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WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

うつから完全復帰ってできるものだろうか?

労働 労働-ブラック

うつ病に関する記事をいくつか見かけた。それなりに社会人をやっていると、うつ病というものが間近になることがあるだろう。僕も一度、うつ病から復帰中だという人と同じプロジェクトに配置されたことがある。その時に僕が感じたのは、うつ病からの完全復帰は可能なのかという疑問だ。

 

プロジェクトはリーダー以下3名(メイン設計Aさん、サブ設計 僕、うつ復帰中Cさん)で構成されていた。Cさんは復帰中ということでガリガリの設計ではなく僕の設計のマイナーチェンジ版を担当することになった。僕の設計ファイルをコピペして一部変えるところを弄るだけなので、仕事量としては設計1人つけるほどのレベルではない。

 

Cさんが設計を開始してから二週間、僕とAさんは違和感を抱いていた。Cさんの設計ファイルの日付が一行に変わらないのだ。設計ファイルはローカルで弄ってサーバーに上げるよう管理されていたので、「ローカルでずっと進めてるんだな」などと考えていたが…僕やAさんがサーバーに上げるように言ってもはぐらかすのでリーダーを頼ったところ、ようやくCさんの設計ファイルが上がってきた。僕の設計ファイルをコピペしたところでとまっていた、設計ファイルが。

 

そこから、Cさんの設計にはリーダーによる定期チェックが入るようになった。しかしそれは難しいミッション、というのもCさんはうつ病から復帰中であり、あまりキツイ物言いをしてはいけないという暗黙の了解があったからだ。復帰中のCさんは時折フラッといなくなったり、そもそも休みがちだったりというのもあり、設計はまったく進まなかった。リーダーはマネージメント層に人員の追加を要求していたが、数日のヘルプならともかくプロジェクトの人員をすぐに1人増やせるほど潤沢なバッファは部署になかった。

 

そうしているうちにデザインレビュー(以下DR)の日が近づいてきた。DRは設計物をプロジェクト外の人が見て評価すりイベントで、マネージメント層も来る重要なオフィシャルイベントだ。Cさんの設計は全く進んでおらず、今後も進む気配はなかった…ということでCさんのネタ元の設計をしている僕が、残業時間にCさんの分の設計を行う、「小人プロジェクト」が発足された。リーダーやAさんの手助けもありDRは乗り切れたが、とてもとてもキツカッタ。僕は単純に作業負担だけだったが、責任者たるリーダーは僕以上のストレスを受けたに違いない。

 

最終的には追加人員が来てCさんはプロジェクトを外れることになった。Cさんの職場復帰という観点で見ると完全に失敗だし、プロジェクトとしても炎上しかけた案件であり、勝利者などいないプロジェクトとなった。この期の僕の査定も悪かった。

 

うつ病からの復帰は限りなく難しい。復帰というからにはある程度の仕事を与えなければならないが、どの程度の量を、質を与えればいいかは微妙なさじ加減が必要だ。加えて指示にも気を使う。マネージメント層もリーダーも、そして僕たち一般社員もメンタルの専門家ではない、復帰者への接し方は分からず傷つけないように及び腰になりがちだし、気まぐれな復帰者の態度が自己の負担となって降りかかってくれば病気のことを理解していてもイラッときてしまう。

 

人事の面談や産業医による診察は定期的にあるが、職場復帰の現場は職場だ。だが、今の日本の職場に復帰者に対応できる環境が整備されているところはどれくらいあるだろうか。激務で人が病むような職場にそんな余裕ができるものだろうか。

 

Cさんの他にも周りには何名かの復帰組の方がいた。僕が見る限り、前線でバリバリ働いている人はいなかった。会社に余裕があるうちはいいだろうけど、収益が厳しくなりコストカットに働きはじめると、そうした復帰組の人はどうなるだろうか。そう考えると僕はそら恐ろしくなり、精神だけはやらかさないようにと自分に言い聞かせるのだ。