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今年読んだ50冊のうち、最も良かった5冊の本 2018年版

今年の振り返りシリーズ第2弾は読書のお話です。

今年読んだ本、漫画や娯楽小説を除くと40冊くらいですかね。Audibleで10冊聴いてるので、合計で50冊ほど読みました。良かった本の感想はちょくちょくブログに書いていますが、紹介しきれてないものもあったんですよね。

ちょうどいい機会なので、今年読んで良かった本を5冊選んで紹介していきます。

5冊を選ぶうえで改めて自分が読んできた本を見返してみると、「歴史」「お金」「製造業」という僕の趣向が見えてきます。これから紹介する5冊も、ご多分に漏れずこれらのキーワードが絡む本となっています。

同じ趣向の方がこの記事を読んで「面白い」と思える本が見つかれば幸いですし、「これが好きなら、この本もイイよ」という提案もウェルカムです。

銃・病原菌・鉄

世界がどのような遷移を経て今の姿にたどり着いているか、というのは知的好奇心をくすぐられますし、将来を予想する上での示唆に富んでいます。

本著では、各大陸の文明のムラが何故生じたのか?具体的に言うと、何故アメリカ大陸が外来人に制覇されたのか。という疑問に対し、研究結果と考察がまとめられています。

結論を簡潔に言うと人種による優劣ではなく、自然環境によるところが大きかったんですよね。農耕に向いた植物種があったり、技術の伝播がしやすかったりした地域では、食料調達以外に時間を使うことが出来るようになって、余暇から文化や技術が発展したということです。

読み応えがあり、普段生活しているだけでは分からない気付きが沢山ある本です。やはり、歴史を振り返るのはいいものです。

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敗者のゲーム

ムスコが生まれて個別株を追いかける時間も無くなったので、そろそろ僕もインデックス投資家になるかと決心して買ったインデックス投資の名著です。

投資というのは適切な行動をとった者が勝つ勝者のゲーム、ではなく失敗をしたものが負ける敗者のゲームだ、というところから話が始まります。

本著はあらゆる証拠を揃えて「個人はインデックスが最良の投資法だ」と述べているわけですが、それ以上に重要なことが書かれていました。

それ即ち、自分の人生目的にあった投資を考える、ということ。「どの投資商品がいいか」ではなく、自分の人生プランを設計することこそ、投資を考えるうえで重要だと示唆しているわけです。

昨今はマーケットが大荒れで、色んな投資スタイルの人が息巻いています。そんな時こそ本著を見返して、自分が何のために投資をするのか、そのための利回りとリスクは?といった長期的なプランを冷静に考える必要があるのかも、と思いました。

ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か

赤字経営に苦しむ工場が、業務を改善しV字回復していくプロセスを小説にしたものです。

目的と手段を間違えないこと。評価基準を定め、ボトルネックの解消に注力すること。製造業以外にも通じる内容ですね。

池井戸潤の下町ロケットから、ドラスチック性を押さえてビジネス寄りに仕上げたようなイメージです。一発逆転の爽快感は控えめですが、ボトルネックの発見から改善への施策、そして効果確認のプロセスは静かな興奮を覚えました。

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お金の流れでわかる 世界の歴史

歴史が動くとき、お金もまた重要な役割を果たしています。国が衰えて革命が起きる条件や、強国が強国でいられる理由など、古代から現代にいたるまでの歴史をお金に着目して語られています。

この本から学べるのは、「歴史は繰り返す」ということです。国の徴税システムが機能し、適切な再分配が行われているうちは平和で強い国を維持できますが、ここに綻びが出来て汚職が蔓延したり、貧富の格差が広がっていくと、そこから国が傾いていきます。

そう考えた時、いまの世界の情勢はどうでしょう。貧富は、特にアメリカでは広がっており、それがトランプ大統領の誕生にも繋がっていますが…。と、今の世界を見るうえでも役に立つ1冊なのかと思います。

ハードウェアハッカー

最後はこの1冊です。今年読んだ中で最もパンチの効いた本でした。

ハードウェアの話は、ソフトウェアに比べてオープンになりません。内部のノウハウとなっている内容が多いからですね。本著ではそうした隠されがちなハードウェアを「ほら、ハードは物理的に秘密を暴けるんだよ」とハッキングし、その手法や知見を共有してくれます。

僕はスタートアップの製造のお話や、Arduinoの工場のお話がお気に入りです。

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まとめ

今年読んで良かった5冊を紹介しました。

実はまだまだ積み本が多くて、ブログなんて書いている場合かよって感じです。が、読んだ本を振り返ってアウトプットするのは、本の理解を深めるうえで有効なんですよね。

普通に読んだだけだと、良い内容でも頭から抜けて行っちゃいます。だから自分がどこに面白さを感じたかとか、どういう点が学びだったかを記録しておかなきゃです。

そんなわけで来年もいろんな本を読んでいきたいし、その感想も書いていきます。(公開するにせよ、しないにせよ)

こんな記事も書いています。

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設計関連の専門書があまり読めてないので、来年は頑張ります

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