読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

防水端末を水回りで積極的に使う気になれない

溢れかえる防水端末

ケータイもタブレットも、その他電子機器についても、防水仕様というのは珍しくなくなってきました。皆さんは防水端末をどのように使っていますでしょうか。風呂場で使ったり、プールサイドや海辺などで使っているという話を耳にしたことがあります。

僕はとてもそういった、水没の危険があるところで端末を使う気にはなれません。三菱自動車のようにメーカー各社の不正を疑っているわけではないですよ。ただ電気回路を有する装置を水という天敵が存在する場所で使用することに感覚的な恐怖を持っているに過ぎません。といっても「なんだコイツ」と言われて終わるだけですので、ちょっと理由を並べてみましょう。

IPXという保護等級は不完全

防水ならIPX8、防滴ならIPX4など目にすることがあるはずです。これらはIEC(国際電気標準会議)によって定められている防水等級を表しています。ちなみに防塵の場合はIP5Xなど、数字がIPの次につきます。

これらの等級は保護の程度を表しています。

保護等級内容
0級 特に保護がされていない
1級 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形)
2級 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形)
3級 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形)
4級 あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)
5級 あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
6級 あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形)
7級 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)
8級 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形)

(引用元: wikipedia)

保護等級を謳うために各社とも上記内容を満たす試験を行い、それをクリアしたものを防水端末とよび、世間に出しています。その具体的な試験はというと、富士通のキッズ向けサイトに内容が書いてあったので、またまた引用してみましょう。

IPX5
   あらゆる方向から水をかけても大丈夫(だいじょうぶ)。
※ 中の太さが6.3㎜のホースを使って、約3メートルの距離(きょり)から、1分あたり12.5リットルの水を最低3分間かける条件(じょうけん)だよ。
IPX7
  波が立たない、常温(じょうおん:ふつうの温度)の水道水の中、深さ1メートルのところに、約30分の間、しずめておいてから取り出しても使えるよ。
IPX8
  同じように波が立たない、常温(じょうおん)の水道水の中、深さ1.5メートルのところに約30分の間、しずめておいても大丈夫(だいじょうぶ)。

 (引用元: Fujitsu公式サイト)

はたしてキッズたちが端末の防水性能に興味を持つのかは謎ですが、水をかけたり、水に沈めたりという試験を行っているそうです。これまでの内容を見て気付いた人もいるかと思うが、IPXの中でも8と4では想定されている使用用途が違います。IPX8で潜水を保証しているからと言って、ホースやシャワーで圧とともに水がかかってもいいのかというと、それは別の話です。IPX8を通っていてもIPX4や5を併記されていることがあるのも、そういった事情からきています。 

そして上記サイトの最後のところにチラッと書かれていますが、温かい風呂(常温ではない)やプール(水道水にはない不純物を含む)などは条件外です。そう、IPX試験はあくまで常温・水道水について保証しているに過ぎません。また、試験環境では端末は操作などによる負荷を受けていない状態で行われています。普段使いのケースはこれらに当てはまりません。

劣化は大丈夫か?

使用していると何物も劣化という現象から逃れることができません。特に高頻度の使用と携帯による日常的なダメージを負うであろうケータイは、特に劣化が早いです。

防水の構造というのは防水両面テープかゴムを干渉させることによるシーリングで行われています。長年の利用によりテープの粘着力低下や、部品や装置自体のソリが大きくなることでゴムの干渉量が減ったりなどはしないでしょうか。僕は通勤時に満員電車に乗っていて、ケータイもタブレットも過圧迫を受けています。落下衝撃こそ与えていないが、筐体は多少変形していたとしても不思議はない。この状態で防水性能、本当に大丈夫でしょうかか?

キャップについて

最近は端子で防水している場合もありますが、防水用のキャップが付けられているものがあります。これらをしっかり閉めるのは僕たちユーザーの責任です。どんなにしっかり防水パッキンの干渉量を計算していても、僕たちがきちんと閉めないと防水性能は担保されません。気にするのはきちんと閉まっているかどうか、だけではないです。パッキンの状態…ゴミなど付着してないでしょうか。例え糸クズでさえ、防水性能を失わせるだけの実力があるのです。

分かったうえで使おう

上記理由により、僕は防水端末の防水性をそこまで信じていません。ウォータースポーツなどに向けた防水ケースなど、あらかじめそういう環境での使用に特化されたようなものはその限りでもないですが汎用品たるタブレットやケータイなどの防水性はやはり信じきれないものがあります。とはいえ、実際に風呂などで防水端末を楽しんでいる人がいる人も事実です。ただ、そういった利用方法はリスクと隣り合わせだということを知っておいた方がいいかと思います。