ちょいと遅くなったけどこのブログで最も不人気なコンテンツ、アパレル月次のお時間だ。先月のはこちら。
月次状況
アダストリアが先月に引き続き好調だ。客単価据え置きで客数が伸びているというのは非常にいい傾向に見える。4月は急激に温かくなったことで薄めの服の需要が伸びたんだろう。
ファーストリテイリングはここ数か月で見ると客数の減少を単価で補うことに成功しているように見える。コストパフォーマンスを売りにしていたユニクロが値上げをしたのだから消費者からすると心理的な影響は大きかったかもしれないが、ユニクロの服はいまだに他社と比べて良好なコストパフォーマンスを保っている。*1今の値段に慣れてくると案外「しゃーないか」って感じで客足も戻ってくるのかもしれない。ユニクロの代わりとなる服やは今のところ僕には思い浮かばない。
そんな2社とは対照にUアローズは苦戦している。客数が落ちるも単価は伸び悩み、既存店売上は前年割れときている。全社売上は辛うじてプラスだ。
Uアローズの決算
本日はUアローズの決算発表だったので、少し言及しておく。
(引用元:Uアローズ 決算短信)
売上は順調に伸ばせたものの営業利益が落ちている。純利益は法人税率の低減と減損損失の低減もあってプラス復帰している。
営業利益の落ち込みは在庫抑制のためにアウトレットに力を入れたことによる利益率の悪化が原因で、僕は在庫抑制の試み自体はいいことだと思っている。ただし結果としては、伸び率は減少したものの在庫は増加している。これをどうとるかは人によりけりだろうけど、僕は残念な結果だと思った。改善したって言ったも純利益との比率で見るとアダストリアとどっこいどっこいくらいだし。
(引用元:Uアローズ 決算短信)
来期予想は増収増益見込みだけど、第二四半期の予想が結構な減益となっていてちょいと気になるものだった。内容をよく見てみると人件費と大型出店による販管費の上昇とあった。出店計画を見ると六本木ヒルズに427坪と都内最大規模の旗艦店をリニューアルオープンするとあるので、たぶんこれのことだろう。
都内は既に目ぼしい街には大体アローズの店舗があるので、接客や店作りに力を入れて、よほど魅力ある店舗にしないと周囲の既存店の顧客を食うだけで終わるのでは…という危惧がある。ま、こればかりは出来てみないと分からない。アローズの接客はバラつきがあるけどエース級の人は本当に心地よく買い物をさせてくれるので、そういう人が集まっている店舗になるなら、ちょっと遠出だけど通いたくなるかもしれない。
ただ、この通期予想は怖いな…。
アダストリア復活か
1月からの通期で見てみるとアダストリアは安定して高い。売上、利益、時価総額とどれで比較してもアローズよりアダストリアの方が大きいが、再度成長路線に戻してきたみたいだ。
(引用:アダストリア 決算説明会資料)
統合後はのれん償却で苦しむ年が続いていたが、ここにきて急激な回復を見せてきている。僕自身は2013年に統合話を聞いて迷走を感じて売ってしまっていたが、最近の様子を見ていると新体制への移行が落ち着いてきて、統合のシナジーも出てきたのかなと思う。まだ1年いい結果が出たにすぎないが、今後を注目すべき銘柄と言えるだろうう。
最後にお礼をば
先日、宮田レイシープ (id:goodbyebluemonday23)さんに投資系ブログということでご紹介いただきました。ありがとうございます。
投資の記事は全体の2割程度で投資ブログと言えるかは微妙だけど、今後も退場せずに長々と続けていければいいな。投資も、ブログも。
アローズ暴落
*1:僕が購入している肌着・下着については