WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

仕様作りに食い込めない設計部門は何をモチベーションとしていくべきか

今期、僕は目標として「自分だから作れる製品」の設計を掲げている。

設計部門のイチ担当レベルが製品作りに食い込むのは難しいだろう、目標をレビューしていたときに上司から真っ先に指摘された。コレについては異論は無い。製品の仕様決めは上流かつ上空で行われ、設計部門はその仕様にどこまで応えられるかの構図で、今の職場は成り立っている。

ただ言われた物を作るだけ。これはこれで難しく、その点でやり甲斐もあるかもしれない。しかし、パッシブに徹していると、やらされ感に支配されていく。やる気も次第になくなっていく。設計部門は何をモチベーションにしていくべきか。

僕は「自分だから作れる製品」をコストと重量で定義するようにしている。既存の製品ラインの機種を設計するなら、どの部品も前の機種より安く軽くする。部品を減らす。流用して新規金型の投資を減らす。ここはメカ屋しか手が出せない、いわば聖域なのだ。

自分の仕事を数値で現れる項目で測ると、貢献が可視化されてモチベーションになる。どうすれば改善できるか、自発的に考えるのはなかなかに楽しい検討でもある。

直近の自分を例にすると、樹脂材料のガラス繊維を減らし、ネジの締結を減らした上で既存機種と同等の性能を確保させる設計を行った。ガラスを減らすと材料費が下がるし、樹脂の流動性が改善するので成形サイクルには良い方向だろう。ガラスが金型を削らないから型にも優しい。(と、僕は勝手に思っているが、実際の効果の程は分からない。)ネジは鉄系なので1本減るだけでも重量貢献は大きく、部品が減ることで部品費以外にもネジ締め工数の削減になる。

製品仕様の話からすると些細な製品作りと言える。それでも、自発的に製品への貢献していると思えると、仕事への態度も変わるもの。

別にコストや重量じゃなくたって構わない。設計部門にいて、やらされ感を覚えている人がいるなら、自分がハンドリングできる範囲で数値化し比較できるパラメータを見つけ、目標とするのが良い。

こんな記事も書いています。

temcee.hatenablog.com

temcee.hatenablog.com