WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

いち設計者から見た中国の工場 2022年ver.

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アイリスオーヤマが一部製品の製造を中国から日本に移すことで2割ほどコスト減を見込んでいるとのニュースを目にしました。

記事にはプラスチック製品の収納用品なので大物かつ組立に工数が必要ないものが対象のようです。金型があればほぼ人手がかからない製造群と推測されますね。人件費が日中で逆転したというより、サイズが大きく輸送費がかかる割に人件費によるメリットが効いてこないから国内生産に切り替えるんでしょうね。

そんなことを書いていてふと、むかし中国のことを書いた記事を思い出しました。

temcee.hatenablog.com

書いてから5年以上の月日が経ち、環境の変化があれば中国の工場にも変化が見られたし、僕自身もより多くのベンダーと仕事を重ねて視野が広がりました。

今の僕から見た今の中国の工場ってどんなだろう?

当たり前だけど、中国の工場も色々

中国の工場といっても技術水準、対応力、情報の透明性は千差万別です。

色々情報出しをして一緒に頑張っていこうぜ、と協力的なところもあれば、問題起きたけどどうにもならないから規格緩めてよと急にぶっこんで来るところもあります。

前者のようなところとだけ仕事出来れば最高なんですが、まぁそうはいかないのが仕事です。また後者の態度の根底には、日本企業の国際的な存在感の低下やビジネスとしての渋さが根底にあるのかもしれないですね。

そんなわけでタイトル通り「中国の工場」と一括りにするのは不誠実なのですが、そこはご容赦を。

鍛えられ洗練された戦士たち

全体的にひと昔前に比べて鍛えられているように感じます。

以前の記事では中国の工場は言われたことしかやらないと書きました。今では製造で問題起きれば自主的に改善を行ってレポートをくれたり、部品形状へのフィードバックもくれて、お互いすり合わせていったりも出来ます。頼りになるビジネスパートナーですね。

情報の把握もきちんとできていて、例えば各製造工程の作業時間と歩留まり、不良の要因が管理されていて、要求するとスッと即座に出してくれます。色んな国の色んな会社から鍛えられた結果でしょうか。おかげで僕ら設計サイドからも工程改善による製造の安定化やコストダウンを提案しやすいです。恐らく他社との仕事でも同様にあちら側を巻き込んで工程を改善し洗練させていっているのでしょう。ノウハウは積み上げられあらゆる製造のレベルも上がっています。(日本では出来ないだろうな、、、という加工もあったり...

唐突に止まる工場と物流

工場で働く人たちは悪くないのですが、ゼロコロナ政策をとっている中国では唐突に都市がロックダウンされます。また電力不足で操業に制限が課されることもあります。

部品が1つでも欠けると製品は作れませんが、製品が作れなくても工員に給料は発生します。なので工場は常に動いている状態をキープすべきなわけです。そんな製造業において唐突に部品供給が止まるインパクトたるや。

コロナのロックダウンも操業制限も大変なのが1つには唐突に止まる事。2つにはいつまで止まるか読めない事です。事前にいつからいつまで止まる等の目途がついていたら、在庫を多めに抱えておいたり、生産調整して部品供給が厳しい間は他の生産に工員を割り当てたりの対応が出来るのですが…

中国行政の強烈なトップダウンはスピード感として羨ましいところもありますが、何から何まで極端なんですよね。振り回される方は大変そうです。自分も振り回されているので他人事ではないですが。。

ハードワーキング

中国の人たち、概ねハードワーカーな印象です。

日本では働き方改革のもと製造業も労働環境は改善され、あくまで自分の観測範囲ではありますが労働時間もかつてに比べてまともなものになっていっています。一方で中国の方々は長い時間、時には休日でもガンガン働いています。かつての日本の製造業を思わせるハードワーキングです。

先にお話ししたロックダウン環境下においても、工場内で寝泊まりしている工員を敷地内から出さないClosed loop managementで製造を繋げるなどなかなかの働き方(働かせ方)をしています。ディストピア感ありますが、、とにかく現場の方々の仕事ぶりには頭が下がるばかりです。

良き仕事仲間

やり取りの頻度と密度が高まり、親密度が高まった相手先も増えました。

国同士では色々ありますが、普段仕事で付き合う彼らは僕のヘタクソな英語も真剣に聞いて意図をくみ取ろうとしてくれるし、ちょっとした世間話に花を咲かせたりするしと、まぁ良い人たちです。

問題が起きて会社の利害のために衝突することもありますが、、ビジネスへの真摯な姿勢とガツガツ攻めていく強いメンタルは見習いたくありますね。

まとめ

2022年の僕から見た2022年の中国の工場の印象を語りました。

最近はコロナで出張も行けてない中で、工場について語れることも少なくなり自身の現場離れがよろしくないよなと感じる今日この頃です。
一方、設計者自身が出張に行かずとも何とか製造が回せているところに、今の中国の製造業の強さが現れているとも言えます。

国としてのリスク、賃金や不動産の上昇でのコストメリットの減少、ゼロコロナ政策や停電のリスク。中国の工場を取り巻く環境は極めてカオスで今後の展望は全然読めないのですが、またこの記事の内容から変化を感じたら記事にしてみようかなと思います。まぁこのブログがそこまで続いている確証も無いんですがね。