WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

開発者は全力でお客様にならなくてはいけない

<まとめ>

・僕は開発者、B to Bに強い会社からB to Cが強い会社へ移った

・B to B時代はしっかりヒアリングして顧客と握った内容を再現することが仕事だった

・B to Cではヒアリングに頼るのではなく、お客さんの用途やニーズを絶えず考え想像しなくてはいけない

・真に人のためになることを考えた結果として新しいものが生まれるのかもしれない

 

僕は開発者、前の会社ではB to Bに重きを置いた開発をしており、いろいろあって転職した今ではB to Cのビジネスに身を投じている。

 2つの会社を比べると双方に良い点・悪い点があり大変に面白いのだけど、一番違いを感じるのが僕みたいな末端の開発者までお客さんのことを考え抜く文化が育ってることだ。

 

かつての僕にとって開発上の最優先は顧客のニーズを満たすことだった。ニーズ=仕様…営業さんがばっちりヒアリングしてできたソレを再現したものを作ることが開発職たる僕のミッションだ。しばしば仕様は変わり末端の僕らは荒波に揉まれたりもしたが、会社としては仕様変更分の工数はお金で解決できるし、仕様通りに作れば最低限の収益は確定していた。そんな環境なので僕ら開発者は安全性や信頼性に関する所までしか想像を働かせなかった。

 

「こういう使い方をされるのではないか」「こんな環境になることもあるかも」「こんな感じのものを欲しがるのでは?」今の職場ではお客さんの使い方についての議論がよく起こる。   自分の使い方・欲しいものではない、あくまで対象はお客さんだ。お客さんと言っても対象は広い。マニアックな人もいれば初心者だっている。慎重な人がいればラフに使う人もいる。そんな人たちの存在を常に想像し、調査し、競合他社やその周辺まで調べあげ、その調査内容も容易に鵜呑みにせず徹底的に考え抜く。その想像は信頼性や安全性という枠を飛び越して使いやすさ分かりやすさに心地良さまで及ぶ。

 

B to Cビジネスはシビアで油断ならないレッドオーシャンだ。だからこそ皆で真剣にお客さんのことを考える文化が生まれたのだろうか。「そういうことは企画のお仕事」と割り切って考えていた僕だったが、しばらく今の会社で働くうちにお客さんのことを考えるようになってきた。もちろん企画側がターゲットユーザーなりユースケースなりを考えなきゃいけないんだけど、だからといって開発側がその点で思考停止していい理由は無い。

 

「仕様書通りに作る」悪い事ではない。「自分の欲しいものを作る」趣味ならソレでいい。しかしビジネスとして新しい価値観を作っていくには人のことを真に思い、考えに考え抜く必要があるのだろう。そうして作られ、人に受け入れられてこそ新規性のあるモノで、自分よがりの新しいものではダメなのかなーと感じる今日この頃。