先頭・後尾車両を連結したい
ムスコからプラレールの先頭・後尾車両同士を連結させたいと注文が入りました。
プラレールは元々対客車の部分しか連結部品がついておらず、車両を長くしたい場合は客車を増やすのが一般的です。ただ、ムスコは最近入手したサンリオラッピングトレイン(京王9000系)を通常の京王9000系と合体させたいようで、テープでくっつけてはレールのカーブを曲がりきれず脱線、を繰り返していました。
構造確認
ネットを見ると切る削るの改造で連結器を追加している例が見つかりました。切る削るは元に戻せないのが躊躇いポイントでして(サンリオ仕様の方は限定品で入手性が低いですし)、既存の形状そのままで何か出来ないかなとプラレールを覗いてみますと。
良い感じに穴があったので、ここに軽圧入させる形の連結器を作ってみましょう。
モデリング
軽圧入のところの形状は手癖で下記の様な形状にしてみました。
干渉量と力点までの高さ、肉厚は勘で適当に置いています。肉厚変えると圧入荷重は3乗で効いてきてセンシティブな調整が難しいので、高さと圧入量で調整するのが良いと思います。
今回は適当に形を書きましたが、設計するなら下記のやり方があります。
- 梁のたわみ計算を元に概算荷重を算出
- CAEで強制変位を与えて反力を算出
- 実際に物を作って確認
おすすめは3番目の現物確認です。3Dプリンタは、特に積層系だと材料のヤング率の理想と実態が違うでしょうし、荷重得られても手感とか保持感は分からないものです。現物確認と合わせて、1、2番目みたいな理論計算を入れれば調整する時に役立ちます。
軽圧入以外のところは連結器の寸法を雑にコピーして完成です。
出力して取り付けよう
STLに変換してスライサーで3Dプリンター用のデータを作成します。私は3Dプリント自体が久々で、スライサーのFlashPrintを更新するとwifi経由でデータ転送できるようになっており便利になってました。おかげで輸送用USBメモリを探す手間から開放されました。
出来上がり、最初は安全をみてラフト付けたものの、うまく剥がせず接地面が粗い…。
相手側も作って合体・連結!
これで2種類の京王9000系を連結して走らせる事ができるようになりました。
まとめ
ムスコからの要請を受けて先頭・後尾車両向けの連結器を作りました。
軽圧入の寸法ですが、圧入が割と緩めでムスコが荒ぶるハンドリングを前にポロリが結構起こりました。「もっと強く作ってくれ」と言われて干渉量を増やしてみると根本が変形してダメになったり、、PLAだとたわませる系の構造難しいですね。記事に載せた積層方向だと折れやすいのもあり、改善の余地は色々とあります。
今年もこんな感じで、ちょいちょいムスコの遊びを改善するようなものを作っていきたいですね。