2年ぶりの営業黒字
世間を度々賑わせていたシャープだが、久々に中間で営業利益、いわゆる本業の利益が黒字に転換したらしい。
まぁ、最終損益は相変わらずみたいだけど。
そんなわけで興味がわいたので、少し決算資料を覗いてみた。
資料はすべて下記からの引用だ、興味がある人は実際に見て欲しい。
人員整理、もとい効率化による体質改善
まずはざっくりした経営数値から。単位10億と大きいから本当にざっくり。細かく知りたければ決算短信をどうぞ。
売上は前年比で落ちている。理由として液晶やらカメラモジュール、スマホなどなどの販売不振という事で、単純に売れてないってことだね。そんな環境にもめげずに営業利益は7000万円の黒字を達成したわけだけど、どうやったのか。増減分析を見てみよう。
前年赤字から販売減・売価ダウンが追撃で決まっている。そこからプラス圏内まで引っ張っていったのは体質改善、無駄の排除と効率化だ。
ネットの記事ではリストラ頼りと揶揄されてたが、構造改革の効果よりもコストダウンや経費削減が聞いている。外資が変わって引き締められるだけでこれだけ変わるものなのか。
思い当たる節はある。僕は一時期、業務の一環で業績が悪い時期のシャープと取引をしていた。彼らは対して物量が出ないくせに文句だけは多い僕たちの要望に良く応えてくれた。購入ユニット単品評価ではなく、組み込んだ後の最終製品としての評価で破損した場合にも、熱心に破損モードの解析を行ってくれた。改善要望を出せば自分たちで案を出し原理実験まで行いレポートを出してくれた。その優しさや誠実さは、付加価値ではなくコスト要因だったのだろう。
経営が危ない時期になりふり構わず仕事を取りにいったのか、色々不利な条件での契約をしてきたようだ。(ホンハイの力を借りて)この辺りの是正がなされれば、またシャープはよみがえれるのかもしれない。
ディスプレイデバイスの行方が今後も鍵
セグメントごとの営業利益を見てみよう。
シャープと言えば液晶ディスプレイ、上の図からはそれがしっかりと伝わってくる。もちろん悪い意味で。
IoTやら健康・環境、ビジネスソリューションで稼いだ利益をほとんどディスプレイが食い尽くしている。これだけ見ると完全にディスプレイがガンだけど、このディスプレイのおかげでホンハイに興味を持ってもらえたのだから皮肉なものだ。
ディスプレイ業界は設備投資合戦の様相を呈していて、次は有機EL向けで大型投資を行っていくみたいだ。その成否で今後のシャープの運命が決まっていくと言っても過言ではないだろう。
債務超過解消!
ホンハイが掬ってくれたので純資産がプラスになった。ありがとうテリーゴー。
今期業績予想は営業黒字257億
今期はこれから盛り返して257億の営業黒字を見込んでいるようだ。上期に販売減で大きな落ち込みを見せた所なので、そううまく販売増になるのかなというのは正直な感想だけど、大企業が世間に約束した値なので何らかの勝算があってのことだろう。製造開発の効率化は今後も進めていき、ついでにホンハイとのシナジーも効いてくるようだ。そんなすぐにシナジーが出ると思えないんだけど、というのは僕が悲観主義者だからだろう。
輝けるグローバルブランドへ
なんだかんだで構造改革は進んでいるように見える。この変化が良いものかどうかは後にならないと分からないけれど、目先は上向きになり調子も上がってきているようだ。かつてのシャープが輝けるグローバルブランドとして君臨していたのかは疑問の余地があるけれど、頑張って欲しいね。まずは東証1部に戻ってくるところから。
株は買うの?。
私は遠慮しておきます。 競争激しく設備投資負担の大きな業界は僕の趣味の範囲外だ。
ただ、最悪期を脱しつつあるというのが今のシャープの環境だと思うので、今買っておくと数年後には幸せになれるかもしれない。数年前に倒産すると言われてたソニーが復活したことだしね。この辺りは自己責任でヨロシク。