プラレールのレールをFusion360で描いて3Dプリンターで出力する、を最近良くやっています。レール自作に興味ある親御さんがいるかもしれないので、レールの寸法関係やFusion360(3D CAD)モデリングの仕方を載せておきますね。参考までに。
事の発端
ちょっと前からムスコのプラレールに対する態度が「電車をひたすら愛でる」から「レールを自由に組み合わせたオリジナル路線で走っている電車をひたすら愛でる」に進化しました。クリスマス・年始とレールの保有数が激増するイベントをこなしたことでレールレイアウトの自由度が格段に上がり、隙あらば部屋中がレールに支配される日々です。
複雑なレイアウトにもチャレンジするようになり、複数路線で作っていると時折レール連結部が凸-凸、凹-凹の組み合わせになります。それはつながらないから諦めろと僕は言うんですが、ムスコはレイアウトへのこだわりが強いからどうしても完成させたがるんですよね。
市販品でもそうした組み合わせを補完するレールを売ってるんですが、簡単に作れそうだったので自分で作ることにしました。実用性があるものってモチベーションが湧くんですよね。
プラレールのレールの寸法関係
ざっくり採寸です。連結箇所のところは出力する材料次第でもうちょい控えたほうが良いかもしれません。僕はPLAで出力しましたが、材料がガチガチだったので嵌合も固めでした。
レールのモデリング手順
3D CADなんて全然分からない!という人向けに作り方も載せておきます。
①まずは作るレールのサイズでドカッと押し出します。
②溝の部分をスケッチして押し出し(切り取り)ます。
矢印つけている寸法は大切で、他はどうでもいいです。ミラー拘束はエラーの起きやすさ&修正の難しさから使うの避けていますが、実設計業務と違いプラレールの寸法仕様は変わること無いのでミラーで1つの四角を4つに増やすでも良いです。
③連結部をスケッチで描いて結合で押し出します。先程避けていると言ったミラー拘束を使っています。長方形じゃないと描いたり寸法入れたりが面倒なんですよ...
④連結部にフィレットを付けます。指示なきRはR1です。
⑤シェルの肉厚1mmで抜きます。シェルはボディの厚肉部を指定した肉厚残して空洞にしてくれるコマンドです。箱の形状作る時に便利です。
⑥シェルで削りすぎた底面を増肉し、反対側は切り取ります。スケッチ書きたくなかったので手抜きしていますが、あんまり良いモデリング方法ではないです。
⑦連結部のスリットを切り取りで作ります。嵌合がきつい場合はスリット幅を増やすと解決するかもしれません。(ここがたわんでハマるので)
これで完成です。断面描いてスイープしたほうが楽で、レール形状への応用が効くんじゃないかと思うので、押し出しで満足できなくなったらチャレンジしてください。曲がるレールとか作るのに便利だと思います。
出来上がった物
複雑なレールを良い感じに補完するレール
繋がった!嵌合はちょい固め。 pic.twitter.com/NCHl5qIQ84
— t_emcee@忙しさ★★★★★ (@t_emcee) January 24, 2021
終点を示唆する車止め形状
今回の嵌合はゆるゆる。 pic.twitter.com/7pEmddhtLC
— t_emcee@忙しさ★★★★★ (@t_emcee) January 29, 2021
嵌合まわりはやはり難しく、余力あるならキツ目に作ってヤスリで調整したほうが良いです。このあたりは使う樹脂、3Dプリンターの精度によりけりなので、各自頑張って調整しましょう。ハードウェアの醍醐味です。
まとめ
Fusion360と3Dプリンターを使ってプラレールのレールを自作しました。
STLデータを置くことも考えたんですが、レールでご飯食べている人たちもいるわけでハードル無しに作れる状態にしておくのは良くないと思い、CAD作業頑張ったら作れるようにしました。寸法はレール持っていれば簡単に測れますので、ゆるしてください。
実際のところ3Dプリンターで出力するフィラメント代やサポート除去の手間を考えると、既製品買ったほうが金銭的にも部品の質的にもお得です。射出成形は偉大ですね。ただレールを自分で作れるようになると、レイアウトの自由度もぐっと広がりそうです。

プラレール ストップレール(2本入・車止め2個付) R-08
- 発売日: 1998/02/03
- メディア: おもちゃ&ホビー