WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

ウチじゃないと出せないものか?と言われて考える

<まとめ>

・機能を絞るという観点の企画は受け入れられにくい

・コピーの容易さや低コスト開発の困難さがその理由だろう

・個人で趣味的な開発に勤しむ人は尊敬しかない

 

「ウチだからこそ実現できることを考えるんだ」企画とか上流のお話をしている時に度々耳にするフレーズだ。メーカーは独自性が大好きだ。これは僕が働いてきた会社のみではないだろう、電器屋やCMを見ると独自性をアピールする製品は国内外問わず溢れかえっている。そんなわけで既存メーカーでは、既に実現している事については興味の対象となりにくい。

それなりに開発職を続けていくと「機能削って簡素化・安価化したらいけるんじゃないかな」と感じるものが時折思い浮かぶ。そういったものを掬いとって貰えるタイミングが最近あって、ちょいと提案してみたが「ウチでなくてもできる」ということで練り直しとなった。うーん。

 

そう言われる理由も確かに納得できる。僕がすぐ思いつくだけでも2つの面で、既存メーカーが手を出す旨みが無いからだ。

1つは模倣品が作られやすいこと。機能を削り簡素化したものは、既に普及している安価な技術でもって作ることが出来る。ということは容易にコピー出来るわけで、例を挙げるとGoProが最近ビジネス苦労しててドローン出したりして高価格路線に舵を切っているのは、単純な小さいカメラが中華メーカーからたくさん出てきているからだろう。

2つは物量が見えないな薄利多売ビジネスは既存の企業にそぐわないということ。既存の企業は人件費のみならず製造や開発手法、サプライにいたるまでが既存のビジネスに向けて最適化されている。その物量やターゲットから外れたような商売はコストがかさむだろう、利益が出たとしても満足いくレベルには到底届かないことは容易に想像できる。

 

とはいえ「できそうだなー」ということと「自分なら、あったら買うかな」という思いがあるって状態は大変もどかしい。なら作れよって話だけど、僕はソフトはほぼダメ、電気はダメダメというのがネックだ。そして何よりそれに向けて勉強するほどの情熱がない訳で。そういう自分なので、家でコード打ったり電子工作してる人はすげぇなと思う次第だ。