WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

今年読んだ30冊のうち、良かった5冊の本 2019年版

あまり本を読まなかった2019年

昨年は50冊ほど読んでましたが、今年は4割減って30冊程度の読書量でした。原因は帰りの電車で寝落ちが多発したことです。歳ですかね、体力の低下を感じます。

読んだ本の種類にも、変化がありました。

自分の業界や仕事に関連がないもの、小難しく分厚いものを読まなくなりました。生活・仕事への影響やら、ストレス軽減の娯楽やら、読書への見返りを意識したためです。教訓を得るという観点から見ると、さして去年より質は落ちていない認識です。

今日は、この1年読んできた中で、良かったと思える本を紹介していきます。

1日ひとつだけ、強くなる。

プロゲーマー・ウメハラの本です。

この本で言いたいことはタイトルで完結していますね。自分の内面にモチベーションを求める。自分のちょっとした成長に着目してやる。小さな成長を重ねた結果、大きな成果につながっていく。

最初に本を読んだ時は仕事面でモチベーションを失いかけてた時期で、上記の教えは大きな支えとなってくれました。

最近は、子育てでも精神的に助けられています。
ムスコは4月生まれ予定だったものの、ワケあって3月に未熟児で生まれてきました。保育園のお友達とは1年の成長差があり、見比べると出来ない事が多く見えます。それを一番実感しているのは、他ならぬムスコでしょう。

なので私は、ムスコの小さな成長、出来たことに着目するよう心がけています。ムスコにも、周りと比べるではなく、自分の成長に着目できるように育って欲しいものです。

1日ひとつだけ、強くなる。

1日ひとつだけ、強くなる。

  • 作者:梅原 大吾
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2015/07/13
  • メディア: Kindle版

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

印象・感情は時に事実を捻じ曲げて伝えてしまう。思い込みを捨て、データと事実を元に世界を正しく見るスキルを身に着けよう。直近のデータから見える世界と、思い込みから見える世界を対比させ、ファクトに基づいて行動することの大切さを述べた本です。

今の御時世、SNSでのインプレッションを意識してか、やたら感情的で極端な意見を見かけますよね。それに振り回されないためには、きちんとファクトに着目し、正しく理解しよう!って意識が必要だと気が付かせてくれた1冊です。

設計の世界にも応用できます。僕ら設計者は、時折CADの形から受ける印象でOK・NGを判断してしまいがちです。しかし、進化の激しいこの世界において、その境界を見極めて攻めていく姿勢は必要かと思います。

「どこまで攻められるか?」きちんと検証しデータを得て、その上で判断すること。書いてしまうと当たり前なんですが、意識していないと案外難しいです。

三体

中国発、特級のSF小説です。あまりの面白さに熱中し、勢いで読みぬいてしまいました。

序盤に点々としていた謎や出来事が、物語終盤につながって線となり、当初では見えなかったスケール感に発展していくストーリー作りは舌を巻くしかありません。骨太のストーリーを支える著者の理系的な知識の広さとハッタリの効かせ方も良いスパイスです。絶望と希望の比率がちょうどいい感じで、緊張感を持ちつつ気持ちよく読み進められるのも良いです。

SFってとっつきにくい印象ありますが、そんなにSF臭はしません。試しに読んでみると面白いのでは、と思います。

三体

三体

  • 作者:劉 慈欣
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2019/07/04
  • メディア: ハードカバー

temcee.hatenablog.com

ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来

2年前にサピエンス全史を読んだ時、ホモ・サピエンスが食物連鎖の頂点に至った謎への探求に大きな衝撃を受けました。本著は、その続編的な内容で、ホモ・サピエンスを超えるものを考察する、未来に向けた本です。

サピエンス全史と内容が被るところもありつつ、著者の豊富な知識量と想像力、そこから導き出される考察は相変わらず面白いです。語られた未来が実現しないのは世の常ですが、さてホモ・サピエンスを超える存在が現れるのか、はたまたそれすら凌駕するものが飛び出してくるのか。

ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 下: テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 下: テクノロジーとサピエンスの未来

temcee.hatenablog.com

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス

前作にて、閉鎖寸前の危機を救ったアレックスが、今度は複数企業のまとめるグループ長として、異なる複数の企業を建て直すお話です。その過程で導入される思考プロセスこそ、著者たるゴールドラット博士が伝えたいことでしょう。

前作が面白かったので続き物を買ってみました。今回もなかなか面白かったです。

temcee.hatenablog.com

前作に比べて中年の色恋沙汰や家庭の問題など余計な要素が排除されてます。代わりに、訓練するかのように何度も思考プロセスを使うシーンが出てきます。主題に集中できる感じで、教材に寄せた印象がありますね。

ストーリーは、落ちること無くサクセス一本道です。最初がどん底で、そこからビジネスもうまい具合に改善して、キーパーソンに気に入られて…。僕はこう上がり一辺倒なストーリーはストレス無く読めて好感です。「人生そんなに甘くない」と考える人には不向きかも。

思考プロセスは、小説を読む速度だと理解が追いつかなかったので、今年中にもう一度内容をおさらいしておきたいです。

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス

まとめ

2019年に読んで、良かった本を紹介しました。

今年は冒頭にあるように、寝落ち続出で量を読めなかったのが無念です。あと、読書感想もサボり気味で、読んだ本の理解も薄くなっちゃってましたね。よろしくない。

来年は、専門書の読書量を増やしたいなーと思ってます。ちょっとした機会があり、成形・バネ・めっきの本を頂いたので、これを来年中に完全消化したいですね。あとは、CAE関連も入門書を乗り越えるくらいには勉強したいです。

とはいえ、ガリガリ専門書を読むのは疲れるので、娯楽のビジネス書もちょこちょこ読みたいですね。出来るだけビジネスタイムを省エネで抑えて、退勤時にガッツリ読める体制を築き上げたいです。

こんな記事も書いています。
temcee.hatenablog.com