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福井県立恐竜博物館で化石を掘ったり研究したりしてきた

子は恐竜が好きなので福井県立恐竜博物館に行ってきました。一泊二日の突貫旅行、夏休みのロスタイムぎりぎりといったところです。

www.dinosaur.pref.fukui.jp

福井は言わずと知れた恐竜王国です。数多くの化石が発掘されており、その中には5体の新種が発見されています。そんな福井県のプライドが箱物になった福井県立恐竜博物館では単に展示を見るだけでなく化石を発掘する体験、発掘された化石をクリーニングして研究する過程の体験も用意されています。まさに化石特化型の博物館ですね。

今回の旅行では一日目に野外恐竜博物館での化石発掘体験、二日目に恐竜博物館の展示および研究体験を行いました。

受付後、野外恐竜博物館へはバスで向かいます。バス到着まで時間があったので周囲をぶらぶら。博物館周辺はかつやまディノパークがあったり、恐竜のオブジェが至る所にあったりとかなりの気合を感じられます。

バスに乗ると野外恐竜博物館へ向かうわけですが、なかなかの山道です。というのも、発掘現場のごく近くにあるんですよね。大雨で土砂崩れが起きたりして一時期行けなかったりしたそうで、自然との闘いが大変そうです。

この道にだけある標識。全5種類あります。

発掘現場では現在進行形で発掘作業が行われていました。ここで掘られた石の一部が我々一般体験者の相手になります。実際に著名な化石が見つかった箇所を見ると、大人の僕でもテンションが上がり期待してしまいますね。何か珍しい化石を見つけてしまうのでは、と。

野外恐竜博物館の展示。発掘道具と高まる期待感。ガイドさんも「貴重な化石が見つかる事もあって、そしたら小さなお友達の名前が論文に載りますよ」と煽りに煽ります。滾る。

とはいえ現実は甘くないですね。我が家が見つけたのは植物の化石のほんの一部のみ。子は恐竜の歯を見つける気満々だったので、理想と現実の間に彷徨してふらふらしながら発掘現場を去ることになりました。可哀想ですが万事うまくいくものではないと知り成長の糧として欲しいです。

二日目。幸い石割り作業による筋肉痛は無し。

常設展。卵型の館内は開放感があり、展示数もこれまで行ったどの博物館よりも、国立科学博物館よりも多いです。見せ方もおしゃれです。

こんな化石が見つかったらテンション爆上げだったでしょうね。なぁ息子よ。

新館へと向かう道。見る角度によって化石だったり復元体だったり。見せ方良いですね。

新館には実際の化石保管庫が見られます。バックヤード感。

3面ディスプレイによるアニメーション。子が気に入ったので3面x2回=計6回見ました。

系統図。すべての恐竜は6500万年に滅んだ、、、と思いきや一番上だけ矢印が進んでいるんですよね。鳥類は今なお生きて繁栄する恐竜の子孫です。なかなか粋な見せ方ではないでしょうか。

展示を見たら最後は研究体験です。まずはティラノサウルスの骨格を組み立て、骨の構造を知り頭部の機能を学んでいきます。

組立はディスプレイでヒント貰いながら行うのですが、意外に難しかったです。我が家のグループはそれなりの余裕をもって組み終えましたが、他は時間ギリギリだったり間に合っていないグループもありました。メカニカルエンジニアの経験が生きた体験でした。

その後はX線で化石内部の構造を調べる体験です。

当たり前ですが事前にスキャンし、3D化しておいたモデルを使います。くるくる回したり断面切ってみたり、セグメンテーションされているものを見たりして化石の特徴を捉えます。DR重箱おじさんの経験が生きる体験ですね。

この写真では複数の異なる歯がセグメント分けされています。機能歯、新しい歯、形成中の歯となっており、この化石の恐竜はサメのように次々と歯が生え変わる特徴があったと考えられます。我々が見ている絵はセグメント分けされているので分かりやすいのですが、化石の状態でここまで洞察するのは大変そうです。観察力と推察力、それを支える知識と経験。研究者って凄いですね。

最後はクリーニング体験です。エアーブラシで砂を払い恐竜の歯(レプリカ)を取り出します。ツールが結構危険な感じでしたが、意外と子はノリノリで作業して恐竜の歯をゲットしていました。これこそ子が求めていた発掘体験だったようです。作業感はルーターで部品を削る要領だったので、ここでもメカニカルエンジニアの経験が生きます。

終わりに

全ての体験を終え、帰路へ着きます。言葉通り恐竜尽くしの2日間でした。

展示の規模や体験の量が膨大で非常に満足感が高いお出かけでした。

ただ残念なのが東京から福井へのアクセスが壊滅的に悪いことですね。電車で行くなら名古屋を経由していく必要ありますし、空路では隣の石川県に降りてからレンタカー借りて1時間くらい走ることになります。日帰りでは厳しいし、1泊2日でもバタバタしてしまいます。せめて空港から電車のアクセスが良ければなぁと思わずにいられません。

投げ銭代わりに有料部を置いてみるテスト。

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