WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

奨学金の返済が終わっていた

「断捨離するよ!」

嫁さんの勇ましいかけ声の元、溜まり積もった書類を選別していた所、奨学金返済のお知らせが目に止まった。

そういえばそろそろ返済が終わる頃だなと内容を改めてみると、最終支払月は2017年9月…先月だ。気がつかないうちに、僕は奨学金を全額返済していたのか。

院を出て働き始めて、7年少々の時が流れた。最初の返済時には「これから長い返済生活が始まるゾ」なんて思っていたが、時の流れは早い。元いた会社は売りに出され、転職して子供が生まれ、僕も随分おっさんになった。自分を取り巻く環境は学生の頃の僕が考えていたより随分とハードモードだったものの、滞り無く借りた金を返し切れた事は非常に気持ちいいものだ。

奨学金については反対意見も多い。やれ給付型にしろだとか、卒業とともに借金を背負うだとか、そんな感じの意見だ。給付が欲しいなら実績作りとプレゼン頑張ればいいし、貸与の投資分の回収が見込めないなら、そんな進学をするべきでも無い。

僕は少なくとも奨学金には感謝している。

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院にいくのは想定外

「生活費は自分で何とかして欲しい」と両親に告げられた大学4回生の夜。

最近の理系学生にとって院進はメジャーな選択肢だ。ただし親世代にとっての院進は、一部のごくアカデミックな人の選択肢で、平々凡々たる僕が院進することを両親が考えていなかったのも、仕方が無い事である。

そんなわけで、両親には僕の院進を支えるだけの金銭的な用意は無かった。そんな状況でも、有り難い事に学費分は払ってもらえた。家賃含む生活費は自分でなんとかするしか無い。

貯金100万では乗り切れない

投資のために院進を見越して大学時代に100万程度の蓄えは用意してあった。しかし家賃だけで毎月5万が吹っ飛び、そこに飲み代込みの食費が3万程度はかかってくる。蓄えを切り崩すだけでは修士2年間を戦えない。

バイトはどうだ?僕が所属していた研究室は10-20時がデフォルトの活動時間である真面目な研究室で、毎週輪講があれば報告会もある。勉強するにはうってつけである反面、バイト時間は限られた。バイト収入は食費を賄う程度に留まり、やはりこのままでは2年戦えない。

この詰んだ状況を解決してくれたのが、日本学生支援機構であり、奨学金だ。

奨学金が与えてくれたもの

時間は金で買うことができる。奨学金は僕に時間を与えてくれた。

バイトの時間を減らした代わりに勉強し、研究し、そして学会に発表する時間を得る事が出来た。開発職に進んだ今では機会が無いであろう、研究畑の貴重な経験の数々は、今の僕を形作るのに欠かす事は出来ないだろう。

奨学金が与えてくれた時間は勉学以外にも及ぶ。奨学金で日々の生活を賄えた事で、友人達と旅行する時間を作る事も出来た。国内だったり、海外だったり、友人達と気兼ねなく過ごす旅行は楽しかった。くだらないことで笑い合ったり、ちょっとした物に騒いだり、学生だから…という自由さがあった。

無事に払い終えられて良かった

そんなこんなで、僕は奨学金に感謝している。完済は感謝のしるしだと思っているので、最後まで滞り無く払い終える事が出来てよかった。後に続く人達も、資金面の不安があるならドンドン借りて勉強に遊びにと時間を使い、経験を深めていけば、と思う。

最後に1つ。

奨学金返済が終わる事で、返済に充てていた小遣いの一部がそのまま使える用になるんじゃないかと内心期待していた。しかし、今月から返済額分(1000円以下切り上げ)がきっちり小遣いから指し引かれる事となった、という報告をもって、この記事の〆としたい。