WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

ぼちぼち設計検討と他部署折衝の一線から退かなければならない

今年に入ってから仕事のレイヤーが上がっています。とはいえ我がプロジェクトは米国も真っ青の人手不足なので、管理・調整の仕事をしつつ設計検討や他部署との折衝を平行してやっていました。立場的にはマネージャではないのですが、働き方はプレイングマネージャになってました。

いまの決断をした際に管理職向けのビジネス本を何冊か読みました。そこではプレイングマネージャをやるべきではない旨が理由を添えて語られていました。レイヤーが変わると担う任務も変わります。管理と現場の毛色が違う2つの仕事を並列していると必ず疲弊し、成果が出なくなる、と。なるほど、確かに僕は疲弊し擦り切れ、ブログの更新も週一になりました。

また、設計開発の部署ならではの問題にも突き当たりつつあります。

情報が自分に一極集中する

製品開発するうえで電気系や、種々の専門モジュールと衝突するのがメカ設計というものです。ガチ設計をしていると、そうした他部署との折衝に出張りたくなります。自分で検討して自分でやり合うのが効率的ですしね。

で、その効率的なやり方をしているとどうなるか。

結論として最新情報が僕に直に来るようになります。本来情報を持っているべき、設計担当を飛ばしてしまうんですよね。そして僕から担当者へ情報伝達が発生する。

1案件くらいなら何とでもなるのですが、複数の部署から僕に情報が一極集中すると、これは詰んでしまうわけです。情報を伝えるだけに多くの工数が割かれて、何も進まなくなってしまうんですよね。

担当のスキル成長機会と自信を摘んでしまう

メカの仕事って3DCAD見れば進み具合が想像できるものです。製造できる形になっているか?組み立て順は考慮されてるか?位置が決まっているか?などなど。

検討することが多くガンガンに形状を作らないといけない状態だと、時に進捗が歯がゆく感じることもあります。そんな時はそっと足りない部品を書き足したり、形状を作っておいたりしていました。

が、それをやってしまうと「なぜその形に行き着いたのか」の経緯が担当に蓄積せず、後に見当違いな変更を入れてしまったりするわけです。コミュニケーションの不足も要因なのですが、設計検討を微に入り細に入り伝えるのはまた時間がかかるわけです。

どれだけ僕が頑張って検討していてもいつかはそれぞれの部品担当が詳細設計し、モデリングし、製造されたものを見ていくようになります。それらを問題なく行うためには担当自身が成長する必要があります。

また設計担当には「この部品のことなら自分が世界一詳しい」と言い張るだけの自身も必要です。そうでないとDRで立場が上の人に詰められたとき、折れてしまいます。

自分で検討して作ったものなら何を言われても強く言い返せます。生半可ないっちょ噛みに負けることはありません。
時に、間違っていることもあるでしょう。ただ懸命に検討したうえでの間違いであるなら、指摘された時も素直に吸収しきれるものです。その経験はまたスキルとなって自分を押し上げてくれます。

まとめ

手を動かしつつ「良くないよなー良くないよー」と思っていたことを書き連ねました。

それなりの覚悟をもって仕事のレイヤーを上げたのですが、僕自身は閉じた世界で検討を重ねることに喜びを見出す人間で、CADをクルクルしてるのは楽しいんですよね。検討することが無数にあり、人手が常に不足していると言い訳も経ってしまいます。が、そんな気持ち良い場所に居続けるのは良くないですね。

人に任せるのは不安だし、進捗の管理も面倒なことこの上ないです。それでも、そんな自分を乗り越えて現場の一線から退くタイミングなのかなと。

人手が足りないなら、足りない工数を算出してボスに掛け合う。手が空いてそうな人を見つけて交渉する、引っ張ってきてもらう。それが今の僕がやるべきことでしょう。