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干渉よりも怖い!意図しない微小クリアランス

先日、干渉チェックに関するブログ記事を見て、「あーそういう干渉あるあるですよねー」と共感しました。

mechanical-engineer48.com

完成状態、動作前後、組込…干渉のリスクは至るところに潜んでいます。干渉は部品で組めば素人目でもすぐに分かるので、やっちゃうと恥ずかしいんですよね。

反面、干渉チェック機能は今日びの3D-CADなら大抵カバーしている機能ではないでしょうか。干渉チェック機能を使えぶつかっているところは一目瞭然です。(なので、やらかすと本当に恥ずかしい…)

自分としては、チェックを怠らなければ防げる干渉よりも、機能で見つけられない微小クリアランスの方が怖いですね。

あるべきクリアランスと意図しないクリアランス

各部品の寸法公差と、部品同士の位置の決まり方・関連によって部品間のクリアランスは設計されます。位置を決める場所は最低限のクリアランスを、それ以外のところはぶつからないよう余裕を持ったクリアランスを。

そうした管理されたクリアランス設計の中に、意図しない微小クリアランスがあるとどうなるでしょう?

ぶつかっちゃいますよね。で、意図した箇所で部品の位置が決まらずにズレてしまい、連鎖的に不具合が生じる…なんてこともありえます。

見つけられない微小クリアランス

こうした微小クリアランスは、見つけるのが困難です。

干渉チェックでは出てこず、クリアランス解析も、例えばネジ締めなどで部品感がゼロで接するところがあれば、そちらがハイライトされて終了です。

となると、そうしたリスク箇所を見つけるには目視の確認。XYZそれぞれの断面を切っていって近い箇所がないか俯瞰するしか無いです。

人力で為すことは漏れのリスクを伴います。そうした意味で、実際にものが上がるまで「絶対!」が言い切れない…いやぁ、怖い怖い…

まとめ

微小クリアランス怖いよ。というお話をしました。

金型品って、干渉でも微小クリアランスでも、パッと見はしょうもないミスでも修正に結構な時間とお金がかかるので本当に怖いんですよね。数え切れないほど部品の金型起工連絡してきましたが、未だに起工連絡をするときは嫌な汗をかきますし、ものが届くまで落ち着かない日々を送っています。

AIだ自動運転だなんて言われる令和の今日このごろ、CADも設計者の凡ミスを解消してくれるナイスな機能を開発して欲しいものです。

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temcee.hatenablog.com