WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

クリエイティブに疲れた時はパワポケの闇に癒される

日々発散していく仕様検討、同時並列の検討項目が山となり僕のキャパを超えて襲い来る。僕の中の闇が増大する。しかしそんな闇などパワポケ…パワプロクンポケットのそれに比べれば大したことないだろう。

 
パワプロクンポケットは任天堂の携帯ゲーム機で長らく続いていた野球バラエティゲームのシリーズだ。1999年から2011年まで、ナンバリングは14まで続いていた。特徴としては野球ゲームではなく野球バラエティと謳っているところで、パワプロ恒例のサクセスではアクションやレース、RPGなどまったく野球に関連の無いジャンルが大いに絡んでくる。バラエティだからしょうがないね。
 
ジャンルがフリーダムならストーリーもフリーダムである。主人公が野球選手でないこともあり、特命エージェントだったり風来坊だったり…野球をやっていたとしても事故ってサイボーグになっていたり…、一応本筋は野球がメインで話は進むが、彼女を攻略していると話が猛烈に明後日に飛んでいくあたり野球ができるミニゲーム付きビジュアルノベルとでも思った方がいいかもしれない。パワポケシリーズは時系列で繋がっており、それにより誰を彼女にしたのが正史だとか、過去のキャラの絡みとか、いろいろ考察がなされている。世界観は突飛ではあるがそれぞれの話は本当によく出来ているので、興味があるならネットで調べてみるといいだろう。ゲームで全て見ようとすると凄い時間かかるしね…。
 
で、そのよく出来ている深い話の中には深い闇が存在する。サクセスの雰囲気自体は大変に明るめなのでツルッとスルーしてしまいがちだが、しあわせな気分になれるが依存性のあるしあわせ草の存在やサイボーグの扱い、洗脳などなど子供向けのゲームが多い任天堂ゲーム機にしてはおっかないキーワードが多く出てくる。中でも彼女攻略失敗した状態でのエンディングは鬱度が高く、死亡や精神崩壊、「はやくたすけにきて」、果ては死にたくても死ねないENDなど野球ゲームにしてはハード過ぎる結末が多く存在する。バラエティだからしょうがないね。
なぜ野球という体育会系バリバリウェーイのジャンルでこの闇が体現できるのか。これは僕の勝手な妄想だけど、社員が結構病んでたんじゃないかと思っている。パワポケは日常の中に明るく気さくに狂気をぶち込んでいく、それは激務の果にレッドブル片手によく分からない笑いがこみ上げてくるのに似ている。開発元のコンマイといえばゲームに対する風当たりが非常に強いことで有名である。何かを作るという作業はそれだけで精神的にハードであり、そこに社内で上から睨まれているような立場にあったとしたなら…。
そんなことを思ってると僕はまだまだ楽なほうだなーとひとり勝手に安堵し、落ち着きを取り戻せる。境遇を勝手に想像されている開発者の皆様、申し訳ないでやんす。コンマイが本格的にコンシューマを亡きものにしようとしているのか、パワプロもソシャゲ化して久しい。ソシャゲになっても面白かったのは悔しいが、時にはパワポケのような闇の深いサクセスを求めてしまうのは会社員の性なのだろうか。今のコンマイに求めるべくもないが、気軽に闇を感じられるパワポケをいま一度と思う金曜日の夜。