WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

低金利と価格高騰…首都圏マンションの買い時はいつ?

友人がまた1人、マンションを買うみたいです。

「もうソコが終の棲家かな…」そう言った彼を見ていると、独身時代に周りが1人…また1人と結婚していった時に憶えた感情が芽生えます。せめぎ合う「買うべき理由」と「買えない理由」。まだ僕は、踏ん切りがつきません。

マンションを買うべき理由

空前絶後の低金利

いまは金利が低いです。SMBCに同行の長期金利型の金利推移データがあったのでグラフにしてみました。

(データ元:住宅ローン 金利水準推移 : 三井住友銀行)

人件費が高いメガバンクなので金利自体は地銀やネット銀行に比べて高いです。あくまで推移だけに注目してみてください。10年で大きく金利が下がっている事が理解できたかと思います。住宅ローン控除を利用すればマイナス金利になるというお話も耳にします。これは日銀が2%のインフラ率を達成するために行った金融緩和とマイナス金利導入のおかげです。インフラ率の方は目標達成が難しい状況ではありますが緩和はいつまでも続けるべきものではなく、いつか緩和の出口戦略に移る時が来るでしょう。巨額の借入が必要なマンション購入、金利の低いうちに買うべきというのは自然な発想かと思います。

家賃は何も残さない

賃貸に払うお金はなんの資産も残しません。ただ消えゆくのみです。関東だと2年に1度は更新料という名目で追加の費用がかかります。

賃貸のいいところは状況に応じて柔軟に住む場所を変えられるところですが、その自由度はいわば保険で、持ち家と同等の条件だと割高になってしまうことも考えものです。住宅ローンに支払う金利も消えてしまう費用ではありますが、団体信用生命保険に入っていれば生命保険として機能してくれます。

マンションを買うべきではない理由

価格が高騰しており需要は減少気味

各所で言われていますが、今はマンションが高いです。とくに交通の便が良い所や再開発されている所などは買ったときよりも高い価格で売れる所はザラです。実際どの程度なものかという坪単価の推移を見てみましょう。

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(引用元:不動産市場の動向:供給と価格の動きから読み取る2016年マンション市場の見通し|不動産購入・不動産売却なら三井住友トラスト不動産

東京はもちろんですが、我々の神奈川県も2011年あたりから上昇傾向です。特に2013年からの伸びは強く、東京は30万、神奈川などは50万も伸びてますね。黒田総裁の金融緩和で不動産投資が活発になったと聞いていましたが、マンションが欲しい僕からすると余計な事をしてくれたな!といったところでしょうか。

神奈川の急伸については東京からあふれた人達が川崎や横浜など首都圏にアクセスのいい土地に流れてきているのでしょう。千葉やさいたまより都心に近いですし、街自体も発展してますからね。そんな状況なので、東京の23区外や神奈川の川崎のちょっと田舎の方に行っても「ん?!」という高値でマンションが売られていたりします。昨年見に行ったプラウドシティ南山もそんなマンションの一つでした。

temcee.hatenablog.com

 それに加え、マンションが徐々に売れなくなってきています。

マンション契約率

このグラフをパッと見た印象だと、言われているほどは急激に売れなくなっている感じはしないですね。しかし2016年に入ってからは70%前後で推移しており、以前と比べて少しずつ売れなくなってきているのかな、と思わされます。少し前まではお金持ちの節税対策にタワーマンションが人気でしたが、そこの対策をされたり、そもそも節税需要が大体満たされてしまったのが原因の一つとしてはあるでしょう。投資目的としても、高値から更に上を求められるほど日本の未来は明るくは無いです。

日本の人口は これから減少していく一方ですし、都内にも場所によっては空き家が増えているとも聞きます。住みやすく交通の便がいいところ、再開発が行われる場所はこれからも価格が落ちないかも知れませんが、全体の需要が減る中で自分が住む場所は大丈夫だと、どうして信じることが出来るでしょうか?

勤務地が定まらない

僕は開発職ですが関東内で転勤の可能性があります。嫁さんも今は育児休暇を頂いてますが、順当に行けば復帰しますし、それなりの頻度で転勤があります。そこに子供の保育園の話なども合わさると「どこに買うか?」 を決めるのが非常に困難です。共働きが一般的になってきているので、同じような理由で悩む家庭が今後増えるでしょう。お互いの勤務地が近ければいいんでしょうが、離れているとお互いの通勤時間とか乗り換え、混雑率を考えて街を選ぶことになり、その夫婦間交渉は難航を極めます。我が家も現在進行形で会話を進めている所ですが、折り合いのつく場所は未だ見つかっていません。

転売前提か終の棲家にするか

マンション購入のスタンスはこのどちらかであり、前者なら お金と土地にこだわらないといけません。そういう意味では、今はあまり買うタイミングだとは思えません。世界的に政治が不安定な状況ですから、それが経済に波及して不動産の価格もドスンと落ちるタイミングがあるんじゃないかなと思います。住む場所と割り切る後者ですと…正直言ってお金ではなく出会い。ここに住みたいと思える街や土地、マンションを見つけることにこそ意義があり、それが見つかった時点で買っちゃうのがいいんでしょうね。一目見て気に入った服をセール時期まで粘り、結局品切れで買えなかった…なんて経験、ありませんか?住み続ける前提なら、価格の下落も固定資産税が安くなって逆に良いかもしれません。

金に支配されるな

欲しいと思ったときが買い時、今の僕には購入に踏み切るだけのマンションとの出会いが無い。そういう事にしておきましょう。結局の所お金は手段です。手段だけに振り回されず自分がどういう生活を送りたいかって事を第一に考えて、そこに見合った土地や価格を探すべきでしょう。下手に投資色を出すと素敵な出会いを見逃してしまうかもしれません。

自宅について話をする人の顔は本当に楽しそうです、幸せそうです。うーん、いいなぁ。早く僕も「ここだ!」って言うマンションと出会いたいものです。

temcee.hatenablog.com

一年くらい前に読んだ本です。

高額だからこそ環境や周囲の声ではなく自分の意思で買いたいですね。

持ち家漫画です。僕のマンションへの想いと同じ位に家を愛する人の話です。