WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

神様データを複製してはいけない

BOM(部品表)にせよCADデータにせよ、最新かつ主流であるデータは神様とされます。
はっきりした神様がいるからこそ製品やプロジェクトの状況を掴めるし、部品の構成や構造を知ることができるわけです。

が、世間にはそんな神様を複製してしまう人がいます。事故の元にしかならないので絶対やめましょう。

神様データの一貫性は死守したい

CADデータは下記の理由で分岐します。

  • 試作フェーズ毎に形状を残しておきたい
  • 並列で複数仕様を検討したい

そんな時に時折バルククローンが行われ、全体が複製されます。

全体を複製すること自体、無駄データが大量に発生するので避けるべきと僕は考えているのですが、そこは置いておいて、、。

複製するにせよ神様とするデータは複製元のデータ1つと決めておいた方が良いです。間違っても複製先のデータを神様にしてはいけない。複数仕様を検討しているなら複製元を本命データにして神様として扱い、他の検討データとはきちんと分けて管理すべきです。後々他の案が採用されて主流データが没になったとしても、データ自体を置き換えるのではなく主流データの方を作り変えた方が安全でしょう。

というのも、頻繁にデータそのものがすり替わると周囲の人が困るのです。

「いま入っているこのファイルは正式なデータだろうか?」となると、参照しようと思う度に確認をとる必要性が出てきます。 BOMで部品IDも管理している場合はデータ入れ替えの度にBOMを更新しなくてはなりません。参照元を間違えたりBOM更新が漏れると偽物のデータを参照してしまい、下手をすると想定と違う物が作られることもあり得ます。そうなると試作が一回すっ飛ぶことになりますし、量産でやらかすと二度と設計させてもらえなくなるでしょう。

無駄になった図面

何で急にこんなこと書いたかというと、ヘルプに入った先で神様BOMを参照して図面を描いていたら情報が古く、別データで描きなおす羽目になったからです。

僕自身の工数が無駄になったのはまぁ許せないのですが、Assyデータ見て違和感に気付いてなかったら爆破炎上四散することになってたので良かったと思う事にします。

正直、古いデータを取っておくなら中間ファイルで吐き出しておけば良いんですよね。履歴付きのCADデータを取っておいても、その当時の履歴構成って頭から抜けていることも多いし検討途中の履歴は汚いです。あんまり役に立ちません。役立てている人を見たことも無いです。神様データを形状だけ修正していっても時間はそんなにかからないし、履歴がきれいになってその後の検討に伸びしろができるのでおススメです。

temcee.hatenablog.com

チーム開発をするなら情報はきちんと整理しておきましょう。