WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

【設計者CAE】僕らには仙豆がなく、修行シーンも用意されていない

CAEチョットデキル設計者なので、社内に設計者CAE活用広めよう会に時折呼ばれる。

普段は実際の開発での活躍が期待される内容、例えば過去の問題を設計時点で食い止めるCAE活用方法がもっぱら話題になる。ただ時折、開発に対する効果が薄いものの設計者への負担が激増しな提案が挙げられる。やめて欲しい。設計者はいつも規定時間ギリギリまで働き、プロジェクトが落ち着きそうになると転戦を余儀なくされる程度に余裕がないのだ。

普段はフーンと流して終わる提案だが、ある時ふと反論してみた。費用対効果が薄い。開発に貢献しない。やってる感のためのCAEになる。そんな感じでやりあってみると、相手が何故効果が薄いCAEを提案してくるのかが掴めてきた。

試作に置いてちょっとした強度問題がいつも起きるのは設計者の意識とスキルが低いからだ。
設計者が成長するのはいつだ?
自分の設計が評価でボロボロになり、改善を考える時だ。
CAEなら現物の評価を待たずに電子上で何度も評価してボコボコにできる。
すなわち圧倒的成長―――――

一理あるなと思った。確かに貧弱一般設計者は壊し壊されて成長する。死にかけから復帰するサイヤ人のごとくだ。

だが一理あれど一利の陰に百害が潜んでいる。というのも設計者は成長のために壊し壊されてなんてやってる場合ではないのだ。
悟空はナメック星に着くまでの道中で無茶な修行→仙豆という効率的レベリングで圧倒成長できた。設計者は業務の傷をエナドリで癒すのに精いっぱいだ。そこに本気度の低いCAE施行を突っ込んでも得られる経験値は大した事にはならないだろう。何より身体か精神がイってしまう。

CAEで設計スキルを磨くアイデア自体は新しかった。ただどうしても僕らの時間と体力は有限で、ドラゴンボールのように修行期間も仙豆もない。まして機械のように数百万と繰り返し学習できない。ならば1回の設計から多くを学べるように本質の業務に多く時間を割くための、学習するための余裕を作るためのスケジューリングこそ肝になってくるのではと、僕は思っている。

まとめると、
とりあえずのCAEでも設計力は鍛えられるでしょう。ただし効率が悪いでしょう。

開発に従事してる設計者に提案するなら、やっぱ設計者本人がメリット感じられるものにしたいですね。