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【DIY】自作デスク!リモートワークのための最良の相棒を自分で作ろう

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家を買ったと同時に自分の部屋を手に入れました。私は主にリモートワークなので急ぎ市販のデスクを購入していたのですが、仕事柄PC作業用デスクの他にハードウェア作業用のデスクも欲しくなり探していたものの、部屋の形が凸の字になっていて出っ張り部に綺麗に収まるようなデスクが見つかりませんでした。

そんな時に自作デスクの記事を見て、デスクって作れるんだなと衝撃を受け、挑戦してみた次第です。

note.com

自作デスクは良いぞ

製造工程を紹介していく前にデスクを自作することの感想を共有させていただきたい。

高品質かつ安価な量産品がポチるだけで気軽に手に入るこのご時世、自分だけの特別感あふれるものはお金に代えがたい価値が存在します。それを自分の手で作る、毎日使う!愛着が倍々ゲームで増えていきます。

サンドペーパーで頑張って磨いたところをなでては手触りに満足し、部屋の形にマッチした佇まいを見ては充足感を覚える。自作ならではの魅力と言えるでしょう。

製造自体は意外と工程が多くて大変な面もありますが、子供同様にかけた手間だけ愛らしく感じますし、大物を作り上げると達成感も大きくて良いですよ。

と、魅力を語ったところで以下からは大変だった製造のお話に移ります。

用意するもの

・木材
マルトクショップで購入しました。詳細は後述します。
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・デスク脚
スクエアタイプの脚にしました。下記製品はM6のネジも入っているのが良いです。

・ワトコオイル(エボニー)
オイルフィニッシュで評判良さそうだったワトコオイルをチョイス!
色見本はこちら。私は闇系エンジニアなので色は暗めのエボニーにしました。

・刷毛

・耐水サンドペーパー(#400)
オイル塗布中に使わないなら耐水でなくてもいいです。番手は#400でも十分につるつるですが、こだわるなら#800などより細かい目で磨くと良いです。

・サンダー
これがないとサンドペーパーかけるのしんどいです。

・電動ドライバー
鬼目ナットの下穴開けに使います。安い乾電池式でやりましたが、トルク不足を感じました。

・木工用ショートビット(Φ9.0)
鬼目ナットの下穴開け用のビットです。M6鬼目ナットの参考下穴は8.7~9.0mm。 取り付けサイズが電動ドライバーに対応しているかは要確認。

・鬼目ナット(M6 x L16)
L 20mmだと下穴がデスクを貫通する可能性があるので、短めのL16にしました。

・六角レンチ(6.0mm)
鬼目ナット挿入に使います。

・ウェス
ワトコオイルの拭き取りに使います。

白ウェス 1袋(2kg)

白ウェス 1袋(2kg)

  • ノーブランド品
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木材発注

近所のホームセンターに良い感じの木材がなかったので、ネットで注文しました。マルトクショップさんを利用されている方が多かったので、私も長い物に巻かれます。

shop.woodworks-marutoku.com

木材はアカシアの集成材にしました。部分によって色の濃淡差の激しい見た目が楽しく、一目惚れというやつです。

サイズ

幅は部屋の出っ張り部に合わせて1300mm、奥行きは作業スペース広めがいいので700mmです。奥行きは使おうとしている脚のサイズに対して大きすぎると安定しないので、奥行きを大きくしたい人はモーメントの釣り合いを計算しておいたほうが良いでしょう。片肘付いてもぐらつかないくらい(100Nぐらいかな?)の安定性があればいいかなと思います。

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厚みも剛性との相談です。一般には25~30mmにされる方が多いようです。単純な両端支持の梁計算でたわみ量を推測できるので、剛性に不安があるなら軽く計算して見ると良いでしょう。想定荷重に対し1mm以下の変形量なら気づかないだろうし、問題ないかな。

梁のたわみと応力計算ツール

最終的にサイズは1300 x 700 x 25としました。

エッジ処理

次にエッジの処理です。

正面のエッジは腕が触れるので大きめのR(上 5R)で他の3辺は傷防止のため糸面にしています。コーナーはざっくり2Rです。仕上がりは下記参照、腕への当たり心地も良く満足です。こういった細かいところを自分好みに指定できるのは良いですね。世界に1つだけ感が増します。

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お値段は合計で 12,720円でした、なかなかのお値段。エッジ処理を自分でやればもうちょっと下がります。

デスク作成工程

一枚板が届いたら製造開始です!

水拭き

木材は水拭きすることで毛羽立つとありました。マルトクさんから届いた木材は割と表面が滑らかでしたが念の為水拭きするとザラザラ感が出てきました。

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サンドペーパー

水拭きで毛羽立ったデスク作業面をサンダーでガンガン研磨していきます。

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#400の目は割と荒い印象を持っていたものの磨いてみるとツルツルです。#800で磨く用意もしていたのですが、#400だけで十分でした。

ワトコオイル塗布

アカシアの色味そのままで使うのも有りだと思わせる美しさはあったのですが、暗めの色が好みなのと作業自体に憧れがあったので、オイル塗布もやっていきます。

暗めの色はウォルナットを想像していたのですがエボニーはより彩度が低く落ち着いた様子で気に入り、鞍替えすることに。色見本はこちらです。

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刷毛にたっぷりつけてざっくり塗ってを繰り返すこと6面!まっさらな白が目立っていたアカシアの集成材も全体的に暗く落ち着き、長い年月を経たような見た目になっていきます。

こういうのが良いんだよ、こういうのが!

色味が変わっていくこの工程が一番テンション上がります。

サンドペーパー(耐水)

ワトコオイルを塗る人は大体二度塗りをしていました。公式の塗り方でもそうあります。

ただ今回は一度塗りで十分に色が乗っていたので二回目の塗布はキャンセルしました。

一度塗りが乾かない間に、耐水サンドペーパー(#400)で再度磨きます。磨けば磨くほど手触りがよくなっていくことに満足しつつも、大変な作業でした。

拭き取り・乾燥

磨き終わったら表面に残ったオイルをウェスで拭き取ります。

どの程度拭き取ればいいかわからなかったので、ウェスにオイルがほぼつかなくなるまで何度も拭き取りました。デスクとして使っていて、机上の物にオイルが色移りしても困りますからね。

オイル塗布から感想までの作業は時間もかかるし室内だと部屋を汚さないように気遣ったり、乾燥終わるまで臭いに耐えたりと大変な面も多いです。一方見た目が顕著に変わる作業であり、かけた手間以上に付加価値がある作業とも思いました。

私の使ったエボニーのオイルだと、単に暗くなっただけでなく表面にツヤがかっており、素の木材では決して得られない外観だよなとデスクに向かうたびにニヤニヤさせられます。

脚取付ねじの下穴開け

一晩乾燥させたら脚を付けていきます。奥行方向は中心で幅方向は極力外側に配置します。脚を仮置きしてネジ穴中心を鉛筆でマーキング。

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ネジは直打ちしている方もいますが、私は鬼目ナットを使いました。
直打ちは雌ねじ側(木材)がバカになりやすくて何度も脚の取り外しが出来ないですし、何より私には直タップのせいで一ヶ月ほど客先にネジの締め直しに出向いた苦い過去があります。ネジ締結の相手は金属のナットに限ります。

M6鬼目ナットの参考した穴はΦ9mm、ビットの準備は問題ないのですが深さが悩みどころです。

木工用ビットは先端5mmほどが食いつせるための形状になっており、Φ9の穴になりません。L16のナットを入れようとすると少なくとも17mmくらいの深さは欲しいですが、先端部を合わせると22mm食い込ませることになります。25mmの板厚に対して22mm、貫通までは行かないでしょうが表面が隆起するリスクが怖い。

そんなわけで深さは少し控えめに20mm狙いとしました。ナットが入り切らなかったとしても、脚側のアジャスターで最終調整する思想です。

狙い深さが決まったところで、ビットにカプトンテープを巻いて穴あけの目安としています。

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むかしIKEAの家具組立用に買った安い乾電池ドライバーでガンガン穴を開けていきます。使ってて感じたのですが、アカシアが硬い!ドライバーのトルクが弱い!木工をちゃんとやるなら、電動ドライバーもそれなりのものを使わないとダメですね。

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最後の方は電池もヘタって回ってくれないところを、手で無理やり回してフィニッシュです。最後に頼れるのは己の筋肉です。

鬼目ナット挿入

下穴に沿って鬼目ナットを挿入していきます。六角レンチでグルグル回すと木材がミシミシ音を立てながらナットが沈んでいきます。音が心臓に悪い。
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下穴が大きすぎたらネジバカになりますし、深さが足りなければ奥まで挿入できません。
深さが足りないかもと認識していたものの1箇所奥まで挿入できなかった時に、無理やり回して雌ねじの山が割れてしまいました...

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ただ脚1本に付き締結は8箇所あり、そのうち1箇所がだめになっても影響は少ないです。デスク使用時に外れる方向に強い力がかかるでもなく、最低3点止まっていれば平面が作れるので取り付けも安定します。

奥まで入りきっていないナットが有りつつも、15/16箇所は無事にナットを挿入できました。

脚の取り付け

あとはナットに合わせてネジを回していくのみです。

「僕もパパをお手伝いする!」と息巻いていたムスコの出番です。自分の作業でデスクが出来上がっていくことにご満悦ボーイでした。他の作業もやりたがっていたんですが、流石に穴あけやオイル塗布は本人や家が危険ですからね。

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最後に私が増し締めをして完了。いよいよひっくり返して部屋に置きます。

完成とまとめ

部屋の凸部に合わせれば完成です!

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うん、良いね。

25mm厚のアカシアは剛性もバッチリで品が良く、頑張って拭き取ったオイル塗布面は布をこすり付けても色移り無しです。ぱっと見た感じ、初めてのDIYにしてはなかなかの物じゃないでしょうか。

作業用デスクが出来たことで、PC作業デスク上のキーボードを立て掛けたり、ラップトップスタンドを使ってスペースを確保する必要もなくなりました。広い空間で存分に部品を広げられます。作業以外にも、本を集中して読む時に使っています。ディスプレイあると気が散っちゃいますからね。

今回デスクを作ったことで、意外と自分でもきちんとしたものを作れるんだなと感動しました。いや、仕事ではきちんとしたもの作ってるんですけど。自分のモチベーションだけで実用的なものが出来るってのは、良いものです。
この記事を読んでいる貴方も如何でしょう?意外と作れそうな気がしませんか?