WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

3D CADは使いにくいと思う

Twitterでは日本の製造業のデジタル化が進んでいないという話題が定期的にあがってきます。

その話題を細かく見ていくと、3Dデータ vs 図面だったり3D図面 vs 図面だったり、そして3D CAD vs 2D CADだったりします。最後のはどちらもデジタルですが、最新ツール vs 旧来ツールという構図が受けやすいのでしょうかね。

ツールで何を使うかは環境依存なことが多いし、末端の人間にデジタルの有用性を説かれても設備投資的にどうしようもないだろうし。と僕は思うわけです。しかし世には日本の製造業を憂う人が一定数いるようでして、3Dを取り扱う事の有用性を説き、頭が固く進歩性の低いおじさんに物申すような論調が見受けられます。おじさんになってしまった自分としても、説教されているようでドキッとしてしまいます。

それはそれとして、3D CADそのものって使いにくいです。こんなツールを使って設計しないといけないのは、メカ設計者は前世で徳を詰んでいないからではと時折考えてしまうほど、使いにくいです。

おおざっぱに3D CADと括ってしまいました。一部のことを全体のように言うのは良くないですね。自分はPro/E(Creo)、NX、Fusion360あたりを触ったことあるのですが、それぞれパラメトリックCADでありつつ独自の色を持っており、全て使いにくかったです。(具体的に使いにくいポイントを述べると凄い文量になるので割愛)他のCADが使いやすかったなら、使い手の方には申し訳ありません。

「3D CADは使いにくい」という話に戻します。 3D CADは直感的に操作できる、とはよく言われます。実際の形状が表現できる点ではそうなのですが、自分が直感的に作りたい形状を作れるかというと、熟練レベルにならないと難しい印象があります。

参照関係はすぐ壊れるし、分かりにくいし、気付かず変なところが動いてたりもするし、人によって作り方が違い過ぎて引き継ぎが大変だったりもします。さらにCAD自体が高額なので独学できず、CADオペの学習は実戦を通してでしか学ぶことができません。これがまた3D CADの厄介なところでもあります。

3Dデータにしても、データに色々情報を紐づけていても中間ファイルにすると抜けて落ちてしまい無駄工数となることがあります。中間ファイルを作り、読み込むプロセスの中で面がおかしくなったり、微妙な誤差が生じたりもします。そういうことが起きない環境の方は羨ましいところですが、自分はちょくちょく起きるので、やはり今の3Dは万能ではないなと感じるのです。

色々述べました。自分にとってやはり3D CADは使いにくいです。しつこいようですけど、本当に使いにくい。

とはいえ商活動なんてものは最終的に効率がいい方向に転ぶようになっているので、3D CADや3Dデータ、3D図面が真に効率的なのであれば。投資効果に見合うだけのリターンがあるのなら。自然と普及していくんだろうなと思っています。

普及していかないのであれば、それはやはり何等か足りてないところがあるのかなと。

よくよく見返してみると去年もCADについて語ってました。
僕もやっぱりこの話題好きなんだな。
temcee.hatenablog.com

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