岡山県倉敷市児島地域、そこに僕の実家はある。児島は繊維の街として一部では有名だ。ジーンズの街、といえばピンとくる人もいるんじゃないだろうか。ジーンズストリートとか、街を盛り上げるために頑張っている。素晴らしいことだ。
そんな児島駅周辺から遠く離れた児島地域の端に下津井という地区がある。岡山の最南端、瀬戸内海に面した港町だ。県内有数の漁港ではあるが、今では若者が流出し続け労働力や活力の不足に悩む典型的な地方の町といえるだろう。はっきり言えば、田舎だ。
バスの時刻表が田舎の証明。
「ムスコに海と瀬戸大橋を見せよう」
せっかくのα6000を使う口実としてムスコをダシに取ってしまった感はあるが、家族で軽くお散歩する機会を得た。お写真のチャンスだったが、天候があいにく曇りだったのが残念である。
小さい頃は瀬戸大橋についてただの橋としか思っていなかったが、成長して多くを学び体験していく中でその評価が「偉大な建造物」にかわりつつある。
・着工から完成まで約10年もの歳月を要した
・世界最長の鉄道道路併用橋である
・総事業費が1兆をゆうに超える
なんとも規模の大きな話ではないか。というか、島と島を橋で繋ぐという発想そのものが中々ぶっ飛んだ発想だ。新幹線も通せる前提で設計されているあたり、いかに当時の企画者たちや、その時代がイケイケであったかをうかがい知ることができる。
この規模感は数字だけでは計り知れない。重厚な鉄の塊や打ち込まれている無数のボルト、文字を見るよりもそういった現物を見る方が直観的に瀬戸大橋を理解できるし、その魅力を知ることができるだろう。大切なのは現地で得られる経験だ。そういった意味では僕の写真も力不足ということなんだけど。
はるか遠くに見えるは香川の坂出。ちなみに巨額の建造費はいまだまったく回収できていないので、是非とも時間のある人は瀬戸大橋を見るだけでなく車で、電車で渡ってほしい。それにしても天気が微妙だ。Where is 蒼穹?
遠く離れていく間に空も晴れてきた、が夕暮れも近い。
夕暮れの海岸を歩く、寂しい感じがするのは季節がらか人が少ないからか。
船のドック、住んでいた当時は珍しいものではなかったけれど、内地で過ごす時間が多かったからか魅力的に映る。
江戸時代から大正あたりまで、反映していた当時を伺い知れる資料館だ。経営元が県からNPO法人に変わったとかで最近は露出の機会が増えてきたとか。
蒼穹チャレンジ
澄み渡る空と瀬戸大橋を撮りたい。その思いは悪天候に打ち砕かれたが、翌日は晴れた。ムスコと嫁さんが寝ている隙に僕は2回目のトライをしかけた。
祇園神社からは瀬戸内海と瀬戸大橋を一望することができる。右の砲弾は陸奥・長門級戦艦で使われていたものらしい。神社やこの土地とどういう関連があるのかは良く知らない。
神社への道は急な階段だ。バリアフリーという概念はない。
それにしてもいい天気だ。
眩しい。しかしこれこそ求めていたものだ。
瀬戸内海に浮かぶ島々まで良く見える。
人がいないのは早朝だからだろう。
人はいなくとも猫はいるのだ。余談だがこの地域は野良猫だけでなく野良犬も多い。人を襲ったという話は聞かないが、あまり上品でない犬が数匹でたまっていたりするので、あまり近づかない方がいい。
空が明るいと海岸の風景も全く違う表情を見せる。もの寂しさは消え、さわやかだ。
空がきれいだと港も活気があるように見える。
年末にのんびり釣りというのもいいものだなぁ。