WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

経年劣化でベタベタになった触感塗装からEOLの想像力を養う

触感塗装、ないしソフトフィール塗装ってありますよね。触ってみると肌触りの良い触感と心地よい温度感を提供してくれる塗装です。

あの塗装を施すと、5年内にはベタベタボロボロになって周囲を犠牲にしながらエンド・オブ・ライフ(EOL)を迎えることになるので個人的にかなり苦手です。けど結構な確率で、ガジェット類に施されてるんですよね...。Microsoftのマウスでも起きて悪戦苦闘を強いられました。Windows Meと並んで許せん事案です。

ベタベタの要因は加水分解だとか、オイルブリーディングだとか言われています。詳細は化学屋さんの解説待ちですが、オイルブリーディングは荷重がかかり続ける箇所で、数週間から数か月の比較的短期間でオイルが染み出すイメージがあります。ゴムパッキンで防水する製品で稀によく見かけますね。なので、経年で出てくるものは何等か湿気が触感塗料内のゴムと化合しているのではないかという気はします。

このベタベタ、巷ではエタノール拭きやハンドクリーム刷り込みで良化するという話もあります。
自分も試したことはありますが、結構な工数がかかる割には「マシになる」程度のレベルで、元通りには戻りません。外装だけの問題なので使い続けようと思えば出来るのですが、直接触れる箇所だからこそ触感塗装なわけで、常にベタベタを我慢しながら使い続けるという選択肢は僕には無いですね。ベタベタした時点で終わりです。

仕様として触感塗装を選ぶ人はEOL時のことをどう考えているのでしょうか。
ベタベタし始める前に他起因でEOLが来ると考えていたのでしょうか?
ベタベタしててもEOLまで使ってくれると思っていたのでしょうか?
2年?5年?どのくらいの長さを使うのか想定しているのでしょうか?
それとも単に、使用環境の想定が甘かったのでしょうか。

「製品を捨てる時まで面倒見るのが設計であり開発だよ。」
昔設計の先輩から言われました。

ベタベタして厄介な触感塗装しかり、捨てるのに面倒なリチウムイオン電池内臓の製品しかり...終わりを迎えた時でも負荷をかけず、きれいに終われる製品、そしてアフターフォローが当たり前になると良いなと思う今日この頃です。