WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

生後2か月のムスコと2人で過ごす休日はハードだった

前日譚

「自由が欲しい」

誕生日に欲しいものはないかと嫁さんに尋ねたところ、この答えが返ってきた。まさかの離婚通告かと焦ったが、なんのことはない、毎日の育児につかれたので一日自由に遊べる日が欲しいとのことだった。

嫁さんはよくやってくれている。ムスコの世話に家事、事務手続き各種に家事、最近では僕の保険の見直しとムスコの貯金の投資先も探してくれている。休んでストレスを発散するような日があってもいいだろう…ということでこの土曜日は僕が一日ムスコの面倒を見ることになった。

 僕のムスコお世話ミッションは下記の5つ。

・おむつ替え
・ミルク投与
・お風呂
・湿疹ケア
・散歩

軽く内容を説明しよう。

おむつ替え

育児の基本中の基本。まだ新生児の域を出ないムスコは頻繁に下半身がスプラトゥーンするので、都度新しいおむつに交換しなければいけない。おむつが汚れていても反応を見せないのが難しいところだが、致すときには思いっきり音と臭いがするので案外わかりやすい。ただし連続で致すことが多々あるので油断は禁物。

ミルク投与

僕は母乳でないので、もちろん粉ミルクをあげなければいけない。ミルクはムスコを問答無用で黙らせることができるが粉ミルクは高カロリーであり、与えすぎは禁物だ。そのため大体三時間のインターバルを要する。ちなみに我が家のミルクは「はぐくみ」。脳の発達に必要とされるアラキドン酸とドコサヘキサエン酸が含まれているらしい。頭よくなってくれ。

 お風呂

ムスコを綺麗にする作業。これまでも土日はムスコを風呂に入れるのは僕の仕事だったが、洗うのは僕で外に出てタオルで拭いたりするのは嫁さんと、分業制でやっていた。単独で全行程を担うのは初めてだ。難易度は段違いに上がる。

湿疹ケア

ムスコは乳幼児湿疹がひどい。僕の親に確認する限り、僕も結構ひどかったようなので、これはしょうがない。乳幼児湿疹やそのケアの詳細は要望があれば述べるが、ざっくりいうと飲み薬と塗り薬だ。どちらも一日三回のケアが必要になるのでなかなかの労働である。

散歩

ムスコを僕のような引きこもりにしないためにも外に慣れさせておく必要がある。家の周辺はあまりめぼしいものは無いけれど、家の中にいるよりは刺激があるだろう。僕自身も、平日は事務所に閉じこもっていて太陽光も外の空気にも程遠い人物であるので、少しは外にでて体を動かしたいという思いはある。

そして当日

「朝イチでズートピア見てくる」

そう言って土曜の早朝に嫁さんは颯爽と新宿に向かっていった。嫁さんの帰宅予定は20時、それまで僕はムスコをパーフェクトケアしなくてはならない。

試練はおむつ替えから始まった。おむつ替え自体はムスコが病院にいるころからやっていて熟練の域に達しているはずだが、緊張が生んだ油断かムスコの成長によるものか、ミスを犯してしまった。おむつを交換しようと開いた瞬間、ムスコの銃口から水が噴水のように噴いた。防水シートを張っていたのでベビーベッドへの影響はなかったがムスコの服と2万円もした僕のズボンがダメージを受けてしまった。反省の朝シャワーとお着換えが発生、出鼻をくじかれた格好だ。

 

スタートに失敗した僕をムスコは容赦なく攻め立てる。

おむつを交換後にはミルクを要求されるが、母乳と違いミルクは作成に少し時間がかかる。そのタイムラグに荒れるムスコ、焦る僕。泣き叫ぶムスコを片手に必死に作ったミルクはどうにか受け入れてもらえたが、飲み薬を与えようとすると迫真の表情で拒否し、最近ある程度動かせるようになった右手で押しのけようとしてくる。ムスコの成長を喜ぶ一方で、こういう時はツライものだ。頑張って押し付けて無理やり口の中にいれて、追撃のミルクで飲み込ませる。かわいそうだが、治療のためだ。

 

ミルクを与えると10分くらいは機嫌がいい状態が続くので、その間に着替えを済ませ自分の食事・洗い物や洗濯といった家事を回す。眠ってくれれば楽になるのだけど、最近は昼夜を認識しはじめたのか、昼間に眠りに落ちることはなくなっている、圧倒的成長。

 

最近は暑くなってきたので散歩は早めに行うことにした。対ムスコのリーサルウェポンである抱っこヒモを装備し、ムスコを装着して外出する。

 理屈はよくわからないが抱っこヒモでの抱っこは気持ちいいらしく、装着して10分も経てばムスコはおとなしくなり眠りに落ちる。そんなわけで眠るムスコを腹に抱えながら1駅分くらい歩いた。起きてないムスコのために散歩することに意義があるのかはわからないが、外気を吸うだけでも違うだろうし、外を優雅に歩くのはのんびりした休日っぽくていい。

 

帰ってきて再度おむつ交換とミルク投与をこなすのだが、ここで消毒済み哺乳瓶のストックが切れる。そんなわけでミルトンを使用、漬けるだけでいいので非常に楽だ。

抱っこヒモでムスコを抱いたまま洗濯ものの出し入れをしたり、昼食を作ったりなどをして午前が終了し、僕とムスコのタイマンは後半戦に突入する。

休日なので少しは自分のことをしたい、来週に備えて投資の資料をみたり本を読んだりしようかと思う僕にムスコはNoを突きつける。抱っこヒモは泣いているムスコを黙らせることができる良装備だが、動いていなければ効力を発揮しない。(両手がフリーになるだけでもありがたいが)僕が座ると泣くし、立ち止まっていても泣くし、寝たと思ってベッドに置いても泣く。この状況下では意識を他に向けることなどできない。しょうがないので頭を使う作業はあきらめ、僕はリビングでウロウロしながら積みアニメを消化する作業に移った。

そうしているうちにお風呂の時間が迫ってきた。嫁さんがいる場合は先に僕が風呂に入り、洗い終わったら後追いでムスコを連れてきてもらうのだが、今回はそういかない。

一人でムスコのお風呂をこなす手順はこうだ。

ムスコを風呂場の前で待機させ、自分を洗い終えたら風呂場の前にいるムスコの服を脱がせて風呂場に入れる。ムスコの全身を洗い湯船に入れ、満足したら外に出し、先にムスコをタオルでふき取りおむつをはかせた上で自分も風呂場から上がる。そしてこれが終わったら湿疹ケアへと移る…

僕は上記の作業を完璧にこなした。僕自身の作業は完璧だった。しかし予想外のことは起こるものだ、具体的には風呂を出るときにムスコのスプラシューターに被弾してしまったのだ。もう一回洗えるドン!キツイ。

苦難は続く。風呂から上がった後は湿疹ケアのため全身をヒルドイドというお薬を塗る作業が待っている。朝と晩の塗り薬は、ひどい箇所だけステロイドなんだけど、風呂後は全身の予防ケアの意味合いが多いんだよね。風呂の間は機嫌がよかったムスコも男に全身を塗り塗りされるのは嫌なのか、嫌悪感を押し出すように泣き叫んでくる。暴れることで作業は難航し、予想外の工数がとられる。そうこうしているうちにミルクの時間となり、再度飲み薬の攻防を繰り広げているうちに嫁さんが帰宅してきた。マジか、もうそんな時間なのか。晩飯はまだできていない。

荒れ狂うムスコは嫁さんの手によってあっさりと鎮静化した。母は、母乳は偉大である。僕は己の無力を嘆きながら、感謝の豚バラ大根を調理、嫁さんの日々の苦労をねぎらいながらディナータイムとしゃれこんだ。気が付けば今日、自分のことほとんどできてないな。

仕事はツライ。しかし育児もまた戦争だ。大変な一日であったが、嫁さんの苦労を知ることができたしムスコの成長を感じ取れることもできた、有意義な休日であった。今後も二人手を取ってムスコを育てていきたい、ということで僕にもフリーデイを…ダメ?