WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

2017年10月のポートフォリオ

ちょいと遅くなりました。今月のポートフォリオ記事です。

最近は日経が絶好調ですね。21,000円超えてくるとは思っていませんでした。今年に入ってから押し目らしい押し目が無くて、ポジションを身軽にしている身としてはむず痒いばかりです。

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(直近3ヶ月の日経平均:Nikkei 225: INDEXNIKKEI:NI225 quotes & news - Google Finance)

ポートフォリオ状況

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変化点は1つ「神戸製鋼の打診買い」です。火中の栗を拾いにいったということです。

神戸製鋼を買った理由

①エンドユーザーに実害が出ていない
②これからもこの件が原因となる障害は起きないだろうという予想
③偽装した数値はさほど大きな値ではないだろうという予想
この3点です。

エンドユーザーに実害が出ていない

今のところデータ改ざんによる実害は出ていないという認識です。神戸製鋼の改ざんをタカタのエアバック欠陥と重ね合わせて「倒産するんじゃないか」と煽る方をSNSで見かけますが、死亡事故まで起きている件と同一視するのはムリクリすぎるんじゃないですかね。

付け加えると、何らか障害が起きた時に材料起因であることの証明は難しいんじゃないかとも考えています。アルミって力が加わると弾性変形(元に戻る変形)と塑性変形(永久変形)が同時に起こるんですよね。なので0.2%永久変形する点を強度の指標とするんですが(0.2%耐力)、この値が多少上下したとして、変形するものは変形するわけで。

これからも実害は出ないだろう

設計に置ける安全率のマージンと製品として検査の存在をかんがえると、今後もデータ改ざんを起因とする障害は発生しないんじゃないかと考えています。詳細は下記の記事。

temcee.hatenablog.com

偽装の値は小さいだろう

アルミ合金は用途によって多くの種類に分かれており、強度(ヤング率とか0.2%耐力とかでしょうか)に極端な違いがあると、設計段階でアルミの素性を調べ上げられます。その設計段階をくぐり抜けて世に出ているものですから、極端にカタログスペックから性能が落ちるものではない、製造上のバラツキで基準からはみ出る程度のもの何じゃないかと考えています。 

まあ、ギャンブルですよね

自分なりに「大丈夫だろ」と思える材料はあります。ただし具体的な詳細を知れる立場でもなく、時間とともに致命的な事柄が飛び出してくる事もあります。そんなわけで、神戸製鋼の買いはギャンブルの域を出ないものとも言えます。

実際の材料がカタログスペックと釣り合ってないんじゃ…と思うコトは設計をやっていると時折出くわします。そういうのを体験している身からすると本件、騒がれ過ぎている印象を受けてます。株価もそれを真に受け過剰に反応し過ぎているのでは?ここからさらに下げて行くようなら、ちょこちょこ買い足して行こうと思っています。

しかし騒がれすぎると変な方向に盛り上がってしまうものです。ここら辺、何故かちょうどいいタイミングで選挙があったりするので、そこまでにどれだけ情報を開示して収集をつけさせ、選挙戦とともにフェードアウトしていけるか。

のるかそるかは分かりませんが、たぶん長期で保有し続けることは無いかなーとも思います。鉄鋼業は事業継続に大型の投資が必要になりますし、中国企業が粗悪な鋼鉄を市場にバラまいて市場全体を停滞させたりと、経済的な堀もそんなに幅が無いのかと思ってます。高機能材料の分野はその限りではないかもですが、高級材が必要になる部分って限られますしね。