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WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

読まれない文章に価値はない

先日「CADの操作に関するノウハウがネットに落ちてないし、社内に蓄積するための仕組みも無い」という愚痴を書きました。思いのほかコメントが沢山いただけて、楽しく読ませてもらいました。

CADのノウハウが蓄積されない問題 - WICの中から

その中で「なぜ自分で文書化して共有しないのか?」という旨のコメントがありました。今日はここのところのお話です。

この問いに対するシンプルな回答は「面倒くさい」からです。一発、文書化するだけなら、気分転換のついでに作成する事も可能でしょう。問題は共有、そしてメンテナンスです。

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共有する、読んでもらうための労力

ノウハウ集のような文書は作成して共有スペースに置いただけでは十中八九読まれません。

・文書の存在自体が知られていない
・文書の有用性を感じてもらえない

こういった障壁を乗り越え、共有文書を読んでもらうには相応の宣伝活動が必要になります。メールで宣伝してみたり、人が集まるミーティングでアピールしてみたりといった布教活動を、人事異動や新人入社の度のみならず、全体に文書が定着するまで根気強く薦めていく必要があります。

表題にしたように、文書や資料は読まれて初めて価値を発揮します。そのためには優れた文書を書くだけでは不十分で、いかに皆に広めるか?という点に知恵を絞らなければいけません。

うーん、面倒くさい。

常にメンテナンスする労力

情報というものには鮮度があります。

環境の変化による陳腐化や新しいノウハウを反映させていかなければ、文書は意味を失います。そのメンテナンスは部署が続く限り終わりなどないです。諦めて終わらせる事が出来るのみです。

この点はWikiのように各人が好きに編集を加えられるシステムで文書化を行う事で解決出来る可能性はあります。ただ、インセンティブなしにメンテナンスを続けられる人がどれだけいるか、僕自身は懐疑的です。

強制力が必要

上記の労力をケチった文書は人知れず社内イントラの海に沈み、忘れ去られていきます。海底で眠っていた設計のガイドラインの文書などは、たまーに発掘されて(準拠してる)設計者を守る盾になってくれたり、逆に(準拠していない)設計者を突っつく矛になったりします。どっちにせよ、文書化の際の狙いであっただろう「上流での改善による業務効率化」、という本来の趣旨からはずれた使われ方になります。良かれと思って文書化しても、こうなってしまっては単なる工数の無駄ですね。

ではどうすれば良いかというと、マネジメントです。下々の草の根活動に頼るのではなく、きちんと「業務」として上から指示を出してやっていくべきなんですよ。そして、その業務の分をきちんと評価にも反映する、と。

社内のノウハウをまとめて共有できるようにする。これ自体は大切なことです。過去の失敗を即座に取り入れた上で、新しいものを作る方向に労力を向けなければ、今の時代の速度には到底ついていけないでしょう。歴史ある企業にあって新興企業にないこのノウハウは、間違いなく知の宝です。その潜在価値は、世間に公開されてるような特許をも上回るもので、他社との差別化に多いに貢献してくれるものだと考えています。せいぜいうまく使えるようにして欲しいです。

こんな記事も書いています。

temcee.hatenablog.com

上にも出しましたが、念のため。

temcee.hatenablog.com

そういや昔、標準化について思う事を書いてました。

道具の使い方は標準化して思考の負担を減らし、効率化していいと思います。反面、設計については形状の持つ意味や背景を認識しないとダメで、単なるコピペをしていてはいけません。