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松屋が中華参入するので日高屋・王将と投資先視点で比較してみた

松屋が新業態として中華食堂をオープンするそうです。

まずは京王線千歳烏山駅北口の店舗で営業を行うらしく、ここで良い感触が得られれば他の地域にチェーン展開していくんでしょうね。

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今までは中華を食べたいときは日高屋か王将でしたが、今後は松屋も選択肢に食い込んでくるかもしれません。僕は松屋ヘビーユーザーなので楽しみです。

味の方は実際に比較してみないと分からないとして、興が乗ったので各社の業績を見比べてみました。

松屋・王将・日高屋の主要株式指標

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割安感

PERが30倍超の松屋とEV/EBITDAが10倍超の王将・日高屋…どこも高いよ!最近は日経も大きな下落なく伸びてきたとはいえ、手が出しにくい水準ですね、はい。

健全経営

3社に共通しているのが高い自己資本比率です。ハイデイ日高は特に無借金経営レベルですし、他の二社も現金で賄える程度の有利子負債しかないので、実質は無借金といって差し支えないと言えます。財務が健全なら多少の不景気も乗り切れるでしょうし、そもそも3社とも安い外食なので不景気がそこまでマイナスにならないとも考えられます。

利益率

王将と日高屋は利益率も良いですね。ROEは10倍超えで、このあたりの経営効率の良さがPBRやらEV/EBITDAにも現れています、特に日高屋。株価を抜きにして会社の業績だけで比較すると、日高屋が投資先として一番魅力的かもしれません。

この利益率の高さが中華料理の原価の低さからくるのか、中華とセットで頼まれやすいアルコール類からくるのか、はたまた経営の力量からくるのか…経営力から来ているとするなら、松屋の中華参入は苦しいものになるかもしれません。

株主還元

王将は配当利回りが魅力的ですね。配当性向の目標として50%という数値を掲げており、ここ3年は実行に移されています。長期保有するならこの方針はありがたいですね。

日高屋は普通、松屋は物足りない感じです。優待とセットで考えればアリかな、といったところです。

こうして見ると、投資先としての松屋っていいところが少ないような…食事先としては一番良く使うし、ビビン丼好きなんですけどねぇ…。

その他リスク事項

数値には表れませんが、王将はひと昔前に反社との繋がりが取り沙汰されました。あの件、詳細は追っていないのですが会社がきちんとキレイな体になっているかは投資を行う上では気になる所です。PERが他の2社と比べて低めに落ち着いているのも、そのあたりの不透明感があるからなのかもしれません。

松屋・王将・日高屋の直近1年の株価上昇率

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青が松屋、赤が王将、黄色が日高屋です。

直近で、日高屋が伸びています。第1四半期発表で2桁の増益で着地したことが交換されての事です。王将のようにブーム化している様子はありませんが、着実に利益を積み上げていますね。日高屋はどこの店舗も好立地を押さえていて、そういう飲食の肝となるところをシッカリやっている印象です。

松屋も上昇率自体は悪くありませんが、4月以降がぱっとしません。中華への参入が起爆剤になるかどうかは気になる所です。

王将はイマイチですね。小売りセクター全体の騰落率は前年比で16%程度ですので、平均割れしています。業績自体が伸びていないのは一因でしょうが、前述の反社の件もまだ引っかかっているのかもしれません。

(余談)外食セクターの投資はつらいよ

投資先として飲食業(特にチェーン系)は「利益率が低い」「他社との差別化が困難」「新規参入がたくさん」とネガティブな点が多いです。ただ、マーケットが最近不穏ですし、悪天候が続き日照不足で野菜や米の価格高騰も重なって外食セクターが過度に下げる可能性もあるので、チェックしておく事は意外と有意義かも?などと考えています。

(余談2)ユーザー視点で見る3社

松屋

大正義ビビン丼があるので牛丼チェーンで一番好きです。しかしなか卯の親子丼も同じランクにいるので、生活圏になか卯が進出してくるとどうなるか…

日高屋

僕は元々大阪の王将に良く行ってたので、関東に来て日高屋に始めていったときは餃子も大して美味しく無いし、劣化版王将くらいに考えていました。しかし関東では王将より安いので何度も足を運んで行くうちに、日高屋の味で舌が調教され、今では自分から進んで訪れるようになりました。

餃子の王将

王将は餃子の王将と大阪王将の2種類があり、本記事で取り上げている王将フードサービスは餃子の王将を展開している方です。

私感ですが、餃子の王将はラーメンがおいしく、大阪王将は餃子がおいしいです。

大阪にいる頃は頻繁に王将に行っていたのですが、関東に来た時には変にブーム化してファミリーやらカップル客が多く、餃子も関西にいた時より高くなっていて、行きにくくなってしまいました。僕にとっての王将は、阪急電車の高架下にある小汚い店であり、1人静かに楽しむものなのです。

終わりに

投資先としては各社とも高値圏にあると言って良く、今はまだ手を出す気には成りませんね。王将は高配当銘柄として、下がった所で少なめに買う分には悪く無いように思います。また日高屋も、かつては持っていたのですが、下げる事があれば拾いたい銘柄です。(好調なので多少のマーケットのブレには釣られないようにも思いますが)

経営的には松屋より他の2社の方がうまくやれている印象があり、新規参入する松屋は効率化を図って利益率を上げていかないと競争に勝ち残るのは難しい。そんな印象を受けました。

新業態の中華食堂は行ってみたくありますが、千歳烏山駅までわざわざ足を運ぶほどの熱意は無いので、チェーン展開してから僕の生活圏に進出してくるのを待っていようと思います。

こんな記事も書いています。 

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サイゼリヤは200円でデカンタが飲めるいいお店です。 

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外食に投資しないくせに外食の記事ばっかりだな、と自分でも思います。