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WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

「ミツトヨ」と「キーエンス」製造業を支える精密計測機器メーカーに投資したい

個別株式への投資を考えた時、まず頭に浮かぶのは身近な会社です。身近というと衣食住に絡んだ必需品を扱う会社に次いで、仕事で関係を持っている会社が目に入るかと思います。

設計をやっている僕にとって、仕事上密接に関わってくるのが計測機器です。僕は転職を経験してますし、他社さんの工場を見学させてもらったこともあります。各社とも文化だったり、製造工程だったりが違うわけですが、こと計測機器については同じメーカーのものが使われています。そのメーカーこそが「ミツトヨ」「キーエンス」です。

この2社の計測機器がよく使われているのは単なる偶然ではなく、明らかに経済的な「堀」、つまり他社に侵されることのない強みを持っているからです。投資するなら、そんな企業がいいです。

精密計測はなぜ必要か?

ソフトはコーディング通りに動きますが、ハードはモデリング通りには出来上がりません。モデリングと現物の差異を確認するために精密計測が必要となるわけです。

例えば、2つの部品を下記のようなツメで嵌め合わせているケースについて考えてみましょう。ツメの引掛りにより2つの部品が合わさっていますが、衝撃が加わった結果、その固定が外れてしまいました。

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原因としては、ツメの引掛り量が足りなかった、ということが考えられます。

この時の原因分析に使われるのが精密計測器です。ツメの寸法が設計通りだったのかを確認していきます。ここで現物の寸法が設計者の指定範囲に入っていれば設計者の責任、外れていれば製造者の責任となります。

これが金型を用いて作られる樹脂成型の部品なら、修正に十万は下らない費用がかかります。もし市場で問題となったなら、その回収費用や補償費用が発生し、その額は数百、数千万と上がっていきます。その責をどちらが持つかが計測結果によって決まってくるのですから、精密計測器には高い信頼性が求められます。

ノギスといえば「ミツトヨ」

計測機器で最もポピュラーなのがノギスです。

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くちばし部分で挟んだ箇所の寸法を測定する、設計者の必需品です。この測定器で国内9割のシェアを持つのがミツトヨです。

www.mitutoyo.co.jp

ノギス以外にも寸法測定ならマイクロメータ、幾何形状を規定する各種ゲージを取り揃えています。測定対象に直接触れて計測を行う、ローテクな製品が多いですが、3次元測定器のような電機的な計測器も扱っています。

上記HPによると、ミツトヨは精密機器で世界シェア30%です。素晴らしいシェアの高さです。

不正輸出後も揺るがぬブランド力

2006年、ミツトヨが三次元測定器数台を不正に輸出していたことが判明し、当時の社長ら4名が逮捕されました。核開発への転用が可能という事で、当時は結構なニュースであったと記憶しています。

HPには今も反省文が載っています。計測機器はどんなものを作るにも必要になるものななので、遵法精神を大切にして欲しいですね。

www.mitutoyo.co.jp

ただ、この事件でのマイナスイメージを経てなお、ミツトヨは高いシェアを有しています。長い間、精密測定の現場で使われてきた事で信頼を得ているものと考えられます。不正輸出自体は良いものではありません。しかし、そのブランド力の強さは魅力的ではないでしょうか。

残念ながらミツトヨは非上場

 と、ここまでミツトヨの紹介をしてきたわけですが、ここって非上場なんですよね。株式上場はあくまで資金調達の場ですから、必要なければ上場する必要は無いという事でしょう。うーん、残念。

電子を応用した計測機器のキーエンス 

キーエンスといえばFA(Factory Automation)です。計測以外にも製造や設計現場に役立つものを多く開発しています。

ミツトヨの計測器はローテクなものが多いですが、キーエンスはハイテクがメインです。ハイテクとはつまり、電子機器です。測定物に直接は触れず、レーザーの反射を利用したり、光を当てて投影したりすることで形状を読み取ります。物体のエッジを自動検出して測定してくれる装置もあり、測定工数の削減に貢献してくれます。製造ばらつきを見るための大量測定も容易であるところが、ミツトヨには無い強みです。

キーエンスと言えば高給取り

キーエンスと言えば高給取りで有名ですね。僕が就活をしている頃には「30までに家が建ち、40までに墓が建つ」といわれていました。平均年収は1700万を超えます。

toyokeizai.net

高い給与は優秀な人材を呼び込みます。キーエンスの製品に革新的なものが多いのも、人材獲得に力を割いているからなんですね。*1

キーエンスの主要指標

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指標は上記の通りです。僕が個人的に集めた数値なので参考程度にしてください。

ROEがずば抜けています。日本企業はROE10%超えを1つの目標にしているところが多い中で、その2.5倍です。

その内容も優れています。ROEは利益を自己資本で割ったもので、資本を減らせば上げる事が出来ます。キーエンスは自己資本比率が100%近いです。高い自己資本比率を保ちながら25%というROEをたたき出しているんですね。

ここに載せてませんが営業利益率も50%超えと尋常ではない数値です。数千億クラスの売上を誇る会社で半分以上が利益として残る所は、そうそうないでしょう。

それだけ優良な会社なのでEV/EBITDAもPBRも高めです。配当の利回りはあってないようなレベルなので、完全に成長期待のキャピタルゲイン狙い銘柄です。普通の会社ならこの水準で買いに向かうのは恐ろしいですが、キーエンスならしょうがないかな。

1単元100株が重い

キーエンス株、昔から持ちたいなーと思っています。しかし、1単元が100株で、今の価格だと450万くらい必要になります。*2これだとポートフォリオの大部分がキーエンスになってしまいます。個別株1本足の不安定さは受け入れがたいです、キーエンスのようにキャピタルゲイン目的の銘柄は特に、です。

単元未満株で買うというのも1つの手でしょう。僕はそういう買い方をするのが趣味ではありません。となると、キーエンスを買ってもポートフォリオの比率に響かないレベルまで、元手を増やさないとですね。うーん、いつになる事やら…。

まとめ

ミツトヨとキーエンス、精密計測の大手について紹介をしました。キーエンスの方は一般的にも有名ですが、ミツトヨは知ってる人はあまり知られていないのではないでしょうか。他の業界というのは意外と分からないものです。

現状、ミツトヨは投資できず、キーエンスは「重い」です。しかしどちらも良い会社なので、もし機会が訪れたなら是非とも持っておきたい銘柄だと思います。

 

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