WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

管理職は人間なのか…

「僕はマネージメントに興味がありません。」新卒・転職時とも面接時に僕はこのようなセリフを吐いた。嫁さんからは「精神的に向上心の無いものは馬鹿だ」と言われたが、僕の本心なのでしょうがない。理由の半分は本当にマネージメント業に興味が全くわかないから(技術職バンザイ)、そしてもう半分は僕にマネージャーを務めあげるほどの能力がないと判断したからだ。

これまで僕は何人もの上司の元について来た。個性はいろいろ、部下の扱いもバラバラで的確に急所を抉ってくるような人から承認印フリーなお方までバラエティに富んでいた。しかしただ一つ共通点が見つけられた。それは頭の良さやコミュニケーション能力なんて上辺のものではない、単純な生命力の強さだ。

僕が働き始めて違和感を覚えたのはいつだったろうか。新人の残業が解禁されたあたりだったか。その時僕はそれなりに炎上しているプロジェクトにいて、毎日が第二定時帰り(22時あたり)、終電になることもそこそこあった。僕は着信したメールはその日のうちに目を通す人なので帰宅前の僕のメーラーは全てが既読だ。しかしそんな僕のメーラーも翌朝になると新着がどっさり溜まっていた。メールのやり取りが僕の帰宅後になされていたという訳だ。やり取りの主役は全て管理職である。早朝3時まで電子上で激戦を行った彼らは、当然のように僕より早く出社している。身なりも整った状態で。どういうことだ。

あの人だけが特殊なのかと考えていたが、その後に続く上司も同じような芸当をやってのけていた。いつ寝ているのか、なぜ体力が持つのか、どうして僕の急所を見抜いて抉ってくるのか…疑問は深まるばかりだった。今の上司などは上記に加えて機械応答のごとく超速でメールや承認その他のリアクションが返ってくる。上司は実は複数人でローテを組んでいるのか、上司の人格をコピーした人工知能が働いているんじゃないか…。

もちろんそんなことは無い。そういった人間離れした働き方ができるのは人間離れした生命力があるからだ。知識は勉強して追いつくことが出来る、ストーリー立てて自分の思惑通りに事を進めていくのもある程度慣れればそれなりにサマになるとは思う。しかしオールタイム戦闘態勢で24時間戦い抜くあの体力は到底真似できるものではない。あれには先天的な何かがあるとしか思えない。米国の著名投資家、ウォーレン・バフェットがコークとハンバーガーを食べ続けていてもピンピンしているように、強い遺伝子を持っているのだろう。

僕は管理職にならない、いや…なれない。自分でも納得しているのでそれはいい。僕に人外じみた生命力はなく、彼らのように戦い続けることは出来ない。のだけれど、時に自分基準で人の能力を判断する管理職が存在する。それは無茶振りか期待の裏返しか…胸中をうかがい知ることは出来ないが…。皆さんの上司はいかがかな?