WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

「一眼レフ>ミラーレス>コンデジ」という風潮

「いい写真を撮ってみたい。」

スマホで写真が事足りるこの時代に、あえてカメラを買うモチベーションがあるとしたら、やはりこれでしょう。いい写真を撮るにはどんなカメラがいいのか?そう考えると、カメラに明るくない大抵の人は一眼レフやミラーレスといった「レンズ交換式カメラ」に思い至ります。

そしてレンズ交換式カメラを購入してしばらく経つと、1つの事実に気が付きます。

「レンズ交換して無くない?」ということに。

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僕も最初に買ったレンズ交換式カメラ(E-Pm2)はダブルズームキットで買いました。が、ズームレンズの方は長らくご覧のあり様でした。

エントリークラスの本体に標準キットのレンズだけつけて運用するなら、コンデジでもいいんじゃないかな、というのが僕の考えです。

 一眼レフ・ミラーレスはレンズ交換してこそ

レンズ交換式と名を冠するからには、やっぱり一眼やらミラーレスはレンズを交換してなんぼだと思うんですよね。ちょこちょこレンズを交換するようになって、ようやく気が付きました。

画質はレンズ性能と本体性能が合わさって決まります。そのうち本体性能は後述の理由で一眼・ミラーレスの方が基本的に高いとして、レンズ性能に関してはキットで付いているレンズだと優位性は無いかなーというのが、僕の正直な感想です。

レンズの性能

レンズの性能はざっくりいうと「F値」と「焦点距離」で見ることができます。F値はレンズの明るさを表していて、この値が小さいほど光を沢山拾うことができ、ボケ味を出したりや暗所に強かったりします。

焦点距離は画角ですね。「16-50mm」のように記載されています。小さければ広角、大きい方が望遠で、この比率がズームの比率ですね。

このあたりのレンズ性能はコンデジの方が優れていることも度々あります。

僕がよく使っているα6000のキットレンズは「F3.5-F5.6/16-50mm」です。F値は広角でも高くて暗く、画角は標準的なところをカバーしているものの、望遠が物足りない感じです。

例えば高級コンデジであるRX10M3だと「F2.4-F4.0/8.8-220mm」と、F値、焦点距離ともに僕のキットレンズよりも優れています。

「一眼=画質が良い」の根拠はセンサーサイズ

で、上記で言っていた画質に関わる本体性能、これはイメージセンサーのサイズが大きいですね。

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 イメージセンサーは光を電気信号に変換するものです。これが大きいと「画角」「画素数」「感度」に効いてきます。事前に注意しておきますが、以下のお話は同世代のセンサーで比較した場合の話になります。

画角は、想像に易いですね。光を受ける面が大きいということは、それだけ大きな像を写真に変換できるということです。同じ場所から撮った写真なら、サイズの大きいセンサーの方がより広角なものになります。

画素数は、どれだけ精細に描写できるかです。センサーの上に光を電気に変換する素子が画素数分載っているのをイメージすればいいと思います。画素の大きさを一定にすると、面積が大きければ大きいほど画素数を増やすことができます。

感度は、少ない光で像を作る能力です。画素数の例とは逆に、画素数を一定にして考えると、センサーが大きい方が1画素あたりの面積を大きくとれます。そしてそれだけ電気信号に変換する光を沢山使えるわけですね。なので、センサーが大きく、画素数が低い方が暗いところの撮影には有利です。

「一眼レフ>ミラーレス>コンデジ」は成り立たない

最近はミラーレスもフルサイズ機出てますし、レンズも高級なものが続々と発売されています。今や一眼とミラーレスに画質の点で明確な差は無いでしょう。色味などの「絵作り」について違いはあるものの、それは好みの問題ですね。

コンデジについても、明るいレンズと大きめのセンサーサイズのモノを選べば、エントリー機の一眼・ミラーレスをキットレンズで運用するよりは、いいのではないかと思います。製品のコンパクトなサイズ感から得られる取り回しの良さは、コンデジの大きな魅力です。センサーの大きさが気になる人は、APS-Cのコンデジやフルサイズコンデジなんてものもあるので、そちらを選んでみるのも一興かもしれません。

 

これはやりすぎですね(値段が)

カメラは高い買い物、イメージだけで選ぶのは怖い

なんでこんな記事を書いたのかというと、身の回りやネットなどで、「いい写真=一眼」となって、キットレンズ固定で使っている人を良く見かけるからです。中にはキットレンズが単焦点で、ズームが効かずに使いにくい…という人もいました。せっかくの高い買い物を、自身が欲しいものとズレて済ませてしまうのは残念なことです。

いい写真と一口に言っても、人によってその定義はバラバラです。そして、その写真のために必要なカメラ性能も、人それぞれでしょう。例えば子供の写真を残したいと考える人でも、子供に寄って表情を写したい人がいれば、旅行の時などに風景と子供を一緒に目いっぱい広角でおさめたいという人もいるでしょう。前者なら単焦点で明るいレンズが付くカメラ、後者は携帯性がよく広角があって、ズームも効くといいでしょうね。

その当たりとお財布事情を考慮して、自分に合ったカメラは何なのかを探していけばいいと思います。