WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

久々に訪れた府中は僕の知る街ではなくなっていた

府中……前職の社員寮があり、上京したばかりの僕が1年ほど過ごした街だ。

今はもう府中市民どころか東京都民ですらない僕だが、先日ポスティングされていたマンション販促のチラシが僕に眠る府中の記憶を呼び覚ました。そのマンションが指していた土地は、間違いない、かつて僕が住んでいた寮が存在していた場所だった。

そうだ、府中へ行こう。休日嫁さんに提案してみた。ノスタルジーが理由の半分ではあるけど、ムスコがいる今だと人が多い都心より中途半端に発展した府中の方が外出に向いているのもある。嫁さんも近場は退屈、都心は窮屈ということで府中行きに快諾してくれた。ちなみに件のマンションには行ってない。今の職場からすると府中は遠すぎるし、あの土地の不便さは1年の生活で実感している。家賃上昇を天秤にかけてもかつての僕が1年で飛び出した場所だ。今更興味は無い。それに、駅から歩くと遠いんだよなぁ……。

 

南武線を立川方面へ走り府中本町駅に着く。駅前にそびえるのはラウンドワン…あれ、ヨーカドーじゃ無かったっけ。まぁいいか。ラウンドワンを通り過ぎ京王府中方面に向かうと大國魂神社につく。酉の市と七五三ということでそこそこに賑わっていた。僕ら家族も、ムスコが無事に7ヶ月を迎えた記念にお参りをして記念撮影(何のか記念か気にしてはいけない)を済ませた。酉の市で屋台が出ていたので、せっかくだからと焼きそばを買って通路脇に腰を下ろしランチタイムとシャレ込む。久々の府中に気を良くしてしまったのか、僕は昔語りに夢中になってしまった。新宿への回数券を購入していたチケットショップ、読書のお供のコーヒーのために通ったマック、安くてガッツリなランチを提供する居酒屋…そんなことを話す僕があまりに楽しそうだったのか、嫁さんが「私も行ってみたいな」と言ってくれた。さらに気を良くした僕は、家族を連れかつて愛した京王線府中駅に向かうことにした。

 

京王線府中駅の周辺は、少し離れた場所にある伊勢丹やフォーリスなど大型百貨店とは対照的に、小規模な店が雑多に建っていた…かつては。

 

駅前に向かった僕ら家族が目にしたのは建設中の巨大な建造物、その立地はかつて僕が愛した店があった場所だ。何にもない、何にもないよ……。工事の仕切りにチラシが置いてあった。建造物の名は「プラウド府中ステーションアリーナ」堂々施工しているそのマンションは全戸完売しており、その価格は高いところだと億にすら届いたそうな。完売してるんならチラシを置くんじゃあないよ。

 

馴染みだった店が、というか区域が丸ごとなくなっているのはもちろん悲しいが、それ以上に府中で億に届いてしまうという現状のバブリーな不動産環境に驚いた。

うーん府中、新宿までは確かにアクセス良いし駅に直接接続しているプラウドの建ち方は確かにすごいけど、そこまでの土地なのかね。武蔵小杉も同じくらいの値段のタワマン建ってるけど、あそこは渋谷・新宿・池袋・東京に一本で行けるし、オマケに川崎・横浜も近い。商業施設もガンガン建ってて、正直いって利便性の面で圧倒的に差があると思うんだけどなぁ。

まぁ、何にせよ府中は僕の知る街ではなくなってしまった。中途半端に発展してて人もほどほど、施設もほどほどで快適だったその街は再開発によりよりラグジュアリーでハイソサエティな街になろうとしているのかもしれない。いち庶民としては残念である。あー、マンション欲しいなぁ。