WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

3D図面は流行ってないし流行りにくいよなと思う理由

2022年のいち設計者として現在の3D図面に関する感想を書き残していきます。

まだ流行ってないのでは

ものづくり白書 2020年に協力企業への設計指示方法の統計データがあります。第一章の第三節です。

協力企業への設計指示の方法 by ものづくり白書2020年

これによると設計や協力企業への設計指示を3Dデータのみで完結させているのは全体の15-17%程度です。また本文中に3D図主体への移行の取り組みは滞っており、2D図への回帰すら見られるとコメントされています。

流行りにくいのでは

全体標準化がされていない

3D図面の標準化について調べてみるとjama(日本自動車工業会)のページがヒットします。ここで3D図面に関するガイドラインが公開されています。

www.jama.or.jp

ちなみにガイドラインのダウンロードにあたり業種等の情報入力が必須になります。趣味で情報を集めているだけの自分はここでシャットアウトです。

そんなわけでガイドラインの内容は見れてないのですが、そもそもガイドラインを制定しているのが自動車関係の団体なんですよね。自動車は日本の一大産業ではありますが、製造業ってもっと多岐にわたるわけで、自動車と開発プロセスや主要な部品の製造方法が異なる業界はザラにあります。

ツールはついてきているのか

3DCAD、多種多様ですよね。そして互いに互換性が無いので中間ファイルたるstep(3D)やらdxf(2D)に変換をかましたり、図面として究極の汎用性を誇る紙に印刷したりして、各社が繋がれているわけです。

3D図面については、どのツールで作るか見るかってところがあまり定まっていない印象です。一応、見る方はPDFで見るのが主流なのでしょうか?詳しい人がいれば現状を教えて欲しくあります。

独自仕様を策定し、協力企業に導入させられる規模の会社だけのものでは?

以上のことから、仕様を考える人的リソースと協力企業に3D図面の導入をリードできるキャッシュ面の余裕がある企業だけ独自の標準規格を策定して運用しているのが今の状況ではと僕自身は感じています。そして独自規格が乱立してて協力会社的にも(複数社と取引がある場合)ついていくのに難があるのではと。

あと独自規格であるがためにオープンな場で議論もしにくいだろうとも。

まとめ

3D図面について思うことをつらつら書きました。

僕はあくまでいち設計者で先端情報に明るいわけでないので知らないところで「実情は違うぜ!」ということがありましたら、ごめんなさい。

新しい取り組み自体、僕はそんな拒否感は無いのですが、新しいこと学ぶ工数欠けるなら見合ったリターンが期待できるといいですね。