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機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

【4556】カイノスを調べてみた

今年は色々銘柄を調べているので、頭の整理を兼ねて調べたことをブログに残します。

今回は【4556】カイノスを調べてみました。

何故この銘柄に注目したのか

  • 低PBR(0.83倍)かつ「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」開示
  • 敗血症マーカー市場への参入
  • 直近の業績が増益基調

事業内容

病気の診断に用いる検査試薬の製造・販売を行っています。

身近なところで言うとインフルやコロナで鼻に棒つっこむやつですね。

人口減と共にシュリンクしそうではありますが、病気の診断は景気に関係なく必要なのでビジネス自体は安定してそうです。

業績・財務

売上は伸びてるのか変動しているだけなのか判断が難しいですね。コロナが流行っていた時期は外来患者の減少で売り上げ減、2018年度はアレルギー検査試薬の競合影響と特許のロイヤリティ収入の減少で売り上げ減となっているようです。

そんな中でも利益面は右肩上がりで、営業利益率は元々5%前後だったのが直近だと15%を超えてきていますね。決算説明でもありましたが工場の自動化や配送費、基幹システムの合理化を進めて効率化されているようです。堅実にやることをキッチリやってる印象ですね。ROEも10%程度で、PBR1倍切っていることを考えると結構優秀なのではないでしょうか。

ちなみに今期は3Q時点で純利益は通期予想を超えており、実質のPERは今の8.7倍よりも低くなりそうです。3Qで予想超えてるんだから上方修正してくれても良さそうなものですが、そういうアピールは熱心じゃないのですかね。スタンダード銘柄って感じ。

ちなみに今期の好業績はインフルが早い段階から大きく流行ったのが大きそうですね。

財務、IR BANKさんより。

有利子負債を地道に返していって自己資本比率も改善、いまいま70%超で健全ですね。

資産の内容も現金と売掛金から借入と買掛金を差っ引いて33億、土地が18億。これだけで時価総額と同等なので事業の価値はあまり見られていない水準と言えそう。直近の日経暴落でもそんなに変動してませんでしたが、ここら辺の割安感があるのかもしれないです。

CF、IR BANKさんより。

2020年の財務CFは自己株式の売却によるもの。旭化成ファーマとの連携を強化するための政策保有株ですね。2022年にはシスメックスにも第三者割当してます。政策保有株、世間的には保有しないような向きにありますが、この点は逆行してますね。 投資にはあまり資金を使っておらずFCFは概ねプラス。蓄財してますね。

配当、IR BANKさんより。

2019年に大きく自社株買いしてますが、これは翌年の旭化成ファーマへの株売却の布石ですかね。安定したFCFと控えめな投資のわりに配当性向は高くなく概ね20%。配当利回りだと2%半ばから後半くらい。ちょくちょく自社株買いしてくれているので総還元でみると良い年もあります。が、手持ちの資産を持て余している感はありますね。安定しているんだし、もうちょっと配当出してくれても良さそうな気がしますが。

敗血症マーカー

専用機か診断キット的なものが大半の敗血症マーカーの市場に、他の成分も含めて分析できる装置で使える新開発品を投入するそうです。

2年後に10億の売上目標としており、カイノスの売上規模の2割程度。割と大きいような気がしますね。想定通りに売れるかは継続してみていかないと何ともですが。

あとはシスメックスの免疫検査プラットフォーム向けに試薬も発表してました。連携強化している感出てますね。一度採用されると再度使われ続ける系のビジネスと思うので、地道に試薬の幅を増やしていければ売り上げもちょっとずつ成長するのではないでしょうか。

まとめ

カイノスについて調べてみました。

業績と財務の安全性が高い一方で業績成長に乏しく急な伸びは期待できない感じ。配当が多ければそれでもいいのですが、現状は還元もイマイチで投資するわけでもなくキャッシュが積まれていますね。ひと桁台のPER、1倍切っているPBRは、その辺りへの失望感の表れかなと。

PBR改善について色々書かれていますが、2023年度は特に際立った行動をとってはいないですね。ROEは向上しているかも、あとIRのアピールも増えたかな?くらいですかね。増配はしていましたが、前述の通り3Qで通期利益達成しているのでそれくらいは。

株価は時折パルスみたいな瞬間的な上昇が見られます。これを無視して数年単位で見ると微妙に右肩上がり。長期で持っていると大きな成長はないものの着実なリターンが見込めそうな感じはありますね。あとはフリーキャッシュや現金をどう使うか次第ですか。

ここまで述べてきたことはあくまで僕の見解なので、実際に投資を考えている方はご自分で調査・解析を行い自身の判断の元で行ってくださいね。

【6125】岡本工作機械製作所を調べてみた

今年は色々銘柄を調べているので、頭の整理を兼ねて調べたことをブログに残します。今回からIR BANKさんからの引用多めです。

今回は【6125】岡本工作機械製作所を調べてみました。

何故この銘柄に注目したのか

  • 直近の高い成長率(売上で10~20%成長)
  • 低PER(7倍ほど)
  • M&Aや提携など意欲的な話が多い

事業内容

平面研削盤を中心に、フラットネスや表面粗度を高精度に仕上げる工作機器を作っています。

精度としてはモノによりますが、ミクロンやサブミクロンオーダーレベル(1μm以下)で仕上げられるようです。僕が普段行っている筐体設計だとフラットネスの要求は精々数十μmオーダーなので、普通の部品に求められる精度を作る装置ではないですね。流体や光学が絡む場所や動きもの、製造・測定の治具などに用いられているような気がします。

半導体製造装置も手掛けているのが注目ポイントですね。スライサーとかポリッシャーとかディスコしかイメージなかったです。

業績・財務

売上は基本右肩上がり。ただし工作機械は景気の影響を受けやすく、大きなショックがあった年はガッツリ下げてます。あとは半導体業界自体もシクリカルなので、凹凸を繰り返しながら上がってきているといったところ。 売り上げ規模が大きくなるにつれて利益率も向上している模様。直近だと10%近くあるので製造業としては良い方ですね。

売上比率で半導体関連が徐々に大きくなっています。会社的にも半導体は成長分野として見込んでいる模様。主にはパワー半導体で採用されているようです。

パワー半導体の市場規模感ってどうなんだろう。

財務、IR BANKさんより。リーマンのころは自己資本比率も20台に突入して厳しかった感。そこからしばらく耐えつつ、直近の利益が伸びてきたところで負債の返済進んだなと。今は現金が負債より多いので安心感。

CF、IR BANKさんより。利益の規模を考えると投資には力を入れている感じがします。直近はM&Aや出資などで九州に半導体関連拠点を整備しており、TSMCが来たのを好機にグイグイ行こうとしている様子が伺えます。

競合

ディスコの方の売上内訳を見てみるとIC、光ときてパワー半導体はその他扱い。ただパワー半導体の売上への言及はあるのでその他の中ではそれなりの比率はあるのでしょう。まぁディスコはIC関連握っているのが強いのでしょうね、営業利益率が4割くらいあるので全然別世界観。6兆円企業ですし(24/4現在)。PERも80倍あるし。

このレベルまでやろうとすると納品先の顧客に装置開発から食い込んでカスタム品作る感じでやっていかないと厳しいと思うので、同じような商品扱っているからとディスコレベルの発展を期待するのは現時点では無理筋な感じしますね。

まとめ

【6125】岡本工作機械製作所を調べてみました。

スタンダード銘柄は守りに入って財を積んでいる銘柄が少なくないのですが、岡本工作機械製作所は勝負するために投資をしっかりしてる印象です。そのため配当性向は20%でそこまで高くはないですが、キャピタルゲインを狙っていくところという事で。

直近は業績が落ちることはあっても赤字まで行かなくなってるので、会社として昔よりも筋肉質になっているのかもですね。工作機械も半導体もシクリカルなので今後も凹凸あると思うと、直近EVが足踏みする雰囲気の今はちょっと手を出しにくい感じ。PERは7倍なのでそんなに高くないというか安い方だと思うんですけど、ちょっと調子悪くなると一気に数値が悪くなりそうでもありますし、急に調子悪くなったりも普通にありそうだなと。

ここまで述べてきたことはあくまで僕の見解なので、実際に投資を考えている方はご自分で調査・解析を行い自身の判断の元で行ってくださいね。

【3733】ソフトウェア・サービスを調べてみた

今年は色々銘柄を調べているので、頭の整理を兼ねて調べたことをブログに残します。

今回は【3733】ソフトウェア・サービスです。

何故この銘柄に注目したのか

  • 直近のコンスタントな成長
  • 高い営業利益率(17~19%で推移)
  • 高い自己資本比率(80%)で流動比率も300%超えで良い

事業内容

病院向けに電子カルテを販売している会社ですね。ソフトだけでなくハードも取り扱っているようです。

決算説明資料に稼働病院の情報があり、ザッと見た印象では病床数100~400の中規模病院の顧客が多そうです。

電子カルテのシェアは富士通に次いで2位とのことです。イメージですが、病院のシステムはそうそう入れ替えるものでもないでしょうし、高いシェアは安定した保守売上とリプレース案件に繋がりそうです。


(引用元:https://www.softs.co.jp/e-map/share.html)

僕は病院勤務じゃないので製品に触れる機会はないのですが、ユーザーからの評判は悪くなさそうです。

直近の業績と24年予想

高い営業利益率と予想含めて4年連続での2桁営業利益成長は見事ですね。

医療DXは国から推進されていることもあり、関心が強そうです。

電子カルテの普及率は決算説明資料によると51%とまだ拡大余地もあります。が、日本の人口が将来減っていく方向なのを考えると、今の延長線だけだと遠からずどこかで頭打ちになるであろうことは念頭に置いておかないとですかね。

元々関西基盤の会社なのでユーザーもそこが多めで、直近は東京支社を作り東京圏のシェアアップに力を入れているようです。

競合

シェアトップは富士通とあるのですが、富士通の規模だと電子カルテ分野の詳細情報は見えてこないんですよね。売上4兆円くらいなので、電子カルテ部門の割合は2%くらいでしょうか...?

3番手にあたるCEホールディングスはメイン顧客が結構似通っている感じです。

導入実績をみるとソフトウェア・サービスより多いのですが、電子カルテという視点で見てないからですかね。

4320CEホールディングスは営業利益率、財務状況のどちらもソフトウェアサービスより落ちる印象です。

あとは3649ファインデックス。シェアの表には出てきていないのですが、国公立大学に高いシェアを誇っています。ここら辺は集計のネタ元が違うので、外から見ていると実際のシェア感が良く分からないですね。

ファインデックスは財務がソフトウェアサービス同様に健全で、売り上げ規模はちょっと劣るものの営業利益率はより優秀です。とはいえPERは21倍でソフトウェアサービスよりも高いんですよね。プライムに上場しているから?それとも業績以外のところで差が出来ているのでしょうかね。

まとめ

【3733】ソフトウェア・サービスを調べてみました。

業績面と当面の将来性は良いと思っていて、PER13倍は割安な印象があります。 一方で配当利回りは1%前後でイマイチ、PBRは2倍あるので株主還元を加速することも無いのかなという気がします。決算説明資料もあまり力が入ってる感じではないですしね。

筆頭株主は創業者の現会長なのですが、結構ご高齢なので相続とか考えると株価は上がらない方が都合がいいのかなぁとも。

ここまで述べてきたことはあくまで貧弱一般人の僕の見解なので、実際に投資を考えている方はご自分で調査・解析を行い自身の判断の元で行ってくださいね。

参考リンク

病院向け電子カルテの特徴と各社比較 | 院内SEの業務日誌

【4690】日本パレットプールを調べてみた

今年は色々銘柄を調べているので、頭の整理を兼ねて調べたことをブログに残します。

今回は【4690】日本パレットプールです。パレットとは物流で使われる、荷物を載せる台のことです。日本パレットプールはそのパレットをレンタル・販売するビジネスを行っています。

何故この銘柄に注目したのか

  • 低PER/低PBR (5.77倍/0.63倍 @24.03.08時点)
  • 物流の2024年問題

事業内容

冒頭に書いた「パレットをレンタル・販売している」が全てなのでシンプルで良いですね。
パレットを使った輸送はバラ詰みに対して積載量が減ってしまう一方で、荷受け時間の短縮につながります。

レンタルしたパレットは借りた場所で返すもよし、不要になった場所で返すでもよいです。

www.npp-web.co.jp

パレットはID番号を発信するようになっており、現在地や移動履歴が取得できます。

これによりパレットの紛失や偏在状況を把握出来たり、荷物の所在を追うことも可能です。

直近の業績と24年予想

劇的な成長は無いけれど安定しているように見えます。

21年度の売上減はコロナによるもの、22年度の利益減はデポ再編による減損2億、23年度の利益増は木製パレットの耐用年数変更による減価償却費の減少によるものです。今期の3Q時点では減益予想で、パレットの新規取得料を増やしたことによる減価償却費の増加が効いているようです。後述する24年問題に備えた投資でしょうかね。

営業利益率は10%前後で、20年から見ると販管費は大きく変わらず原価が改善していくことで改善していってるように見えます。
同業の【7065】UPRが5%程度で推移していることを考えると、悪くない利益率ではないでしょうか。

この利益率の差はどこから来るのでしょうか。UPRがPER13倍なのに対し日本パレットプールが6倍弱と割安なのはなぜなのでしょうか。

UPRの決算をチラ見してみると販管費の割合が高いです。また直近の決算でもベースアップによる販管費の増加が報告されていました。

四季報で見ると平均年収は日本パレットプールが459万、UPRが743万と大きく開きがあります。仮に日本パレットプールがUPRと同じ平均年収とすると、従業員数100人なので3億くらい利益が減る感じでしょうか。営業利益の3割くらい減る形になり、そこを基準でざっと計算してPERは8倍程度ですかね。これでもまだ安いと言える水準ですし、そもそもそんなに急に給料が増えることも無いでしょうが。それにしても日本の同じ業界でここまで年収差が開くことってあるんですね。日本パレットプールは平均年齢が高いので、再雇用の人とかが多いのかな...。

また資産面。PBRが0.6倍台と驚異の安さですが、内訳をみると8割がたレンタル用器具です。流動資産は借入金と同等程度なので資金に余裕がある感じではありませんね。自社株買いとか増配とかはあまり期待しない方が良さそうです。

競合

パレットレンタルの最大手は非上場の日本パレットレンタル、売上規模は279億円。上場している競合は上述のUPRで物流事業売上が137億円。

日本パレットレンタルは非上場なのであまり情報が出てこず、UPRのことは業績のところで色々語ってしまいました。

HPを見る印象だと日本パレットレンタルやUPRはパレットのレンタルのみならず物流DXまで手を伸ばしてソリューションにも力を入れていたり、他社と共同で効率化を目指したりと進んでいる印象を受けます。

一方デポ数(貸し借りの拠点)は日本パレットプールは200箇所、UPRが190箇所、日本パレットレンタルは59箇所とありました。売り上げ規模が小さいもののデポ数は多く、貸し借りの利便性は高いそうな印象を受けます。

物流の2024年問題

物流2024年問題はトラックドライバーの労働環境改善により、これまでチートを使って維持していた日本の物流が成り立たなくなるだろうという問題です。

jta.or.jp

物流2024年問題に対しても、物流の効率化として「物流革新に向けた政策パッケージ」にてパレット促進が言及されています。荷受けの時間を短縮することでトラックドライバーの労働時間減をカバーできれば、といったところですかね。 パレットの利用を促進するだけでなく、パレットに搭載する外装を標準化してパレットの積載効率を上げたり、パレットのサイズ事態を標準化する話が出ています。この辺りはコンテナ物語のコンテナの歴史に通じるところもありますね。標準化されたコンテナにより荷受けの時間が圧縮され運送コストは劇的に下がり、海外を含めたサプライチェーンの構築が可能となり、最終製品が安く作れるようになりました。パレットについてもそこまでの規模ではないにせよ、効率化の効果が感じられると良いですね。

で、パレットの現状はというと。調べて出てきたパレットの使用率を見ると8割程度が適用済みと、現時点でも結構利用されている印象を受けます。成長余地はあるのでしょうか。

一方でレンタル比率を見ると31.7%です。レンタルすることのメリットを打ち出し、浸透させられたならまだまだ市場はあると言えそうです。

まとめ

日本パレットプールについて調べてみました。

物流2024年問題があるので注目されるのかなと思っていましたが、現時点では市場の注目度は極めて低く不人気です。

実際にパレットが問題解決に貢献するかは現時点ではわかりませんし、これまでの業績推移を見ても大きく状況が変わるようなことは無いのかなという印象です。国から予算がついて補助金が降りるわけでもないですし、国のお墨付きがあるといってもさほど効果が無いのかもしれません。

とはいえ割安なのはそれだけで魅力があるのも事実です。減価償却が終わると利益率も上がってくるでしょうし。

個人的に物流問題は、以前のように安価で早い運送が無くなる。日本国民がそのことに慣れていくのでは、と思ったりしています。今までが異常だった気がするんですよね。仕事に対し適正な報酬と期待を。

ここまで述べてきたことはあくまで貧弱一般人の僕の見解なので、実際に投資を考えている方はご自分で調査・解析を行い自身の判断の元で行ってくださいね。

参考リンク

https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001410732.pdf

物流パレットの話

パレット標準化の実態調査

【5592】くすりの窓口を調べてみた

今年は色々銘柄を調べているので、頭の整理を兼ねて調べたことをブログに残します。

今回は【5592】くすりの窓口です。個人の接点としては処方箋を薬局に送信するアプリ、「EPARKくすりの窓口」と「EPARKお薬手帳」が有名ですね。好きなタイミングでお薬を貰いに行けるので、僕も良く使っています。

何故この銘柄に注目したのか

  • アプリのユーザーとして使い勝手に満足してる
  • 3Q決算後に暴落していた
  • 暴落してるわりに3Qの成績は悪くなさそうだった

売上高は進捗通り、利益関係は3Q時点でほぼ達成しています。これだけ見ると落ちてる理由が分からなかったので、気になったんですよ。

事業内容

くすりの窓口の事業は大きく3つの領域から成り立っています。

メディア事業は僕も利用している処方箋ネット受付がメインの事業です。薬局からの月額課金と処方箋受付数に応じた手数料収入で稼いでます。

みんなのお薬箱事業は共同仕入れで安く医薬品を仕入れて、それらを各薬局やクリニックに卸す医薬品売買と管理で稼いでます。

基幹システム事業は病院や薬局向けのシステム販売と月額利用料が稼いでいます。

どの事業も初期の導入にかかる売上と月額利用料など継続して得られる売上があり、くすりの窓口では前者をショット売上で後者をストック売上としています。そして継続的なビジネスたるストックを重視しているようです。

直近の業績と24年予想

項目 20/03実績 21/03実績 22/03実績 23/03実績 24/03予想
売上 ¥3,365 ¥5,202 ¥6,489 ¥7,420 ¥8,298
売上成長率 54.59% 24.74% 14.35% 11.83%
構成
メディア ¥1,914 ¥1,718 ¥2,027 ¥2,612 ¥3,117
成長率 -10.24% 17.99% 28.86% 19.33%
みんなのお薬 ¥1,328 ¥2,795 ¥2,987 ¥3,009 ¥3,257
成長率 110.47% 6.87% 0.74% 8.24%
基幹システム ¥123 ¥689 ¥1,475 ¥1,749 ¥1,924
成長率 460.16% 114.08% 18.58% 10.01%
営業利益 ¥715 ¥1,050 ¥1,233
営業利益成長率 46.85% 17.43%
営業利益率 11.02% 14.15% 14.86%
経常利益 ¥815 ¥938 ¥1,178
純利益 ¥515 ¥391 ¥751

全体売上は10%超えで進展しています。ざっと見、12億->10億->9億...と売上の上がり幅自体は縮小している印象です。

営業利益率は昨年実績は14%強、今期は3Q時点で18%弱と高い水準で向上しています。説明資料のFAQでも利益率の伸びには触れられており、ストック売上の原価は固定費が多いためにストック比率が上がるにつれて利益率も上がる構造になっているようです。

セグメント別に見ていくと、「みんなのお薬箱事業」の伸びが鈍化しているところが気になりますね。基幹システムは他2つより規模が小さく伸び率もそれなり。メディア事業がこの表を見る限りでは期待できるイメージです。

予想PERは暴落前で20倍程度、今は19倍弱。別で処方箋機能のあるアプリ(CLINICS)を出している【4480】メドレーが60倍なので、まぁ割安は割安なのかもしれません。メドレーはグッピーズ買収してるし、そもそも処方箋機能はCLINICSの数ある機能の1つだし、他に人材紹介とかやってるので単純比較は出来ないですが...。

表には載せてないのですが、初見でくすりの窓口に不安を覚えたのが自己資本率の低さです。四季報では17.2%程度でした。今回の3Qでは改善して28%程度になっています。「みんなの共同仕入れ」サービスの安定運用のため資産の流動性が必要で、それを借入金などで対応しているのが自己資本率の低さにつながっているのかなと理解しています。ここら辺は利益が積まれていけば自然と改善していくでしょう。

旺盛な企業買収

色々買収しています。詳細は適時開示を見てもらえばなんですが、業績に疑問符が付く会社を買っている印象です。決算資料の説明にも赤字が残ったり黒字化予定だったりとサラッと一筆書かれていますが、ここら辺の詳細は欲しい所です。利益10億規模の中で数千万赤字って小さくないですから。

競合

業績のところで話題に出したメドレーのCLINICS以外にも、処方箋送信アプリ自体は色々出ています。が、ドラッグストアがそれぞれ自分たちの店舗用に出しているのが多く、色んなドラッグストア・薬局を横断して使えるのがくすりの窓口とCLINICSの印象です。
アプリダウンロード数はGoogleストアで見る限りEPARKお薬手帳とCLINICSがともに100万超え。アプリ機能としては前者がお薬手帳を兼ねたりと薬の管理に長けている一方、CLINICSは診療の部分からフォローしていて医療全体を見ている感じでしょうか。

ここら辺は十分に調査したわけではないのでご容赦を。

なぜ暴落した?

で、3Q決算でなんで暴落したかですね。

  • メディア事業/基幹システム事業の進捗が悪い(70%)
  • みんなのお薬箱事業の鈍化
  • 赤字企業の買収

後ろ2つは決算以前に分かっている内容ですが、投資を考えた時に気になってしまったところです。

暴落の理由として大きいのはメディア事業の進捗が悪いからかなと思いました。

ストック売上比率80%とすると年間2,500百万のストック売上が目標で、それからすると1,781百万は進捗71%。業績を見る限り、一番伸びしろがありそうなメディア事業がこの調子なので失望感はありますね。特に成長性が求められるグロース株で、PERも20倍とちょっと高めなので成長に陰りが見えると厳しいのかなと。

ストック比率が上がるにつれて利益面で成長するでしょという見方もあります。が、グロースなのだから売上の規模を広げながら成長してほしい感はありますね。売上が停滞するなか費用削減で利益を捻出するのは、成熟した安定企業の仕草だと思います。

ロックアップ解除

くすりの窓口は上場が2023.10で、半年後の2024.3にロックアップ解除があります。

親会社や会長がやっている投資会社以外だとSBIのファンドが大きく持っています。

大きく売られるのでは...とも思ったのですが、他の銘柄の保有履歴を見る感じでは、それなりに値上がりしないと手放さない様子が伺えます。


https://www.buffett-code.com/shareholder/20580ceb5b57bf37267013b8dc413cbd

くすりの窓口、公募は1,700円だったそうで絶賛割れてるので、まだ売られることは無いですかね?(価格間違っていたので訂正1,750→1,700)

まとめ

くすりの窓口について調べたことを気の向くままに羅列しました。資料関係は企業のIRページから入手しています。

kusurinomadoguchi.co.jp

暴落はしたもののPER的にはそこまで安さを感じる水準でもなく、買収した企業がどうなるか含めて来期の予想をみないとなんだかなーという印象です。無配なので成長している数値とストーリー両方を見せて盛り上げて欲しいですね。

買収にあたりシナジーを謳っていますが、EPARK系のアプリはお薬手帳とくすりの窓口が分かれていたりで、シナジーを発揮するよりカニバってる印象あるんですよね。統合して1つに集約できればいい気がするのですが、分かりやすくシナジーを感じさせてくれるかどうか。

ここまで述べてきたことはあくまで貧弱一般人の僕の見解なので、実際に投資を考えている方はご自分で調査・解析を行い自身の判断の元で行ってくださいね。

久々に真面目な投資を行っています

今年の抱負として「挑戦、小型株投資:企業分析して自分なりの目標株価を定めて売買」を掲げたので、最近は真面目に投資と向き合っています。

投資との向き合い方

真面目に投資と向き合うというのはどういうことかと言うと、下記を意識して銘柄選定および売買をしているということですね。

  1. 企業の業績を数年単位でトレースし
  2. 中期計画や今後の展望に目を通し達成度合いや難易度を評価し
  3. 競合相手と比較し優位性や差別化点を考慮し
  4. 提供するサービスや商品の実ユーザーの評判を聞き
  5. 自分なりの目標株価(売却の目安)を設定する

こうやって書き出すと当たり前のことばっかりです。当たり前のことを当たり前にやる、それが真面目というものです。

チャートやマクロな景況感とかも見られればいいんですが、知識も時間もそこまで手が回らないので、そこは妥協です。

直近の2-3年はパッと見のPERと何となくの感覚で買い、ひたすら放置してるだけでした。それより前は少しやる気がありましたが、それでも上の箇条書きでいう①と②だけにとどまり、相対的かつ多角的な目では見てなかったんですよね。

いまにして思うと、お金かかってるんだからもっと真剣にやるべきでしたし、全世界的な株高を見てるともったいないことをしたなとも考えたりします。が、僕の中で「お金が欲しいなぁ」という気持ちが育つための時間として、「投資はどうやるべきか」が本や記事にある文字列としての存在から自分の実感として落とし込まれるまでの時間として、必要なのものだっとのかとも思います。

新NISAの枠の使い方

新NISAになって成長投資枠(240万)とつみたて投資枠(120万)に分けて投資できるようになりました。

家族で相談した結果、成長投資枠は僕個人の趣味投資枠として使用し、つみたて投資枠は家族の資金でみんな大好きオルカンを積み立てる予定です。

日本人皆がオルカンを買い漁っていることに一抹の不安はありますが、ドルコスト平均教を信じてやっていきたいと思います。長生きしないとねー。

まとめ

投資を始めてすぐにリーマンショックを直撃し、その後数年間弱い日経を見てきたのが本当に良くなかったなぁとつくづく実感します。その時の経験からアクセルを踏むことに躊躇うようになりましたし、投資額が少額で企業チェックも身が入らずな状態が続いていました。何事も真剣にやらないと経験にならず上達もしないですしね。

今年も色々ときな臭そうな感じはありますが、僕が社会に出てからきな臭く無かった年は無いし歴史の教科書に残りそうな出来事も起きてきました。それでも僕は相変わらず平凡な会社員をやってるし日本円は紙くずになっておらず、自分の監視銘柄で破綻した会社もないです。世界はいつも不確実だし、それでもなるようになってるのでしょう。

そんなわけでお金と日常のスパイスのため、今後も真面目な投資を心がけていきます。

難しい地合いで投資方針どうするか考える

久々にお金の話。

今年に入ってから世界的にインフレが加速しており、日本以外の国では金融の引き締めが強まっています。

米国は、利上げペースの早さからドルが高まる一方で利上げによる景況感悪化を見越して株が下がる相場が続いています。
景気が良い指標が出ると利上げが意識されて株が下がったり、インフレが加速してるのに通貨の価値が上がっているのがあべこべな感じで気持ち悪いですね。

さてそんな中、入金力が働かない僕の資産運用をどうするかは大いなる悩み事です。

日本株

現在はたばこ、食料、資源のディフェンシブ系で固まってます。円安と資源高もあり含み益が維持できています。配当も悪くないのでホールドでいいかなと思っていますが、円が高くなった時にこれまで下げてなかった分が一気に来る未来が見えていますね。

株式分割で任天堂が買いやすくなったので、ワンチャンあれば持っておきたいですね。日本の中で最も応援したい会社です。

米国株

いまのところVTIを多少持っている程度です。一定額下げるごとにちょこちょこ買っているものの金利上げている間は大きく買いに向かうことは無いでしょう。

将来的にインフレが落ち着いて金利を下げだしたら、噂のレバナスでも買ってみましょうかね。個別株は、あまり応援したい会社は無いし、テック系は良くわからないので手を出すことは無いでしょう。

通貨

余力としては円とドルを持っていて、円の方が気持ち多めです。ドルに全力出来なかった心の弱さ。

金利差があるので多少の為替介入があっても円安ドル高は崩れないだろうと思っています。一方で為替介入が意識されるから今の水準以上に急に円安に振れることも無いかなとも。

そんなわけで介入で下げる場面があれば拾ってスイングで遊ぶ予定です。あくまで、遊びですむ範疇に収めます。スイング下手なので。

指標でのギャンブルは控えめに

米国の雇用統計、CPIやFOMCなど注目の発表がある日は本当に荒れますね。大きく動いていると遊びたくなりますが、そういう相場でポジションを大きくなると精神的に良くないです。派手なギャンブルはほどほどにして、ちょっとずつ弾を投入していこうと思います。

リスク度合いが違うだけで、まぁギャンブルには変わりがないのですがね。

まとめ

揺れに揺れる世界情勢の中でお金をどうしていくかなーとぼんやり考えていたので文字にしてみました。

実のところ昔に比べて投資へのモチベーションが下がってるんですよね。新しい銘柄を探すこともなく決算資料も郵送されてきて初めて見るくらいやる気ないです。
一方でこの不感症のおかげで一時期の激安石油時代を乗り切って高騰している現在まで石油株の握力が保てたところもあります。

あとこの10月から企業型DC加入者もiDeCoに加入できるようになりました。
ここら辺の情勢も加味して、自分と家庭のポートフォリオ見つめていかないとなーと感じる今日この頃です。