WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

技術派遣という生き方

はじめに

機構設計として働く僕の周りには設計業務を依頼する形でほかの会社から来ている人、いわゆる技術派遣社員が何人かいる。今までいくつかの部署を経験してきたが、どこの部署でも一定数の技術派遣社員がいた。派遣というと貧困の象徴のように扱われることが多いが、僕の知っている範囲だと悲惨な生活を送っている様子は微塵もなかった。技術派遣ならではのメリットもあるので、生き方次第ではその選択肢はアリではないかと考えている。

 

 

技術派遣のメリット・デメリット

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メリット

契約外の業務をやらなくていい

正社員たる僕には開発に関する業務以外にもたくさんの業務がある。特許活動。電話応対。偉い人達の会議準備。飲み会準備。障害品の修理対応(これは保守や品証がやれといいたい)。これらの業務はたいてい技術的な糧にならないし、やってて面白くない仕事である。派遣業は働く期間と内容があらかじめ決められているために、ただ開発に集中していればいい。開発職に就く人は基本的に開発するのが好きだ。じゃないとやってられない。だから僕は、開発に集中できる環境というのが羨ましい。最近はコンプライアンスが叫ばれており、それなりにきちんとした所に派遣されていれば、契約外の業務を行うことはないだろう。もし変な業務を強制されたなら派遣元にチクろう。

責任が軽い

開発佳境で問題が続出している時、大きな障害が起きた時、その責任の重さに倒れそうになった僕は「最終的に自分が全責任とるわけじゃないし、やれる事やるしかないか」と開き直る。下っ端の特権だ。人事を尽せばいい立場と、その上で責任を問われる立場では受けるストレスが段違いだろう。いち担当者たる僕の責任範囲は自分の部品だ、もちろん製品そのものに責任感を持って取り組んではいるが。派遣となると究極的には自分の担当分だけしっかりこなせれば問題ない。僕が製品に対しても責任感を持つようにしているのは、自分の評価を上げるためであり、給料のもとを稼ぐためだ。諭吉のためだ。しかし派遣社員は契約時点で賃金が確保されている。頑張った分は派遣先に評価してもらえるだろうけど、決められた業務の中で業績に与えられるプラス影響はわずかである。契約継続の可否は、は大きな落ち度がない限り派遣先のお財布事情、開発計画次第だ。派遣先は派遣社員に正社員レベルの責任感を期待していないし、してはいけない。僕がかつて配属された地獄のプロジェクトでは、責任ある立場の人が病んでいく中で、派遣の人は「この会社無理ー」と訴え人員交代で凌ぐことにより、最後まで心が死なずに済んでいた。ペナルティはあるかもしれないが、責任が軽いから正社員よりも自由度が高い。これも大きな強みだ。

多くのノウハウを得られる

派遣業は色々な職場を経験する。秘匿技術は持ち出せないが、それぞれの職場のノウハウ、考え方と言ったものを多く知ることができる。こういったものを多く持っている人は重宝されるし、知的好奇心も満たされるだろう。開発職に就く人は多かれ少なかれ技術への学習欲があるし、変化を好む傾向がある。労働力を搾取される引き換えに、色々な知識を吸収して次に移ろう。

 

デメリット

いいことばっかり言うのは不公平だよね。

給料が安い

僕が技術派遣ではなく正社員やってる最大の理由。日本人らしいおくゆかさを持った僕は、直接彼らとお賃金の話をしたことはない。しかし福利厚生や平均年収などを見る限りでは、やはり正社員同等ということはないだろう。住宅ローンを借りる場合でも、苦戦するだろう。自由には犠牲が必要だ。自由を求めた高知のプロブロガーが、お金に固執するように。ただし、安いといっても1人暮らしていくだけなら普通に食べて趣味にお金を使える程度の収入はあるだろう。家計を1人で支えるとなると、つらいか。まぁ、1人で家計を支えるのは正社員でもキツイのがこのご時世なんだけど。

切られやすい

派遣切り、という言葉がある。途中で切られるというよりは契約満期後に打ち切りになる場合を指すのだろうが、正社員より優先して切られるのは仕方が無い。メリットでお話したノウハウ貯めをやっていれば次の機会も早めに巡ってくる。

仕事のレベルが上がらない

派遣業はあくまで外の会社で、お手伝い的な立ち位置。大きな仕事をするには会社の中枢に近づく必要があり、そのためにはやはり派遣業ではなく開発をしている会社そのものに入らなければならない。そして、技術力だけでなく交渉力、発信力など多様な能力を発揮し、責任とリスクをとって実績をあげていかねばならない。書いていて思ったが、僕自身そんなことはできてないし、だから僕は一般社員のままなんだなと凹んできた。つまり、仕事でしんどい思いをしないと仕事のレベルは上がらない。

 

どういう人に適しているのか

以上、僕が思うメリットデメリットをつらつらあげてきた。最終的には「独身貴族を満喫したい」と「パートナーが稼いでてお金に困らない人」だ。働く場所や、時間の都合が正社員より取りやすいので趣味や育児など、私生活を最優先にしたい場合にはいい選択なんじゃないかと思う。ちなみに小さい子供がいる場合は収入が低い方が優先的に認定保育園に入れるので、時短正社員とどっちがいいかもうこれわかんねぇな。