超小型フルサイズミラーレス「SIGMA fp」を発表しました。カメラ本体から要素を排除し、アクセサリや…

Eマウントのボディキャップを3Dプリンターで作った

3DプリンターでEマウントのボディキャップを作りました。Stlは下記にアップしています。 Camera body cap for Sony E-mount by t_emcee - Thingiverse 以下、作るに至った経緯と、作り方について書きます。 経緯は茶番なので、作り方だけ参考にしたい方は目…

CNCは全然万能ではなかった

Computer Numerical Controlによるフライス加工、略してCNC。 コンピュータ制御によって高精度な切削加工を実現するCNCは、材料を塊から削るため強度を有した部品を作れます。型も必要ないので、金型起工を始める前の試作に良く使われます。僕も組立確認の試…

ラムダッシュの刃が欠けたのでTG-3でマクロ撮影してみる

ラムダッシュの刃が欠けました。 外刃1年、内刃2年の推奨期間を無視して3年以上使い続けた末の疲労破壊です。何も不満はありません。推奨期間の倍を超えて使い倒すことができる、パナソニックのモノづくりに感謝です。 それはそれとして、この小さな開口形状…

新Mac Proの噂のデザインをモデリングしてみた

先日お披露目となった新型Mac Pro。特徴的な開口のデザインは"おろし金"、"チーズおろし"と家庭的な愛称を付けられ話題沸騰と相成りました。 寄った写真を見ると3次元形状が絡み合って開口が生まれる、面白い形をしています。簡単に作れそうだったのでFusio…

ハードウェア開発サイクルにおける設計者のテンション推移

ハードウェア製品開発では、開発の進行に従って設計者の業務内容も変わっていきます。CADをクルクルし仕様を練る期間、モノを触っている期間、事務作業に追われる期間。楽しいフェーズもあれば苦しいフェーズもありますね。 移り変わる開発フェーズ、その位…