WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

興味が無いんだ、営業は勘弁してくれ

最近、頻繁にかかってくる某社からの営業電話に悩まされている。理由をつけて断っても、何かと様子を伺ってくる。マンション営業など、業務と関係の無い電話なら断るのは簡単だ。だが今悩まされているのは新規素材やソリューションの営業電話、業務絡みだ。真面目に対応しないといけない分、タチが悪い。

始まりは僕の前々任のAまで遡る。

Aが展示会で興味を持ち、詳細を聞くために弊社にコンタクトを取ったのが件の某社だ。対面で紹介させてくれ、とのことでトントン拍子にミーティングが決まった。僕はAと同じプロジェクトに所属しており、このミーティングに同席することになった……これが僕と某社とのファーストコンタクトである。

某社の営業は饒舌だった。これは褒め言葉ではない。

最初に資料を見せながら会社や商品紹介…ここまでは良かった。一通りの説明を受けて、Aも僕も聞きたい事があった。質問しよう、とするも某社の営業は止まらない。聞いてもいない、大企業の商品導入事例を語り、導入秘話を語り、なおも止まらない。たまらずAが強引に割って質問するも、見当違いの話が始まるだけだった。「一度社内で検討します」堪らず、僕達はミーティングを打ち切った。その後、メールベースでスペックについてのやり取りをしているうちに、Aが異動になった。

Aの後はBが引き継いだ。ネクストジェネレーション。担当がBに代わってからも某社とは何度かやり取りを交わしていた。しかし、こちらの欲しい情報をなかなか出してもらえない。曰く、社内機密。おかしい、ほかの会社ではHPに載せてたりもするのに…。「たぶん大した事ないスペックなんだよ、切ろう」そんな話が出てきた頃に、スペックを出すからと面談の申し込みが入った。Bはしぶしぶ了承した。「Aと一緒にやり取りしてたよね?」ということで、僕も同席を迫られた。

前回のミーティングと違い、今回は某社の営業に上司も付いてきた。プレッシャーをかけるつもりだったのだろうか。某社の営業は相変わらずのマシンガントークを披露する。上司は神妙な顔で頷く。僕らサイドはくたびれる。1つ、前回から進歩があった。具体的なスペックシートを手に入れることが出来たのだ。「一度社内で検討します。」前回と同じセリフでミーティングは終わりを告げた。Bから異動の話を聞いたのは、その1週間後だった。

そうして僕のターンが回ってきた。現行品とスペックにコスト、技術的ハードルを比べた。結論としては不採用、多大なデメリットに対し得られるメリットが少なすぎる。イーシャンテンのピンフ手で親のリーチに赤牌を切るようなものだ。

僕は採用に至らない理由を懇切丁寧に説明した。またのご機会を…とは社交辞令で、本心では話を聞かない営業に嫌気がさしていた。これで最後だ、との思いを込めて伝えたのだけど…そう、彼は話を聞かないのだ。

そして冒頭の電話ラッシュへと至る。「画期的」「独自」様々な売り文句で攻めてくるも、それらは僕にとって、会社にとって興味のある内容ではない。マンション営業なら個人の上に訴えることが出来るだろうが、法人には血も涙もない合理的で想像上のものなのだ。

この営業はいつまで続くのだろう?何が彼をここまで駆り立てるのか?やっぱノルマとかあるのかなーと思いを馳せ、営業ってやっぱ無理だなと再確認しながら、僕は電話口でお祈りを申し上げ続ける。