WICの中から

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30過ぎての誕生日なんて

かつて僕が子供だった頃、誕生日は喜ばしいものだった。家族や友人にお祝いされ、美味しいパーティ料理に年に数えるほどしか登場しないケーキ、そしてプレゼント…幸せに満ち溢れた日だった。そこには、少年期の成長の早さもあって、1つ大人になり成長したのだという明るさがあった。

 

やがて僕は成長し遠い大学に通うために地元を、家を離れた。10代から20代になるに従い、大人の階段を登る成長の日だった誕生日はオッサンへと近付き老化を感じさせる日へと少しずつ意味合いを変えていった。祝の席もそれに合わせて変化していく、誕生日パーティから誕生日飲みへと。ファンタはビールにケーキは〆のラーメンへと変化していった。それはそれで楽しい日々ではあったけれど、かつての華やかな祝いからは離れたもののように思う。

 

社会人になった。ありがたい事に友人に恵まれ、誕生日のお祝いは続いた。飲んで麻雀して思いっきり遊んで……歳を重ねる事に30が近付いて……そして浪人留年経歴のある者から1人、また1人……20代を卒業していった。

30が最後の祝いだ、そこから先は無い。それが僕達の取り決めだ。そして僕も終わりの歳を迎えた。

最後の生誕祭は豪勢だった。みんなに貰ったネスプレッソは今も現役で、毎日使うほど気に入っている、ありがとう。そして老化していくだけのこの先、誕生日が真にめでたいと思う日は来ないだろうとの実感を覚えた。

 

時は流れ、また僕の誕生日がやって来た。今日の予定は打ち合わせ、試作納期、カイギ。僕はそれらをそつなくこなし、帰宅した。なんてことない平日……のはずだった。

家に帰った僕は嫁さんとムスコに出迎えられた。普段なら寝てるか入眠寸前のムスコはメッセージカードを持っていた。
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これが何を示すのか0歳のムスコには分からないだろう。実際、僕が見るなり、すぐにクシャクシャにして遊んじゃってたし。

 

だけどまぁ。

年を重ねるのも悪くないかな。