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適当な事をそれっぽく語るスキルの重要性

若手の子がスケジュールの管理やら仕事の進め方で詰められてキツそういしてました。

 

その子が立てた業務計画は几帳面なもので、課題をキレイに細分化して作業レベルまで落とし込み、日ごとに行うべきタスクとして配置出来ていました。

問題はただ一点、計画通りの進捗が出ていない事です。その原因はスケジュール作成含めて全ての仕事をきちんとやり過ぎていることにあります。自分の作業スピードの見積もりを細かく気にし過ぎだし、1日レベルでやる事を縛り過ぎて窮屈かつストレスフルな計画になってしまってたり、端から見ていて気になる事のバーゲンセールです。

 

開発者の仕事は開発をする事に尽きます。CADをクルクルした回数と、製造現場の人と交わした言葉の数だけ製品は良くなるのです。エクセルやパワポを叩く業務はざっくり仕上げて開発に注力することが、開発者のバリューを最大限に発揮する方法でしょう。

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で、その時に重要なのが表題の「適当な事をそれっぽく語るスキル」です。細かい事を詰めていたらいつまでも仕事は進みません。特に将来の予定だとか3Dデータしか無い設計物だとかは、具体的なものが無くてフワフワしがちなので、勇気をもって適当なものに屁理屈を添えて切り抜けるべきです。そうでないと無限に工数を吸われてしまいます。

 

上司に業務計画を説明する場面を例にとってみましょう。

絶対的な業務の課題に対して、まず課題解決に必要そうな作業を羅列します。それっぽければOKです。抜けや誤りを恐れず、短時間で書き出しましょう。

次に神様たる全体スケジュールとミートするように作業の工数を設定します。工数設定の根拠となるデータっぽいものがあれば出所不明でも頼りになります。自分の正味の作業スピードは棚に上げておきましょう。

最後、スケジュールに行う作業を適当に埋め込み、重要イベントの日ごとに「ここまで完成!」みたいな文言を目立つように配置して、資料は完成です。大丈夫、細かいところまで確認される事は稀です。「順調」とか「完成」という単語が見えるとみんな安心します。

資料を作ったら次は報告ですね。

報告を行う際には虚勢、大事です。言い切り力とでも言えば良いでしょうか。自信ある態度は「それっぽさ」を出す上で重要です。

反論には対案を求めましょう。データがあっても自信があっても、意見を言う人は言います。対案を求めて有効なアイディアや対応策がでてくればよし、相手が言葉に詰まれば「真面目に練っており妥当性がある」感じが生まれます。

 

例が長くなりましたね。

「適当な事をそれっぽく語るスキル」、きっぱりと物事を言い切ること、その態度や姿勢が効いてきます。そこに資料や意見の一貫性、ストーリー的な物があれば効果は抜群です。話を聞いている時に瞬時に頭を回せる人は稀です。自信満々でストーリーを語れば、大概の人はスッと腹落ちするものです。

 

物事をキチッと進めること、それ自体はとても良い事です。僕も見習いたいくらいに。

ただし自分の本分は何か、それを考えた時に、意外とその時間が変な作業に食われていることに気がつくものです。雑用的な業務までキチンとやっていたのでは時間がいくらあっても足りません。それをふまえて、本質的でない業務は勇気を出してパパッと適当で切り上げていくべきです。

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