WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

「人を動かす」が大切なものを思い出させてくれた

職場が変わり、通勤時間と労働時間が伸びた。

子供に自我が芽生え、保育園に行くのを嫌がるようになった。

妻と顔を合わせるのは、平日朝のわずかな時間と休日だけになった。

休む時間もロクに無いまま仕事に家事・育児にと、慌ただしく過ぎていく時間の中で疲弊し、それでも日々何かを得たいという思いから、僕はAudibleで自己啓発やらビジネス書やらを聞き漁っていた。

今月分のコインを何に使おうか?と、悩んでいる時に、数冊の本がまとまったセット品に目が留まった。

同じコイン一枚使うなら複数読める方がいい、という考えと、何よりデール・カーネギー「人を動かす」が入っていることが決め手となり、このセットを購入した。

人を動かす…自己啓発本の原点ともいうべき本で、それなりに教養のある人なら一度は読んだことがあるんじゃなかろうか。

僕も昔読んだはずだが、毎日の生活に振り回されている間に、その教えは色褪せてしまった。新しい物ばかりを追うのではなく、たまには知識を掘り返すのも悪くない。

久々に読む(聴く)この本は、名著だけあって聞き流していても耳に入ってくるし、面白い。ナレーションの声も渋くて良い。

本著の大半はビジネスや政治といった広い社会での役立つ考え方を、多くの歴史上の人物や出来事を引用しながら、述べていくものだ。内容は多岐にわたるが、その骨子は「人をリスペクトすること」だと、僕は再認識した。

人へのリスペクト、僕は最近リスペクトしていただろうか。

会社の人に対しては、出来ていたはずだ。新しい場所、人、業界。その中で自分に欠けている知識は数多あり、それは周りの人や、その部署での歴史をリスペクトし、学んでいくことでしかキャッチアップ出来ないからだ。だから、僕は周りの人をリスペクトしていた。

翻って、家族に対してはどうだろう?

僕は家を出るのを渋る子供をリスペクトしていただろうか。仕事が終わった後に子供を迎えに行き、食事とお風呂を済ませる妻のことは?

そんな思いで悶々とするうちに、本は最終章に進んでいた。章題は「幸福な家庭をつくる七原則」

僕は何のために仕事をしているのか。

朝早起きして子供を保育園に預け、妻との会話を減らしてまで働いているのか。

出世により自己顕示欲を満たすことかな?それとも昇給してお金を沢山もらって贅沢する?アーリーリタイア?

思い出すんだ!原点はそこじゃないはずだ。家族の幸せ、笑顔の絶えない家庭を作ることこそ究極の目標で、それ以外は単なる手段じゃなかったのか?

イヤホンからは、歴史上の著名人たちの、過程にまつわる悲喜劇が流れ込んでくる。僕は、リンカーンみたいな家庭を作りたくはない。

その週末、僕は子供と一緒に、子供の好きな電車の博物館に出かけ、次の日は妻の代わりに1週間分の作り置きを作った。妻は喜び、感謝の言葉をあげ、僕も日頃の妻の貢献に感謝した。心穏やかな日常だ。

どんな精密機械でも、使い込み時が経つと軸がズレてくる。僕の心も、同様に時間が経つと軸がズレていくことだろう。実際、「人を動かす」を読んでいても、僕は大切なものを忘れてしまっていたわけだ。

そんな時は校正すればいい。機械が定期メンテによってズレた軸を戻すように、「人を動かす」を読んで僕の価値観を原点に戻すんだ。

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結婚したとき、子供が産まれたときの感動を、思い出すんだ。