WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

作りたいものが分からない

僕は開発者。だけど自分が作りたいものがわからない。見えてこない。

作りたいものがある、という人がいる。作るためにメカ・エレキ・ソフトを学ぶ。形にするために提案する、時に人と戦う。たとえそれが自分より上の地位にある人だったとしても。僕はそれを見る度に嫉妬と羨望が心に芽生えるのを覚え、しかしそれを封じ込めていた。「いいなぁ……」という発言の元に。

 

今の僕には作りたいものがない。かつては確かにあったはずだ。しかしその意志は長時間残業やスキル不足、仲間の不在により潰えてしまった。いつからだろうか……僕が作りたいものを見失ってしまったのは。

 

会社に行くと自分の求めるものがはっきりしている人がたくさんいる。自分の求めるものでなくても商品性を確信し邁進できる人もいる。僕には何もない。

 

「いつかは僕にも作りたいものが出来るはずだ、その時のために備えよう」そう思い僕は開発のスキルを磨く道を選択する。与えられたミッションを確実にこなし、新しいことを吸収する日々。そこには学びがありやりがいがあった。自分の欲しいものだけが見当たらない。

商品に対する知見の浅さ、新しい発想を生み出せない自分の乏しさ。それらを意識する度にダウン方向にスイッチが入りかける。しかし絶望はしまい。いつかは僕にも思いつくはずだ。誰の為でもなく自分が本当に作りたいものが。その思いを胸に僕は今週末も満員電車の圧に潰されながら帰路についている。