WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

嫁さんの誕生日とエクストリーム退勤

いま僕は一瞬の油断も出来ない状況に陥っている。なぜこんな事に、僕はただ幸せな気分で家に帰りたかっただけなのに。

今日は嫁さんの誕生日だ。僕は残業を定時で切り上げさっそうと会社を飛び出した。向かう先は花屋にケーキ屋。花屋にて花瓶のいらないブーケを、ケーキ屋にてストロベリーショートケイクスを購入した僕は意気揚々と帰りのホームに向かった。嫁さん、喜んでくれるといいのだが。

しかしホームで僕を待っていたのは人人人、ついた電車も人人人、そこには人ひとりが余計な荷物を持ったまま乗車するなんて贅沢な余裕はなかった。関東は厳しい。

防御力皆無なブーケとケーキを守るため僕はバンザイのポーズで乗車もとい押し込まれる。物置棚は既に使用されている、電車を降りるまでこの左手は下ろすことが出来ない。腕によるガードができない僕に、満員電車の圧は容赦なく襲い来る。肺の空気は全て吐き出され肋骨はきしみ、胃の中のドデカミンが逆流する。目的地は遠い。キツイ。

やがて電車は乗り換え駅へと到着した。ブツと僕の体は大丈夫だ、問題ない。乗り換え路を歩き次なる戦場へ舞台は移る。

装備を右手に持ち替えた僕は注意深く電車に乗る。棚はまた塞がっている、普段の行いが悪いのか。

カーブや加減速の度に仕事で疲労したリーマンが僕の荷物に襲いかかる。彼らは何も悪くない。だけど今日の僕にとって、家路に出会うすべてのものが敵に見えた。僕はあらゆるものからこの荷物を守らなければいけない。それが家族の大黒柱たる使命だ。

そして冒頭のように体力と精神をフル活用し、なんとか家の近くまでやってきた。人もずい分減って、多少余裕が出てきた。



なんてことを思っていたら急ブレーキがかかってしまい、とっさに右手が出ちゃったわけで…くやしいなぁ、くやしいなぁ…