WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

専門家はどこを目指せばいいのか

イギリスがEU離脱うんぬんで盛り上がっているが、特に火遊びをする予定はない…という事でお仕事のお話だ。

 
先日、上司とキャリアについて話し合う場が設けられた。僕と会社がこの先順調にいったとして、僕には会社員として二つの分かれ道のどちらかを選ばなければならない。技術者ルートか、マネジメントルートか…。ほかのエントリーでも触れてきたが僕自身はマネジメントに興味が無いので技術職一択である。しかし問題はここから、技術職として今後を生き抜く上で僕はどのような振る舞いをすればいいのか…。
 
会社員は会社に貢献しなければならず、そのためには絶えず自己研鑽に励み、成長しなくてはならない。しかし成長するにしてもどの能力を伸ばすべきかは大いに悩むところだ。僕は機械設計者、設計スキルと一口にいっても、樹脂の成形品に強くなるのか、板金プレスか、熱設計、機構部品、もっと言えばシミュレーションに強くなるという方向もあるだろう。これらはそれぞれ一長一短で身につけられるものではなく、それなりの勉強と多くの実戦を経ることで身につくものだ。
 
技術には陳腐化のリスクがつきまとう。今のレベルからは想像出来ないが、将来的に部品製造が全ての3Dプリンタの出力でまかなえるようになるかもしれないし、シミュレーションもソフトウェアの進化により誰でも簡単に扱えるようになることもあるだろう。となると、どの能力を伸ばすかの選択は重大な選択だ。陳腐化に備えて、複数の専門性を身につけることも…ね。
 
僕は今までぼんやりと「技術を磨く」というヴィジョンしか持っていなかった。それなりの向学心はあったし、転職理由の一つにも他分野の経験を経ることで自分のスキルに多様性を持たせたいとの狙いもあった。これまではそれで良かった、なんせ僕の知識は貧弱で実戦経験も乏しかった。何をやっても学びがあり、成長できた。しかしこれからは伸ばす領域を意識していかなければならない、深い技術は集中的にやらなければ伸びないし、ムスコが生まれて多くの領域の勉強をする程の時間もなくなった。
 
恐らく、どんな業種、職種においてもどこに強みを持つべきかを選択しなければならない時は来るのかと思う。上司との対話を経て、僕もようやくその時が来たことを悟った。
 
そんなわけで将来のことをもんもんと考えながら家に帰った。寝ているムスコにタダイマの挨拶、すると寝ながらにして僕の気配を察したのか、身じろぎをして「くぅ~ん」と発声し、大人顔負けの放屁を1発。コイツ、自由に生きてんな。と笑いがこみ上げた。
 
まだ僕の目指すべき道は見えていない。が、それはまだ僕に自由度があるということだ。将来的な価値はさておき、興味のある道というのはいくらかある。まずはそちらの方に足を伸ばすのも悪くは無いかな。