WICの中から

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設計完成度は3Dデータのどこに表れるのか

この時期でこの完成度は不味い。

それなりに筐体設計の開発経験がある人は3Dデータを見るとピンと来るものです。一方で何が不味いのか言語化することは難しいんですよね。しょうがないのでエクセルに課題点を羅列して「これだけ課題が残ってござい」と分かりやすくすることはできます。が、3Dデータを見るだけで皆が直感的な危機感を全体共通として持てると諸々の工数...エクセルエンジニアリングやパワポエンジニアリング...が削減できて良いなと夢想しています。

そこで改めて、3Dデータのどこら辺に設計完成度を感じているか言語化をしてみます。

すぐ干渉が見つかる

説明するまでもなく断面をザッと流して干渉している、もしくは極端に部品間ギャップが狭い箇所が多いと設計が進んでないと言えます。

干渉を解消しないマインドセットとしては、他に重たい検討項目がありそちらに労力を割いている、いわゆる地殻変動レベルの大変更に備えている、などですかね。

作れない形状がある

細すぎるリブ、板金端と近すぎる穴、製造上問題があるでしょうと一目で印象づいてしまう形状があります。

それもまた、設計が完成には程遠いことを感じさせます。

設計を優先してモデルの作りこみが出来ていないと上記のような作れない形状が残りがちです。やればすぐできる、だからあとでも出来る。けどやるべきなんですよね。後々絶対に修正必要だから。

位置決めが無い

部品が組まれる時、既定の位置に来るために位置を決めるための形状が必要です。リブで突き当てたり、ピンと穴で対応していたり、ですね。

こういう位置を決めるためのギミックなく部品が置かれているのは構想設計レベルのレイアウト検討が行われている状況でしょう。

ねじ穴が揃っていない

一目見る限りではそれなりに見えるデータも、断面を見ると違う世界が見えるものです。

意外と見かけるのがネジ穴の中心ずれ。大胆なずれではなくちょっとした、干渉チェックにも引っ掛からない些細なずれ。しかし、断面を切ると一番に確認したくなるはずの場所です。

組み込み補助や摺動部のC面

スライドして組んだり、擦って動く部品に段差はご法度です。引っ掛からないよう斜面で繋ぐ必要があります。

細かな気配りではありますが、ほぼ必須かつモデル追加に手間がかからない形状なんですよね、C面。そういったところに気が回ってないのも、全体を見る段まで行ってないように感じます。

まとめ

設計完成度を見る時にどういうところを見ているのか、を言語化してみました。DR参加する度に感じる「そこは引っ掛かるところじゃないよなー」のモヤモヤ感の正体はここら辺にある気がします。

前3つは見つかったら重めの状況で、後ろ2つは追い込み頑張れーなレベル感です。

みなさんは設計・開発の進捗をどういうところに感じますか?