WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

短期で高利率を求める投資は茨の道だ

<まとめ>

・後輩が僕の紹介で証券口座を開いたので、長期投資系の書籍をオススメした

・後輩「不祥事を起こした会社を底値で買えば儲かるんですよ」僕「違う、そうじゃない」

・痛みもまた勉強だ(諦め)

会社員は長期投資

毎度いってるけど、会社員は中長期で持つ前提で投資に挑むべきだと思う。日々の値動きに心奪われて仕事に支障をきたしてはいけない。企業のファンダメンタルを主軸にして納得した価格で持つ事こそが精神を健全に保ち長く市場で生き残るコツだと思う。*1

証券口座を紹介した後輩にもその事をしっかりと伝えてきた。日々の上げ下げに一喜一憂しなくていい様に、会社の価値をきちんと見定めて投資するものだと伝えた。*2投資に関する本もオススメした。「バフェットからの手紙」「賢明なる投資家」「フィッシャーの超成長株投資」古くはあるが昔から信頼を集める良書の数々、僕の投資スタイルの根幹をなすものだ。

だが後輩は弾けた

「これを見てください」後輩が取引を初めて数日たったある日のことだった。僕を呼び止めた彼はおもむろにスマホの画面を見せてきた。そこに描画されていたのは株価のチャートだ、特徴的なV字カーブはある電機会社、粉飾と原発事業の泥沼で世間を賑わせたあの会社。「次にこれを見てください」次のチャートへ移る。先程より長期のチャートはまたしてもナイアガラと回復のカーブを描いていた。2011年にガタ落ちしているそれは、粉飾で世間を賑わせた内視鏡で有名な会社だった。

「潰れる事がないような大企業が不祥事を起こした時に底値で買えば、サイコーですよね」

「バカな真似は止めるんだ!底値で買えるというのは幻想だ、鋭い社みたいになることだってある!」

「鋭い社はそこまでの企業じゃなかったでしょうw」 

僕の言葉は響かない。今年の投資成績がマイナスだからか。

確かにV字に回復し倍にもそれ以上にも膨らむそのチャートは吸引力がある。でもそれは大きなミステイク。短期に利益を倍増する取引は資金を半分にしかねない取引でもあるのだ。そしてそのような取引は、お金以上に精神を蝕むものである。

痛みもまた勉強だ

彼は材料有りきで下げている際中に買いに向かうということが、どれだけ恐ろしいかを理解していない。底だと思ってからもひたすら下げていき、いつとも知れない救済の日を願う日々は仕事への意欲すら奪っていくだろう。

だけど失敗もまた勉強だ。僕がお祭り相場を恐れるのも、リーマンショックの直撃があってこそだしね。痛い目を見るなら資産が少なく取り返しのきくうちの方がいい。そんなわけで今後の彼がどのように取引していくかを興味深く見守っていきたい。

*1:実践できているかは別として

*2:もう一度言う、実践できているかは別として