WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

今週のポートフォリオと振動の専門家【7760】IMVを購入した理由

 <まとめ>

・IN:【7760】IMV / OUT:【6645】オムロン

・(株式限定で)プラ転

・IMVは振動試験機で国内トップシェアの会社。

 ポジティブ:高ROE、国内トップシェア、市場の参入障壁が高そう、割安そう

 ネガティブ :国内比率高い、板が薄い(値動き荒い)、海外事業の行く末

f:id:temcee:20161029081255j:plain

さらばオムロン

先日の2Q決算を見てどうしようか迷っていたが、翌日大幅に上げていたのでサヨナラを決めた。正直なところそこまで上げるほどの決算だったのかなと思わなくもないけど、株ってわからないものだなと。悪材料出し切ってすっきりしたってことなんですかね。あとはIMVを購入。板がスカスカだったので購入してすぐに大幅下落、ツライ。この会社については後述する。

他の銘柄についてはおおむね順調に推移している。おかげ様で久々に(株式だけ見ると)プラ転と相成った、嬉しい。味の素も戻ってきたし、第一カッターがいい感じに伸びてくれている。正直なところもうちょっと買っておけばと後悔しているが、普段東証1部ばっかり物色してたからJQ銘柄はちょっと怖くて…ね。決算で乱高下する環境はなかなか怖いんだけど、僕が保有してるところは無事に乗り切ってくれるといいな。

【7760】IMVについて

事業内容

振動試験装置の販売や、振動試験の受託、地震監視装置など、振動に特化した会社だ。振動試験機では国内トップシェアで、四季報曰く世界トップ級とのこと。国内の売り上げ比率が高いけれど最近は海外売上比率を上げることを意識しているらしく、年々海外売上比率が上がっている。(利益としてはどうなのかは不明…)その一環か、米国に販売とメンテナンスのため現地法人を立ち上げている。

僕が思う事業の強み

振動という、割とニッチな分野に強みを持っている会社だね。僕自身が電子機器の開発を本業としていて、メーカーは別ではあるけど振動試験機にはお世話になっており、その必要性は強く理解している。IMVの振動試験機の特徴としては多軸式であること。僕がこれまで使ってきた試験機はすべて単軸式のもので、それぞれの方向の振動を見るためには評価する装置をそれぞれの方向にセットしなおす必要があり、そのセット作業に人の手が必要となるので全自動でかけっぱなしという使い方ができなかった。その点、多軸式だと再セット分の工数が必要なく、一度設定すればあとは試験終了まで放置でよく、工数節約に通じるだろう。そしてそれ以上に重要なのは、現実の使用環境における振動は単軸ではなく多軸の複合振動だということだ。振動試験は現実のユースケースでの評価が難しいものについてできるだけ現実に近い振動をシミュレーションするためのものであり、同時に多軸を制御できる試験機は有用だ。これからはいろんなものにセンサーや電子部品を埋め込んでIoTだロボットだという時代になるそうなので、あらゆる使用環境を再現するための試験機は今後も需要があるものだと思う。

業績について

売上高推移

f:id:temcee:20161029113158p:plain

経常利益推移

f:id:temcee:20161029113214p:plain

(引用元:財務・業績ハイライト - IR資料室 - IMV株式会社)

会社のIRページにハイライトがあったので引用させてもらう。売上高、経常利益とも直近は右肩上がりで伸びている。ビジネスのコアは振動試験機の販売で、その需要が高い自動車関連業界がしばらく好調だったことが効いているようだ。利益面では連結が単体に劣っているのが気になるところ。海外子会社の黒字化に苦戦している感じなのかな。

去年の決算ベースでお話を進めよう。ROEは21.8%と素晴らしく高い、そして自己資本は41.3%とそこまで低い値でもない。投資意欲も高いようで前述の海外子会社の設立や、国内に試験受託用の試験センター増強したりと積極的に動いている様子だ。投資のため財務キャッシュフローの長期借入れ収入が大きいけれど、利益の額で賄えるレベルだし自己資本比率も低くないので、その点はあまり心配していない。新規事業の発掘と海外進出を課題として設定しているので、借入を行ってそこに投資していくというのは個人的には好感だ。

今年の業績は9月期本決算は近いうちに発表となるけど、予想では売上高が前年比+3.6%の95億円、営業利益が△12.9%の12億円、これは今期から稼働する試験センターの減価償却と人件費がかさんでいるとのこと。蓋を開けてみるまで分からない決算だけど、2Qまでは計画より少し上くらいにのっていたのでそこまで悪い数字は出てこないかなと思っている。3Q単体は赤字だったけど営業益は伸びてて、為替損が大きかったし。

株価について

 今期予想だとEPS48.85円、今の株価304円だとPER6.2倍。十分に割安な水準かなといった印象。会社計画通りとはいえ、減価償却に押されて利益が圧迫されているのが株価が低空飛行している要因なのかな。配当性向は低めで13.7%、投資を加速させている中なので仕方ないかなと思う一方、コアのビジネスは成熟しているのでもうちょっと還元してくれても…というのが素直な感想かな。

決算がどうなるか怖かったのと、板が薄くて複数単元買うと高くなりそうだったのでまずは1単元のみ購入した。決算を見てから今後どうするかは考えていこうと思う。

 

賢明なる投資家 ? 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法

賢明なる投資家 ? 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法

  • 作者: ベンジャミングレアム,土光篤洋,Benjamin Graham
  • 出版社/メーカー: パンローリング
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 38回
  • この商品を含むブログ (18件) を見る