WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

食に対する僕と嫁さんの価値観が塚田農場で交わった

「うん、美味しい」
塚田農場の壺味噌で野菜をボリボリ食べた僕達夫婦は同じ感想を抱いた。

僕は塚田農場の飯が大好きで、塚田に行くと酒そっちのけで飯ばかり食うような人間だ。この素晴らしいお店を塚田未経験の嫁さんに紹介したいと常ゝ思ってはいたが、嫁さんはまだ授乳期間のためアルコール禁止だし、そもそも小さなムスコを居酒屋に連れていくのは良き社会人としてNGだ。嫁さんに塚田を広められない…絶望が僕を覆い尽くそうとしたその時、塚田の店頭に貼られた壺味噌の単売のポスターが目に止まった。塚田の野菜味噌は絶品だ、塚田の魅力はそれだけではないが壺味噌なら塚田の実力の片鱗を嫁さんに伝えられる…そう考えた僕は飲み会で盛り上がっている店内に突入し壺味噌だけ買って家に帰り、冒頭の場面へと繋がる。塚田農場…サイコーだ。

塚田の魅力が嫁さんに伝わったのは嬉しい。ここにたどり着くまでにいくつもの僕の   【オススメ】が嫁さんの価値観を前に敗北してきた。松屋のビビン丼は「スパイシーだね」と言われて半分残された。ココイチのカレーは「シャバシャバ系だね」といわれ完食してもらえたものの「1回でいいかな」と寄り付く事は無かった。マックは「マックは無い」と店に入る隙も与えてくれなかった。それらの屍を超えて得た嫁さんの「おいしい」、嬉しくさは格別だ。

嫁さんのオススメは僕も美味しくいただけるが、僕のそれはなかなか通用しなかった。

嫁さんは食事において僕より場の雰囲気を大切にする傾向があり、お洒落なインテリアや話題性のあるモノにバイアスがかかっているように僕は思う。流行りのパンケーキのため長蛇の列に並びたがるところなど、その傾向が顕著に表れている。ただ実家ぐらしが長く家でもきちんとした物を食べてきたみたいで素材そのものに対する評価は僕よりも頼りになる。対して僕は食事に対するコストパフォーマンスを求めるし、食事の嗜好も代謝が激しいからか塩分の多いものを好む。僕の好きな店は大抵が化学調味料で素材の悪さを打ち消し、マニュアルオペレーションにより限りなく効率化を図ったところばかりだ。

まー、僕の趣味が悪いという自覚はある。化学調味料は人類の知恵の結晶だけど、それに頼っていて素材の悪いものばかりを食べるのは健全ではない。こんな僕も高校までは親にきちんとしたものを食べさせてもらって来たことだし、僕もムスコにきちんとしたものを食べさせていかなきゃならないなーとは感じている。ただ好きなものが食べられなくなるというのは寂しくもある。

そんなわけで塚田農場だ。嫁さんに受け入れられる素材の出来に僕が満足できる味の濃さ。ふたりの価値観交わるこの店は貴重であり、希望だ。塚田は居酒屋なので家族で行くわけには行かないが、今後も僕は僕達夫婦の価値観が交わりファミリーで行けるお店を探し続けるだろう。食の豊かなこの日本、探せば塚田の他にもきっと見つかるはずだ。

とりあえず次は株を持ってる日高屋とサンマルクかな…